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第六話②

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「ソーダ・リバー」

 スドーの声と共に、空から緑色の液体が降り注ぐ。耕平もそれをもろに被ったが、肌の上でしゅわしゅわと弾けるだけで特に痛みなどはない。メロンソーダだろうか。
 不思議なことに耕平の体の色んなところにまとわりついていた青いスライムは、つるりと剥がれていった。

 ……助かった。

 だが、耕平はといえば、胸元だけ溶かされたシャツ、尻だけ丸出しになるように溶かされたズボン。もう体内にスライムは入っていないとはいえ、先程まで尻穴にスライムを受け入れていたような状態だ。ひどい異物感から解放はされたものの、ムズムズするような気がするし。
 こんな状態でスドーと二人きり……二人きり?

 ――耕平、好き。

 本当に聞いたのか定かではない、スドーの声が脳内に響く。あれはきっと夢だ。夢だとしたら何故そんなものを見るのだろう。
 スドーが耕平を、好き?

「耕平、大丈夫?」

 青いスライムにされたことが余程ショックで放心しているのだと思っているようで、心配そうに耕平の顔を覗き込んでくる。大きな目が耕平の前にぐいと現れると心臓が跳ねた。

「だ、大丈夫だ」
「でも様子がおかしいし」

 スドーの顔は可愛い方だと思う。いまだに同じ男だということは信じられないが、その下半身にあるものを知っている身としては信じるしかない。
 たぶん、顔だけならかなり好みだ。スドーにされることは気持ちいいし、嫌じゃない。でも、同じ男だし……そもそも耕平は、スドーが何者なのかさえ知らない。

「もしかして体内にスライムが残っている?確認しないと……」
「へ、ちょ……残ってない!残ってないから!」

 ぐるぐると考えている間に押し倒され、足を大きく広げられる。間抜けな格好に恥ずかしくなるがスドーの顔は真剣である。どうやらいつものようなイタズラ目的ではなく、本当に耕平の体内にスライムが残っていないか調べるつもりらしい。

「や、スドー……汚いから……」
「汚くないよ、耕平のだから」

 少し前まで異物を飲み込んでいたアナルがスドーの前に晒され、ヒクヒクと収縮する。羞恥から顔を背けるが、次の瞬間にはスドーの細い指がそこに触れてくる。

「だめ、」
「すごく柔らかくなってるね」

 中をスライムで満たされた時とは違った違和感。中を誰かに――スドーに暴かれているのだと思うと、消えてしまいたくなる。
 先程は腹が膨らむほど中に入っていたように思う。今はそれに比べれば細い指が一本入ってきただけだ。

「あっ、あっ♡♡」
「んー、トロトロしてるし怪しいけどよく見えない。指、増やすね」
「――ひんっ♡♡や、あっ♡」

 中で指が増やされる。あっさり飲み込んでしまうのが怖い。スライムのせいで自分の体が変えられてしまったように思う。だって、そこは出すところであって入れるところじゃない。
 二本の指で中を広げられたかと思うと、じろじろと覗き込まれる。

「あ、広げちゃっ、……だめっ♡」
「普通こんな簡単に指なんて入らないんだよ?スライム自体はもう残ってないみたいだけど、たぶん粘液が体内に残ってる」

 すごく恥ずかしいところを見られている。死にたくなるくらい恥ずかしいはずなのに、腹の中がじわじわと熱くなる。これも粘液のせいだろうか?

「中、綺麗にしてあげるね」
「へ」

 スドーは指で開いたそこを見つめると、口内で小さく、囁くように呪文を唱えた。

「――ひ、あっ?なに、これ……っ♡」

 ちょうど体内に入ったスドーの指先辺りから、何かが溢れて耕平の体内を濡らしていく。スライムの時とは違い、明らかに液体だが、人肌ほどの温度のため冷たくない。
 どんどんぬるま湯で溢れていく体内を、スドーの指がかき混ぜていく。体の内側を洗われているのだ。恐ろしい可能性に気づくが、止められない。

「やだ、やだあ……」
「ちゃんと洗わないと後で困るのは耕平だよ」

 そうだとしても、せめて自分で……「自分で指入れて、中洗える?」無理だ!
 どうせ耕平がすごく頑張って自分で洗うとしても、心配だからと言ってその様子を見ようとするか、洗った後に確かめたりされるに違いない。だったら今は大人しく洗われることにしよう。

 体内を満たしていた液体が、スドーの指を伝って外に溢れ出す。粗相をし続けているようで嫌なのに、スドーはまた中にぬるま湯を送り込んでくる。中はすぐにいっぱいになってしまい、また溢れてくる。

「……んあっ♡くるし……っ♡♡」

 ぬるま湯で腹がぽっこりと膨れる。中からスドーの指が抜かれたかと思うと、そっと腹を押される。

「あ、だめっ♡出ちゃう……だめっ♡♡」

 押されれば中に入っていた物が押し出されてしまう。堪えようと尻穴に力を込めたところで、逆流は止められなかった。スライムの粘液のせいで耕平の中は綺麗なもので、ぬるま湯に色が着くことはなく放出されたのだが、本人はそれどころではなかった。

「スドーの、バカ」

 ぐすぐすと泣きながらそう漏らす耕平に、スドーは思い切りショックを受けていたのだが、耕平は気づかずにいた。
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