転生したら悪の組織の幹部だったけど、大好きなヒーローに会えて大満足だった俺の話

多崎リクト

文字の大きさ
上 下
29 / 57
番外編

媚薬③おわり※

しおりを挟む
「……あっ」

 いつもより柔らかくなっているのは媚薬の効果だろうか。ローションを使わなくてもとろとろにとろけたそこには簡単に指が入り込む。
 甲斐のお尻は焔の指を食べるみたいに纏わり付いてきて、奥へ奥へと招き入れてくる。

「ほむらぁ」


 焔に中がよく見えるように尻を高くあげて、快楽に溺れるように腰が揺れている。

「はや、く」
「今日はダメなんじゃなかったっけ?」
「ダメじゃないからっ」
「じゃあ指だけにしようか」
「やっ、指だけじゃなくて……」
「指だけじゃなくて?」
「ほむらの、入れて……」

 そんな風に誘われるともう焔も我慢の限界で、たっぷり焦らしてやろうなんて考えはどこかへ飛んでいってしまう。

「――ひゃんっ」

 一気に奥まで挿入すると、可愛らしい声をあげて甲斐が射精する。

「あっ、だめっ、まだイッてるからぁ」

 内壁が焔のペニスを締め付ける感覚が気持ちいい。イッたばかりの甲斐の弱いところを責めてやると、やだやだとぐずぐずになりながら言われる。そういうのは逆効果だって。

「あっ、やっ……んんっ」

 弱いところを突くとそこがキュンと締まる。入れたばかりだというのにすぐ射精してしまいそうだ。

「あっ、なか、もっとぉ」

 普段は決して言わないようなことを言うのも媚薬のせいだろうか。甲斐の意識は朦朧としていて、ただ快感だけを追っている。やだとか、だめとか、口では言うけれど。本当は意味を成していないのだ。

「なかに、ほしい」

  熱に浮かされたようにねだられる。

 媚薬のせいだろうか。甲斐のそこは焔の精液を欲してうごめいている。

「あっ、だめっ……そんな奥……」
「欲しいって言ったのは甲斐でしょ」
「んんんっ」

 奥までズプズプすると、甘い声が上がる。

「あっ、あっ……ほむらぁ」
「甲斐、可愛い……愛してる」


 耳元で囁くと甲斐のそこがきゅっと締まる。それがまた可愛くて「愛してる」と囁く。

「甲斐、中で出して欲しい?」
「…………欲しい」
「お腹いっぱい精液飲みたい?」
「あっ……のみた、い……」

 意味を租借することもできずただ焔の言葉を繰り返す。可哀想で可愛い、愛しい人。
 とろんとした甲斐の目を閉じさせて、まぶたにキスをする。

「いいよ、いっぱい飲んで」
「あ、あっ!ぁぁああっ!」

 少し乱暴に突き上げると、甲斐の体がぴくぴくと痙攣する。またイッたのだろう。中が蠢いて、今度こそ焔もそこに精液を吐き出した。

「……んっ」

 挿入していたものを引き抜くと、それまでとろんとしていた甲斐の目が少しだけハッキリとし始める。そういえば、中に精液を出すまで媚薬の効果は消えないのだから、中に出したら消えるのか。

「甲斐、もっとしたい」
「も……むり……」

 力なく首を振ると、中に出したものが溢れてくる。
 そんないやらしい光景を見せられて、我慢なんてできるはずもなく。誘われるままにそこに挿入した。

「ひんっ」
「甲斐、甲斐……」
「だからっ、もう、むりってば!んっ……」

 制止の声をキスで塞ぎ、一気に奥まで挿入する。腰を動かす度に中で精液が泡立つ音が響く。

「やだ、もう、むりぃっ」
 そう言って涙ぐむ甲斐が可哀想なのに可愛くて、結局甲斐が気絶するまでしてしまうのだった。






 後日、鶴見博士に媚薬の効果を話したところ「中出ししなければ切れないんだから、ゴムつけてやればよかったのに」と言われ、大人って怖いなあと思った。


――――――――――
Twitterで連載してたんですが、後半は「リセットしてもヤンデレに犯される俺の話」を毎日更新し始めておろそかになってしまいました。スローペースでしたがお付き合い頂きありがとうございます!

まだ番外編で書きたい話はあるのでまた読んでくださると嬉しいです(o^-^o)

しおりを挟む
感想 70

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー! 他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた

マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。 主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。 しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。 平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。 タイトルを変えました。 前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。 急に変えてしまい、すみません。  

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

【本編完結】十八禁BLゲームの中に迷い込んだら、攻略キャラのひとりに溺愛されました! ~連載版!~

海里
BL
部活帰りに気が付いたら異世界転移していたヒビキは、とあるふたりの人物を見てここが姉のハマっていた十八禁BLゲームの中だと気付く。 姉の推しであるルードに迷子として保護されたヒビキは、気付いたら彼に押し倒されて――? 溺愛攻め×快楽に弱く流されやすい受けの話になります。 ルード×ヒビキの固定CP。ヒビキの一人称で物語が進んでいきます。 同タイトルの短編を連載版へ再構築。話の流れは相当ゆっくり。 連載にあたって多少短編版とキャラの性格が違っています。が、基本的に同じです。 ※ムーンライトノベルズ様にも投稿しています。先行はそちらです。

処理中です...