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メリーバッドエンド

①捕まりました※

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 A、海斗に捕まる


 捕まったら終わりだ。そう走っているつもりだが、もう無理なんじゃないかと思えてくる。だってアイツ余裕そうだし。このまま涼太が海斗から逃げ切るなんて奇跡、起きるだろうか?

 だいたいこれが最後の勝負にすると言ったけど、捕まったところでこちらにはリセットボタンがあるのだ。捕まったらまた逃げればいいのではないか。
 酸素が回らなくなり痛む頭でそう思った時、後ろから強く腕を引かれた。

「んっ……ふぅっ」

 唇が重ねられ、息を軽く吹き込まれる。体が酸素を求めていたせいもあって夢中でそれを受け入れた。
 そうだ、捕まったって今までと変わらない。海斗はこれで最後にしようかと言ったけど、リセットボタンはこちらにあるのだ。嫌だったらまたリセットして、今度はもっとうまく逃げればいいのだ。

「もう逃げないの?」

 キスの合間に何か聞かれたような気がしたけれど、返事をする前にまた唇を塞がれる。口内に舌が入り込んできて、無意識にそれに自分の舌を絡めた。

「……んっ♡ふっ♡」

 キスが深くなると今度はそのせいで頭がぼうっとしてくる。キスは嫌いじゃない。気持ちいいし嫌悪感もない。じゃあ何がダメなんだったっけ。
 いや、こんな外でいやらしいキスなんてしてたらダメだって。靄がかかったみたいな理性をわずかに取り戻して、軽く海斗の胸を押し返す。

「大丈夫、誰も通らないよ」

 それに見られたらリセットすればいいんじゃない?事も無げにそう囁く海斗に、たしかにそうかもしれないなと思い直す。涼太が捕まったのはちょうど人通りの少ない路地裏だったし、万が一見られてもリセットボタンを押せばいいのだ。
 海斗の声は心地よくて、囁かれるだけで体の力が抜けていく。抵抗しないといけないのに、逃げないといけないのに。

「……あっ♡」

 背後に回された手がズボン越しに尻を揉むだけで腰が抜けそうになる。へなへなと座り込みそうになるが海斗の足が股間に差し込まれてそれを許してくれない。
 ふらつく体を壁際まで追い詰められ、ますます逃げ場が無くなる。

「んっ♡♡ふっ♡♡んんっ♡」

 壁に磔にされるようにキスをされ、股間を足で刺激され、いつしか尻を揉む手がズボンの中に入り込む。下着の上から尻穴をツンツンとつつかれる度にその先を期待して甘い声が漏れてしまう。

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