40 / 57
帰ってきたフレイム(正岡焔記憶喪失編)
⑤よく考えたら肝心の記憶喪失がそのままだった※
しおりを挟む
49話を回避し、以前までと同じように焔と付き合い始めた。
放課後遊びに行ったり、楽しく一週間を過ごしたが、フレイムの世界に戻る気配もない。
良かった、これなら焔とずっと一緒にいられる。そう思った時、はたと気づく。
よく考えたら肝心の記憶喪失がそのままだった。
二人で焔の家でDVDを見ていると、焔が真剣な目で甲斐を見つめていることに気がついた。
あ、これ、いつもキスする前にしてるやつだ。そう気がついたけれど、でも、焔は記憶喪失で……付き合ってるけど、キスしたら、浮気みたいにならないだろうか?
いや、どっちも焔なんだけど。
そうして混乱しているうちに、焔の顔が近づいてくる。反射的に目を閉じると、次の瞬間には唇に柔らかいものが触れた。
唇が触れるだけですぐに離れて、軽く抱きしめられて、耳元に「好き」と吐息を吹きかけられる。
……ヤバい、ただそれだけのことなのに、勃った。
いや、だって、仕方ないのだ。
焔が記憶を失ってからずっとしてないわけで。自慰をしようにも前だけの刺激では射精できないし。焔が前に置いていった玩具を使ってみても、イケなかったのだ。生殺しのような二週間を送っていたのだから、ちょっと触れ合っただけで勃起してしまってもおかしくない……はずだ。
「甲斐……」
また、焔が近づいてくる。
甲斐の唇を擽るように焔の舌がなぞる。くすぐったいだけのはずなのに、その先を期待して、ゾクゾクしてくる。
焔は恐る恐るといった様子で、舌を潜り込ませてくる。それもそうか、この焔は甲斐と初めてのキスなのだから。
「んっ……」
遠慮がちに舌を絡められ、ちゅっちゅと音を立てて吸われる。たどたどしい様子が何だか可愛いと思えるけれど、これはたしかに焔のキスだともわかる。記憶を失っても、焔は焔だ。
甲斐の方からも焔に舌を絡ませてやると、戸惑ったようだったが、すぐにキスがもっと深くなる。
「ふっ……んんっ……」
キスだけで満たされるけれど、もっとその先が欲しくなる。触れられていない尻の奥がむずむずと疼くような気がした。
「甲斐、したい……」
熱を帯びた目が甲斐をとらえる。
甲斐はただそれに頷いた。
ベッドに押し倒されて、シャツの上から乳首に触れられる。散々焔にいじられて性感帯となっているため、軽く触れられただけで先端がぷくんと尖ってしまう。
「乳首、えっちだね」
お前のせいだと言ってやりたかったが、この焔には記憶が無いのでやめた。
つんつんとつつかれると甘い声が漏れてしまいそうになるのを必死で堪える。それでも焔には感じていることがバレているのだろう。
シャツを捲り上げられて、勃起した乳首をじっと観察される。
「……ひっ」
乳首にキスを落とされ、そのまま軽く吸われる。ちゅっと音を立ててそこを吸われる度に体が震えてしまう。
「甲斐、可愛い……」
「あっ、……んんっ……ほむらぁ」
記憶は無いはずなのに体は甲斐の気持ちいいところを覚えているのか。吸われ、舌で捏ねくり回され、唇ではむはむと挟まれる。もう片方の乳首は爪でぐりぐりされ、指の腹でぎゅっと摘まれる。ただそれだけの刺激なのに、久しぶりの行為ですぐに高まっていく。
「あ、……だめっ…………んんんっ」
あっさり達してしまった。まだ乳首にしか触れられていないのに。
焔は少し驚いたような顔で、
「すごい。初めてなのに胸だけでイクなんて……普段自分で弄ってる?」
なんて言ってくる。全部焔のせいだ。
「ごめんね、服、汚しちゃったね。脱ごうか」
「ん……」
下半身の衣服を剥ぎ取られ、尻にトロリとしたものがかけられる。前から思っていたが、この男、準備が良い。
「俺のが奥まで入るようにゆっくり慣らすからね」
「――ひんっ」
ローションをまとった指がするりと中に入り込んでくる。第一関節くらいまでしか入っていないはずなのにもっと奥に欲しくて。中が物欲しそうに咥えこんでしまう。
「…………甲斐?」
焔の声のトーンが変わる。
「甲斐、もしかして初めてじゃない?」
放課後遊びに行ったり、楽しく一週間を過ごしたが、フレイムの世界に戻る気配もない。
良かった、これなら焔とずっと一緒にいられる。そう思った時、はたと気づく。
よく考えたら肝心の記憶喪失がそのままだった。
二人で焔の家でDVDを見ていると、焔が真剣な目で甲斐を見つめていることに気がついた。
あ、これ、いつもキスする前にしてるやつだ。そう気がついたけれど、でも、焔は記憶喪失で……付き合ってるけど、キスしたら、浮気みたいにならないだろうか?
いや、どっちも焔なんだけど。
そうして混乱しているうちに、焔の顔が近づいてくる。反射的に目を閉じると、次の瞬間には唇に柔らかいものが触れた。
唇が触れるだけですぐに離れて、軽く抱きしめられて、耳元に「好き」と吐息を吹きかけられる。
……ヤバい、ただそれだけのことなのに、勃った。
いや、だって、仕方ないのだ。
焔が記憶を失ってからずっとしてないわけで。自慰をしようにも前だけの刺激では射精できないし。焔が前に置いていった玩具を使ってみても、イケなかったのだ。生殺しのような二週間を送っていたのだから、ちょっと触れ合っただけで勃起してしまってもおかしくない……はずだ。
「甲斐……」
また、焔が近づいてくる。
甲斐の唇を擽るように焔の舌がなぞる。くすぐったいだけのはずなのに、その先を期待して、ゾクゾクしてくる。
焔は恐る恐るといった様子で、舌を潜り込ませてくる。それもそうか、この焔は甲斐と初めてのキスなのだから。
「んっ……」
遠慮がちに舌を絡められ、ちゅっちゅと音を立てて吸われる。たどたどしい様子が何だか可愛いと思えるけれど、これはたしかに焔のキスだともわかる。記憶を失っても、焔は焔だ。
甲斐の方からも焔に舌を絡ませてやると、戸惑ったようだったが、すぐにキスがもっと深くなる。
「ふっ……んんっ……」
キスだけで満たされるけれど、もっとその先が欲しくなる。触れられていない尻の奥がむずむずと疼くような気がした。
「甲斐、したい……」
熱を帯びた目が甲斐をとらえる。
甲斐はただそれに頷いた。
ベッドに押し倒されて、シャツの上から乳首に触れられる。散々焔にいじられて性感帯となっているため、軽く触れられただけで先端がぷくんと尖ってしまう。
「乳首、えっちだね」
お前のせいだと言ってやりたかったが、この焔には記憶が無いのでやめた。
つんつんとつつかれると甘い声が漏れてしまいそうになるのを必死で堪える。それでも焔には感じていることがバレているのだろう。
シャツを捲り上げられて、勃起した乳首をじっと観察される。
「……ひっ」
乳首にキスを落とされ、そのまま軽く吸われる。ちゅっと音を立ててそこを吸われる度に体が震えてしまう。
「甲斐、可愛い……」
「あっ、……んんっ……ほむらぁ」
記憶は無いはずなのに体は甲斐の気持ちいいところを覚えているのか。吸われ、舌で捏ねくり回され、唇ではむはむと挟まれる。もう片方の乳首は爪でぐりぐりされ、指の腹でぎゅっと摘まれる。ただそれだけの刺激なのに、久しぶりの行為ですぐに高まっていく。
「あ、……だめっ…………んんんっ」
あっさり達してしまった。まだ乳首にしか触れられていないのに。
焔は少し驚いたような顔で、
「すごい。初めてなのに胸だけでイクなんて……普段自分で弄ってる?」
なんて言ってくる。全部焔のせいだ。
「ごめんね、服、汚しちゃったね。脱ごうか」
「ん……」
下半身の衣服を剥ぎ取られ、尻にトロリとしたものがかけられる。前から思っていたが、この男、準備が良い。
「俺のが奥まで入るようにゆっくり慣らすからね」
「――ひんっ」
ローションをまとった指がするりと中に入り込んでくる。第一関節くらいまでしか入っていないはずなのにもっと奥に欲しくて。中が物欲しそうに咥えこんでしまう。
「…………甲斐?」
焔の声のトーンが変わる。
「甲斐、もしかして初めてじゃない?」
4
お気に入りに追加
2,710
あなたにおすすめの小説
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
僕がサポーターになった理由
弥生 桜香
BL
この世界には能力というものが存在する
生きている人全員に何らかの力がある
「光」「闇」「火」「水」「地」「木」「風」「雷」「氷」などの能力(ちから)
でも、そんな能力にあふれる世界なのに僕ーー空野紫織(そらの しおり)は無属性だった
だけど、僕には支えがあった
そして、その支えによって、僕は彼を支えるサポーターを目指す
僕は弱い
弱いからこそ、ある力だけを駆使して僕は彼を支えたい
だから、頑張ろうと思う……
って、えっ?何でこんな事になる訳????
ちょっと、どういう事っ!
嘘だろうっ!
幕開けは高校生入学か幼き頃か
それとも前世か
僕自身も知らない、思いもよらない物語が始まった
ヤンデレだらけの短編集
八
BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。
全8話。1日1話更新(20時)。
□ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡
□ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生
□アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫
□ラベンダー:希死念慮不良とおバカ
□デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち
ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。
かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
周りが幼馴染をヤンデレという(どこが?)
ヨミ
BL
幼馴染 隙杉 天利 (すきすぎ あまり)はヤンデレだが主人公 花畑 水華(はなばた すいか)は全く気づかない所か溺愛されていることにも気付かずに
ただ友達だとしか思われていないと思い込んで悩んでいる超天然鈍感男子
天利に恋愛として好きになって欲しいと頑張るが全然効いていないと思っている。
可愛い(綺麗?)系男子でモテるが天利が男女問わず牽制してるためモテない所か自分が普通以下の顔だと思っている
天利は時折アピールする水華に対して好きすぎて理性の糸が切れそうになるが、なんとか保ち普段から好きすぎで悶え苦しんでいる。
水華はアピールしてるつもりでも普段の天然の部分でそれ以上のことをしているので何しても天然故の行動だと思われてる。
イケメンで物凄くモテるが水華に初めては全て捧げると内心勝手に誓っているが水華としかやりたいと思わないので、どんなに迫られようと見向きもしない、少し女嫌いで女子や興味、どうでもいい人物に対してはすごく冷たい、水華命の水華LOVEで水華のお願いなら何でも叶えようとする
好きになって貰えるよう努力すると同時に好き好きアピールしているが気づかれず何年も続けている内に気づくとヤンデレとかしていた
自分でもヤンデレだと気づいているが治すつもりは微塵も無い
そんな2人の両片思い、もう付き合ってんじゃないのと思うような、じれ焦れイチャラブな恋物語
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる