リセットしてもヤンデレに犯される俺の話

多崎リクト

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メリーバッドエンド

⑤夢の理由は?

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 そうだ、ここは海斗の家で。二人っきりで。そんな蕩けるような笑みをこちらに向けられたら、どうしたらいいかわからない。だってそれは普通友達に向けるような表情ではないし、それに意識してしまう自分もどこか普通じゃない。
 本当はどうして海斗といるとムラムラしてしまうのかわかっていた。最近ずっと海斗といやらしい事をする夢を見ていたから。それが涼太の深層意識にあるものなのかはわからなかったけど、その夢があったから海斗を意識してしまっているのは間違いない。
 あの夢を見るようになってから普通の自慰では達せなくて、夢の中の海斗がしてくれたことを起きている時になぞっているせいもあるかもしれない。ペニスを扱いていてもすぐに乳首が寂しくなってそこに触れて、尻穴が疼くので指を入れた。それでも足りず、夢の中で海斗にされるようなことを体が求めていた。

「涼太?」

 その声で名前を呼ばれただけで淫らな夢を思い出してしまう。夢の中の海斗はとにかく意地悪で、夢の中の涼太は素直じゃなくて、嫌だ嫌だと口では言いながらもその行為に溺れていた。

 何故繰り返しそんな夢を見るのかわからなかった。
 何故体が勝手に反応してしまうのか。

 もしかして、海斗のことが好きだからあんな夢を見てしまうのか。

「……何でもない」

 だとしても、結局それは海斗に打ち明けるべきじゃない。いつまでもこうして友人として付き合っていきたい。
 このまま日常が壊れてしまうのは嫌だ。

 あれは涼太の夢の中だけの話で、現実とは何も関係ない。涼太があの夢を思い出しさえしなければきっと、いつまでも平穏は続いていくだろう。

 そう思ったのに、


「そんな顔されたら、期待しちゃうよ」
「へ」

 気がつくと海斗の腕の中にいた。男同士でハグなんて、無くはないかもしれないけど少なくとも自分たちには異常だ。そこまで仲良くないし……あれ、でも休日に出かけたり海斗の家に遊びに来たり、最近は柴田より海斗と過ごす時間の方が長くて。
 いつからそうなったんだったっけ。

 海斗に抱きしめられると心地よくて、安心する。一方で心臓がザワザワして落ち着かない。

「涼太、俺のこと好きでしょ」
「…………す、すきだけど」

 否定すると怪しくなるから肯定する。だがそれは友人としての好意だ。自然に答えたかったのに、どもってしまった。

「涼太はずっと、俺に抱かれたいって目で見てきてたよね」
「な、何言って……」
「俺も、涼太を抱きたい。涼太が好きなんだ」

 抱きしめられて、耳元で囁かれて、心臓がひっくり返りそうになる。
 好き。海斗が。涼太を。抱きたい?
 心臓が別の生き物みたいにずっとドクドクして苦しい。

 ……俺も、海斗が好きなのかな。
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