突っ走った後に道はできる!「改稿版」

大鳥 俊

文字の大きさ
上 下
7 / 13

7.憂鬱とお見合いの真意

しおりを挟む


 モンパズコラボで手に入れたジェム。
 錬金術で合成した、特大サイズのジェムを使って加工することに。

「:DIY:スタートっと……よし、始めるとしますか」

 毎度お馴染み、創造神様の御業をお借りする:DIY:スキルを起動する。
 能力値が生産時に限り、無尽蔵に湧き上がり無双できる……攻撃できないけど。

 生産に必要な要素をすべて持つため、ありとあらゆるモノを加工できる。
 ジェムの加工には研磨関係のスキルが必要になるが……それも無視可能だ。

「小さいサイズは粉末にして塗料にしたり、素材に振りかける用途だけど……うん、大きいのは繊細な作業が必要だな」

 ジェムを磨き、形を整えていく。
 この時使うのは、俺が持つチートアイテムの中でも最古参である『万能手袋』。

 某猫型ロボットの秘密な道具のように、あらゆる加工を補助する便利グッズだ。
 そのため、撫でるようにジェムへ触れるだけで擦れてちょうどイイ具合に磨ける。

「形は……よし、これでいいな。この辺も再現しないとダメなんだな」

 今回作るのはモンパズコラボで得たレシピに載った、とあるキャラの装備品。
 はっきり言って見てくれだけの装備なのだが、異様に難易度が高い。

 転売防止とか、そういう事情なのかもしれないが……普通に大変である。
 できた装備を普段使いの装備に、ある方法で重ねることで真の意味で完成するわけだ。

「『SEBAS』、現実から画像の方を引き出してくれ」

《畏まりました──こちらですね。他にも別アングルからの画像が、フィギュアやカードで出ておりました》

「ありがとう……レシピだけだと、細かい部分が分からないからな。イラストレーターのラフ画も込みで、可能な限り再現をしておきたいのがマニア心ってもんだ」

 ──そして、装備品が出来上がる。

  ◆   □   ◆   □   ◆

「というわけで、銀花。これが完成品だ」

「驚嘆。これは……」

「『機潰崩鎚[マキニル]』と、その使い手である『雷轟の神機姫[アレッタ]』の衣装一式だな。前に見ていたし、頑張って作ってみたぞ。衣装の方は……まあ、おまけだ」

「…………」

 もともと武器の方を見ていた銀花だが、どうせならと張り切って作ってみた。
 サイバーパンク染みたラバースーツを基にして、女の子向けのデザインがされている。

 その所々に飾られているのが、先ほど必死に研磨した特大サイズのジェム。
 各駆動部にエネルギーを注ぐパーツ、とイラストレーターはラフ画にメモしていた。

「興味津々。マイマスター、すぐに着用してもよろしいでしょうか?」

「ん? あ、ああ……ただ、可能であれば写真を撮らせてもらえないか? うちの家族にも見せてやりたい」

「同意。構いません、それでは早速」

 そんなこんなで、この後は鎚を担いだ機械少女の写真を撮りまくったのだが……まあ、家族にはいろいろと反響があったとだけ言っておこう。

しおりを挟む
お読みいただきまして、ありがとうございました!!しおり、お気に入り、大変励みになります!!ありがとうございます(*^_^*)ご感想、コメント等、一言いただけますと、めちゃくちゃよろこびます!お暇がありましたら、是非よろしくお願い致します!
感想 0

あなたにおすすめの小説

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】私の嘘に気付かず勝ち誇る、可哀想な令嬢

横居花琉
恋愛
ブリトニーはナディアに張り合ってきた。 このままでは婚約者を作ろうとしても面倒なことになると考えたナディアは一つだけ誤解させるようなことをブリトニーに伝えた。 その結果、ブリトニーは勝ち誇るようにナディアの気になっていた人との婚約が決まったことを伝えた。 その相手はナディアが好きでもない、どうでもいい相手だった。

君は妾の子だから、次男がちょうどいい

月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

【完結】好きになったら命懸けです。どうか私をお嫁さんにして下さいませ〜!

金峯蓮華
恋愛
 公爵令嬢のシャーロットはデビュタントの日に一目惚れをしてしまった。  あの方は誰なんだろう? 私、あの方と結婚したい!   理想ドンピシャのあの方と結婚したい。    無鉄砲な天然美少女シャーロットの恋のお話。

命を狙われたお飾り妃の最後の願い

幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】 重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。 イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。 短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。 『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

処理中です...