ボロボロの狐を拾ったら母性強めだった

アントロ

文字の大きさ
上 下
3 / 12

好きだという事

しおりを挟む
レンには、一つ思う事があった。それは、最近アオイを見るとうずうずするのだ。
(完全に好きになってる・・・)
恋愛対象として見てはいけない。そう自分に言い聞かせるほど、もっと好きになっていく。そんな時、アオイがこんな提案をしてきた。
「ねぇ、レンさん」
「っ!な、なに?」
「お風呂、一緒に入りません?」
そう言われた瞬間、レンは思考停止した。






サァァァァ・・・
あの時と同じように、2人で風呂に入った。
「ふぅ・・・」
先にシャワーを浴び、湯舟に浸かっていたレンは、シャワーを浴びるアオイを見つめた。
どうしても、思いが収まらない。レンはうなだれ、ため息をついた。
「大丈夫ですか?」
「あぁ、うん、大丈夫」
元気がなさそうにしていると、レンの頭に手が乗った。
「んぉ?」
「よーしよーし」
「・・・・・!?」
顔を上げると、アオイがレンの頭をなでていた。その顔は母性に満ち溢れており、聖母に等しかった。
「今日一日頑張ってえらいえらい。お疲れ様」
「・・・・・ぅん」
それから数分、レンはアオイに撫でられていた。
「なぁ、アオイ・・・」
「なんですか?」
2人は湯舟で顔を合わせて浸かった。
「その・・・」
好きになった。そう言いたいけど、なかなか言葉が出てこなかった。
「す・・・」
「す?」
「・・・・・・・・明日、すき焼き食べたい」
どうしても言えずに、特に好きでもないすき焼きを欲してしまった。
「ふふ。いいですよ。じゃあ、明日一緒に材料買いに行きましょうか」
「・・・・うん」
レンはまた、アオイに頭をなでられた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

そんなの真実じゃない

イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———? 彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。 ============== 人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

初恋はおしまい

佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。 高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。 ※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。 今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

「恋みたい」

悠里
BL
親友の二人が、相手の事が好きすぎるまま、父の転勤で離れて。 離れても親友のまま、連絡をとりあって、一年。 恋みたい、と気付くのは……? 桜の雰囲気とともにお楽しみ頂けたら🌸

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

黄色い水仙を君に贈る

えんがわ
BL
────────── 「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」 「ああ、そうだな」 「っ……ばいばい……」 俺は……ただっ…… 「うわああああああああ!」 君に愛して欲しかっただけなのに……

君はさみしがり屋の動物

たまむし
BL
「ウォンバットは甘えるの大好き撫で撫で大好き撫でてもらえないと寿命が縮んじゃう」という情報を目にして、ポメガバースならぬウォンバットバースがあったら可愛いなと思って勢いで書きました。受けちゃんに冷たくされてなんかデカくてノソノソした動物になっちゃう攻めくんです。

前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果

はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。

処理中です...