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メリーバッドエンド
⑮諦めようかと思います(三浦視点)
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体から始まる関係というものもあるだろうし、なんとかなるかと思ったがどうにもならなかった。結局涼太はずっと海斗に怯えているし、そのくせ海斗が触れるとすぐに快楽に負ける。
ビクビクしている涼太が可愛くてすぐにちょっかいかけてしまうが、その度に後悔する。いつまでも心の距離が近付かないように思えたからだ。
どうしたらいいのかと悩んでいた時に思い出したのが、あの時拾ったリセットボタンの存在だった。
涼太がリセットボタンで何度も海斗から逃げたように、海斗はリセットボタンを使って涼太を追いかければいい。
そうしてポケットの中のリセットボタンを使うことにした。
リセットして、また友達になって、最初は触れるのを我慢して、結局我慢できなくなって。
リセットして、友達になって、好きになってもらおうと努力して、我慢できなくなって。
何度も繰り返すが上手くいかない。
リセットして記憶を失った涼太と接する度に少しずつ距離が近づいているように思えるのだが、海斗と同じ気持ちを返してはもらえない。
ならばいっそ、諦められれば楽なのかもしれないけど。諦められるくらいなら何度も繰り返していない。
「涼太、好き……」
どうせ忘れてしまうだろうけど。それでも涼太の中に何かが残ればいい。そう願いながらまたリセットボタンを押した。これが何度目になるのかはもうよくわからなかった。
…………
………
……
…
「涼太、明日映画観に行かない?」
「もしかして、フレイム?」
「うん」
「行く行く!やっぱ海斗なら一緒に行ってくれるかと思ったんだ!」
こうして涼太を映画に誘うのも何度目だろう。リセットする度に友達になるまでの時間は短くなり、映画に誘った時の反応はどんどん可愛くなる。
最初は海斗の家でDVDを見ていたのだが、何度目かのリセットでフレイムが公開直前だということに気付き、誘ってみたらこの反応である。
ちょうど三週間我慢すればフレイムが公開する。リセットして、友達になって、映画までは我慢する。その日に涼太に告白して、ダメだったらまたリセットする。今度こそはと期待してもなかなか上手くいかない。
そろそろ、本当に諦めるべきなのかもしれない。諦めの悪さには自信があった海斗だったが、そろそろ疲れてきたのも事実だ。もう涼太の心を手に入れるのは諦めて監禁するべきなのかもしれないなとため息を吐いた。
ビクビクしている涼太が可愛くてすぐにちょっかいかけてしまうが、その度に後悔する。いつまでも心の距離が近付かないように思えたからだ。
どうしたらいいのかと悩んでいた時に思い出したのが、あの時拾ったリセットボタンの存在だった。
涼太がリセットボタンで何度も海斗から逃げたように、海斗はリセットボタンを使って涼太を追いかければいい。
そうしてポケットの中のリセットボタンを使うことにした。
リセットして、また友達になって、最初は触れるのを我慢して、結局我慢できなくなって。
リセットして、友達になって、好きになってもらおうと努力して、我慢できなくなって。
何度も繰り返すが上手くいかない。
リセットして記憶を失った涼太と接する度に少しずつ距離が近づいているように思えるのだが、海斗と同じ気持ちを返してはもらえない。
ならばいっそ、諦められれば楽なのかもしれないけど。諦められるくらいなら何度も繰り返していない。
「涼太、好き……」
どうせ忘れてしまうだろうけど。それでも涼太の中に何かが残ればいい。そう願いながらまたリセットボタンを押した。これが何度目になるのかはもうよくわからなかった。
…………
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「涼太、明日映画観に行かない?」
「もしかして、フレイム?」
「うん」
「行く行く!やっぱ海斗なら一緒に行ってくれるかと思ったんだ!」
こうして涼太を映画に誘うのも何度目だろう。リセットする度に友達になるまでの時間は短くなり、映画に誘った時の反応はどんどん可愛くなる。
最初は海斗の家でDVDを見ていたのだが、何度目かのリセットでフレイムが公開直前だということに気付き、誘ってみたらこの反応である。
ちょうど三週間我慢すればフレイムが公開する。リセットして、友達になって、映画までは我慢する。その日に涼太に告白して、ダメだったらまたリセットする。今度こそはと期待してもなかなか上手くいかない。
そろそろ、本当に諦めるべきなのかもしれない。諦めの悪さには自信があった海斗だったが、そろそろ疲れてきたのも事実だ。もう涼太の心を手に入れるのは諦めて監禁するべきなのかもしれないなとため息を吐いた。
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