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メリーバッドエンド
⑯メリーバッドエンド(三浦視点)
しおりを挟む諦めようかと思ったのに、今回の涼太はいつもと少し違うように思えた。どことなく熱の篭った目で海斗のことを見ている瞬間があって。
勘違いしそうになってしまう。いや、勘違いではないような気がする。今までの涼太はあんな風に海斗の事を見つめたりしなかったし、あの目は、発情している時のそれとしか思えなかった。
だから、最後の賭けに出ようと思った。
これでダメだったら、諦めて監禁しようとその準備も進めながら。
※※※
結果、監禁はしなくて済んだし、涼太と無事両思いになれた。
ずっと待ち望んでいた未来を手に入れたのに、どうしても安心できない。
涼太が海斗を好きになったのは、体に残る快楽の記憶のせいだろう。それを『海斗を見るとドキドキする』と勘違いして、恋だと思い込んでいる。もしも繰り返したリセットの記憶を涼太が思い出してしまえば、この幸福は終わるだろう。
……だから、終わりの日は覚悟しなくてはいけない。
「……優しくしてって言ったのに」
布団にくるまって拗ねている涼太に「ごめん、可愛くてつい」と返す。布団から腕だけが生えてきて、手近な枕を掴み、こちらに投げてくる。
「かいとのへんたい」
「あれはおしっこじゃなくて潮だから大丈夫だよ」
「全然大丈夫じゃない!それにあんな…………奥まで、入れるなんて」
布団のせいで涼太の顔が見えないのが惜しい。可愛すぎて布団の塊相手に勃起してしまう……いや、中身が涼太だからなのだけど。
「……涼太、俺の事嫌いになっちゃった?」
なるべく沈んだ声を出そうとしたら、自分の言葉で本当に落ち込んでしまった。せっかく好きになって貰えたのに、勘違いして貰えたのに、すぐに台無しにしてしまうなんて。海斗がもう少し我慢出来れば良かったのに。
やっぱり何度リセットしたところで上手くなんていかないのかもしれない。今回はたまたま、ほんの少しだけ運が良かっただけで。次なんてもう無くて。
「……海斗?」
布団から涼太がそっと顔を出して、こちらの表情を窺う。泣き出す寸前みたいな顔になっていた海斗の髪を、涼太が撫でる。
「………………好き、だよ」
囁くように口にしてくれた次の瞬間には真っ赤になっていて可愛かった。
勘違いかもしれないし、いつか魔法が解けるように涼太の記憶が戻るかもしれない。それでもその日が来るまではこの幸せな偽りを受け入れていこう。
「涼太、愛してる」
ポケットの中のリセットボタンを、もう使わずに済みますように。
【Merry BAD END】
――――――――
なーさん
ぜひよろしければ結腸挿入して欲しいです(´;ω;`)
マシュマロより
リセットのリクエストです!リセットの効果がわかってるとお互い認知したので、人前での行為に味をしめてまたどえらい場所でおっぱじめて欲しいです!
でした。ありがとうございます!
これにてメリバルートもおしまいです。
書いてて自分でも「これはハピエンルートと何が違うのだろう」と首を傾げました。ハピエンとメリバが似たもの同士になっている……
ただ、これが初期から考えていたメリバでした。
海斗くんはリセットボタンを駆使してようやく涼太くんを手に入れる。そこだけはわりと最初に考えてました。
それにしてもどっちかが記憶を失わないとくっつけないのか?と思いつつ、次は最後のバッドエンドを書こうかと思います(*´ ꒳ `*)ワクワク
メリバルート、お付き合いありがとうございました。良かったらバッドエンドもよろしくお願いします!
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