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帰ってきたフレイム(正岡焔記憶喪失編)

⑥答えを間違えると、ヤバいやつだ※

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 それまでの焔は優しくて、甲斐の一挙一動を気にしながらゆっくり進めてくれていたのに、明らかに空気が変わった。
 答えを間違えると、ヤバいやつだ。

「ほ、焔とするために……自分で慣らしたから?」

 どう考えても恥ずかしすぎる内容だが、そう言わないとどんな目に遭うかわからなかった。前の男を忘れさせるとか言って抱き潰されるのは間違いない。
 甲斐の返事に納得したのか、焔は嬉しそうに「そっか」と呟く。

「でも次からは俺に見せて」
「う、うん?」

 記憶を失っても、何となく優しくなっても、根っこの部分は変わっていないらしい。そういう変態な部分こそ失って欲しかったのに。

「今日は俺が慣らすから」
「うん…………あっ、まって……んんっ」

 指一本とはいえ根元まで入ってくる。ゆっくりと円を描くように中をかき回されて、どうしたって甘い声が漏れてしまう。
 ゆっくりしなくたって入るのにと思うけど、そんな事を言えば焔が怒りそうなので口にはしない。

「あっあっ、……ん、」
「すごいトロトロなんだけど。どんだけ一人でしてたの?もしかしてここだけでイケる?」
「無理……」
「やらしいよ、ほら、中も真っ赤ですごいえっち」
「――ひぁっ、やっ、やだっ」

 二本目の指を挿入されて、中を開かれる。ヒクヒクと収縮する部分をじろじろと見られ、恥ずかしくて堪らないのに、どんどん体が熱くなっていく。

「でも俺としたかったんでしょ?ちゃんと見せてくれないと、入れてあげられないよ」
「うう……もう入るから…………」
「甲斐を傷つけたくないから、ごめんね」

 そう言ってまた指が増やされる。甲斐を焦らすためと言うよりは本当に心配してのことのようなのだが、それにしてももどかしい。

「はやく、焔の欲しい……」

 そう強請ってもなかなか許して貰えない。三本の指が中を自由に動き、弱い所を掠め、それでもなかなか決定的な刺激は与えられない。

「やっ、もう……入れて、おねがいだから……っ」
「うん、そろそろ入るかな。ちょっと待ってね」

 やっと中から指が抜かれ、散々流し込まれたローションがトロリと溢れ出す。慣らされすぎたせいでちゃんと閉まらなくなっていそうで怖い。
 焔はゴソゴソとベッドサイドを探っている。コンドームでもつけてくれるのだろうか。いつも中で出すのに、やはり焔は優しい。

「お待たせ」

 ところが焔にコンドームをつけた様子はない。
 不思議に思ってベッドサイドを見ると、そこにはビデオカメラが置かれていた。

「…………焔」
「何?」
「いや、俺のセリフなんだけど。あれ、何?」
「カメラ?」
「何で?」
「初えっち記念?」

 そうだった、この男はこういう奴だった。

「本当は最初から撮影しておけば良かったんだけど、舞い上がっちゃってそれどころじゃなくて……ごめん、途中からになった」
「いや、撮影するなよ」
「だって甲斐との初めてのえっちだし、記録したいよ」

 撮影されるのは甲斐なのに、何故か拒否権は甲斐にないらしい。逃げ出そうにも長い間尻穴を弄られていたせいで体に力が入らない。
 足を大きく広げられて、そこにペニスが押し付けられる。やはりコンドームはしていなかった。

 押し当てられて今にも入ってきそうなペニスに、そこが期待して、勝手に口を開こうとする。
 恥ずかしくてたまらないのに、獲物を捕らえようとするような目に見られると動けない。

「入れるよ」
「あ、んんんっ、」
「痛い?」
「へーき……」

 甲斐の様子を気遣い、少しずつ少しずつ挿入されていく。中が焼かれたみたいに熱いのにいつまでも欲しいところに届かない。もっともっとと内壁がはしたなく焔のペニスを誘い込む。

「あ、んっ、ほむら……大丈夫だから……」
「甲斐、甲斐……甲斐の中気持ちいい。ずっと入れていたい」


 初めて焔と繋がった時のことを思い出す。あの時は、脅されて、無理矢理犯されたんだったけど。親友だと思っていた相手にずっとそんな目で見られていたのだと言われてショックだった。
 でも、それから、いつの間にか好きになっていて。ちゃんと付き合い初めて、幸せだった。
 幸せだったのに、焔ときたら勝手に記憶喪失になんてなったのだ。

 ……でも、焔とのあの初めてをやり直しているみたいで、悪くないかもしれない。


「ほむら、すき」
「甲斐、好きだよ」


 舌を絡め合うキスをすると、体内のものがぐっと大きくなる。玩具では届かない場所を少しずつ暴かれていく。

「あ、あっ!ふかい、っ……」
「甲斐の中はもっと奥にって誘い込んでくるよ。やっぱり残念……俺が慣らしたかったのに」

 甲斐の体を変えたのは焔なのに、そんなこともすっかり忘れた男が悔しそうにしているのは可愛くて。

「はやく俺の形覚えて……いっぱいしようね」
「……うんっ」

 そんなのとっくに覚え込まされた。
 自分を貫いた懐かしい存在を締め付けながら、甲斐は快楽に溺れていった。


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