リセットしてもヤンデレに犯される俺の話

多崎リクト

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ハッピーエンド

【番外編】8/29三浦海斗誕

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※ハピエン後の2人


 
 リセットボタンが壊れ、海斗と付き合い始めて、ようやく時が動き出した。そのことを実感したのは先月、海斗に誕生日を祝われた時だった。
 夏休みが始まって、誕生日を祝われて、二人で出かけたりセックスに耽ったりと遊んでばかりいた。
 こうして時が動き出さなければ海斗の誕生日を知ることもなかったのだと思うと感慨深い。

 涼太の誕生日は夏休みの始まりに、海斗の誕生日は夏休みの終わりにあった。夏のはじまりに色々してもらった涼太としては、まあ、恋人の誕生日というやつをきちんと祝ってやりたいと思っていた。思ってはいたが、何をしてやるかはなかなか難しかった。
 本人に聞いてみたところで「涼太が選んでくれるものなら何でも嬉しいよ」と一見スパダリみたいなことを返すだけだった。実際にはたとえ鼻をかんだティッシュをあげたところで喜んでジップロックで保存しそうなのが怖いところだった。
 海斗にしてみれば一番欲しかった涼太が手に入ったので、他に欲しいものなんてないらしい。しいて言うなら涼太の穿いた下着が欲しいと言い出したのでそれは聞こえなかったことにした。

 とはいえ恋人を喜ばせてやりたいというのは本当だし、自分の誕生日に色々してもらった事実もある。紫陽花堂のケーキは美味しかったしちょっといい腕時計を貰った。デザインも好みだったし、ちょっと高そうなやつ。これに釣り合うものがなかなか思いつかない。
 値段が近いものというのはすぐに諦めた。悩んだ末に海斗に似合いそうなTシャツを買った。紫陽花堂のケーキは涼太が「あーん」で食べさせることで付加価値(と言っていいのかわからないが)をつけた。
 海斗はそれだけで大満足だったらしく、デレデレとだらしないくらいに鼻の下を伸ばしている。その顔、クラスの女子に見せてやりたいなと思う。

 だが、まだここからだ。

「……ベッド、行こ」

 覚悟を決めて、海斗をベッドに誘う。
 これまで涼太がしたいと思った時にはもう海斗の方から迫って来ていたため、自分からそういう雰囲気に持ち込むということをしないでいた。だが、今日は海斗の誕生日であり、少しでも喜ばせてやりたい。
 ただベッドに誘っただけなのに海斗は興奮で鼻血でも出すんじゃないかと言うくらい鼻息荒くしている。早まったかもしれないと思いつつ、ベッドに押し倒す。
 こうしているといつだったか、海斗を逆レイプした時のことを思い出す。そういえばあの時はやり返されて後でお仕置されて、酷い目に遭ったんだった……。

 興奮しきってギラギラした目で見られながら、自分のズボンを下ろす。羞恥から動きがゆっくりになってしまうのでストリップショーでもしているような気分になる。

「そ、それは……!」

 着ていたシャツの丈が長めだったのでわからないかと思ったが、海斗は目敏く気づいたらしい。
 先ほどトイレでこっそり穿いたのは、海斗のコレクションから失敬した黒レースのパンツだった。穿いたと表現したもののこちらの下着にはほとんど守備力がない。比較的布のある前半分も股間の部分が大きく開いており、そこからペニスが丸出しになっている。後ろは細い紐のような布がお尻にくい込んでいるだけで、一応アナルだけは隠れているといった状態だ。

 ベッドから勢いよく起き上がりTシャツを捲りあげようとしてくる海斗を押し返し、再びベッドへ寝かせる。シャツの裾を伸ばして海斗から隠そうとするが、シャツの上からでも見えるんじゃないかというくらいじっとりと見られる。

「いったいいつの間に……まさか今日はずっとそんないやらしい下着を穿いて過ごしていたんじゃ……?」
「さ、さっきトイレで着替えただけだから!」

 もっとじっくり見たい、写真撮りたい、と騒ぐ海斗の腹に乗って、とりあえず主導権を取ることにする。シャツのおかげで海斗から下着は見えないだろうが、スカートを穿いてるみたいで心許ない。剥き出しの尻に、服を着たままとはいえ海斗のペニスが当たって落ち着かなかった。

「りょ、涼太。お願い、ちょっとだけでいいからパンツ見せて?」
「……どうしよっかな」
   
 どう考えても変質者の台詞である。せっかくイケメンなのに残念な男だ。
 もったいぶって少しだけシャツの裾を持ち上げて、サイドに結ばれた紐の先を見せつける。尻に触れていた勃起したものがグンとそそり立った。

「あっ♡♡」

 すぐさまこの熱に貫かれたい。ベッドに押し倒されて奥まで突き入れられたい。そんな欲望が涼太の中をいっぱいにしたけれど、今日はダメだ。今日は海斗を翻弄すると決めたのだから。
 シャツをもう少し持ち上げるとレースの間からペニスが顔を出す。このシチュエーションと、尻に当たるものに興奮して、先端からいやらしくヨダレを垂らしてしまっていた。
 海斗の唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえる。

「すごい、やっぱり涼太に似合ってる。肌の日に焼けてない部分が黒のレースで際立って、綺麗……それに可愛いペニスが丸出しですごくいやらしい。お尻の方も見せて欲しいな」
「……うん」

 海斗の腹の上で体の向きを変える。海斗に背を向けるようにして、海斗の上で四つん這いになる。そうすると海斗の目の前にほぼ丸裸の尻が向けられる。興奮した海斗の吐く息が尻にかかるのを感じながら、海斗を思うままに翻弄しているような手応えに段々と気分が高揚してくる。

「んあっ♡」

 尻を海斗の顔に突き出したまま、勃起したペニスにズボン越しにキスをする。ドクドクと脈打つそれを、前をくつろげ、下着の中から取り出す。目の前に現れたそれがいつも涼太の中をかき回しているのだと思い出しただけで、まだ触れていない尻穴が期待に疼いた。
 ペニスにちゅっと軽く触れるだけのキスを繰り返すと更に荒くなった息が尻にかかる。思い切って先っぽを口に含むと思ったより嫌悪感がなかった。

「んっ、ふっ♡♡んっ♡」

 海斗の急所を好きにしているのだと思うと楽しくなってきて、自分でも驚くほど大胆になってしまう。もう少しだけ、と口を大きく開けてペニスを全体の半分ほど口内に収める。
 ペニスを支えなくても良くなったので代わりに自分の尻に手を伸ばす。二つの柔らかな膨らみを両側から引っ張ると、黒い線のような下着が現れる。わずかにアナルの中心を隠しているが、ほとんど見えていると言ってもいいくらいだ。
 細い紐のようなバックの部分を軽く横に引っ張って、海斗の前にそこを晒す。鼻息が体内に入りそうなくらい荒い。

「涼太、入れたい……」

 辛そうに強請られたので「いいよ」と許可してやる。

「でも、俺が入れるから」

 口内からペニスを解放し、ズリズリと足側へ向かう。横になった海斗に背を向けたまま、ペニスを尻穴へあてがう。

「あんっ♡♡」

 Tバックをずらし、アナルには涼太の唾液で濡れた海斗のペニスが触れる。それだけで期待に尻穴がむずむずと疼き、そこにペニスを引き込もうと蠢いた。

「涼太のいやらしいアナルがパクパクしてるのが見えちゃうね。俺のペニスを咥えこもうとしてすごくえっち……」
「んっ♡♡入っちゃう……すごい♡」

 海斗に見せつけるようにしてペニスを挿入していく。体重のせいでいつもと違った角度で、奥まで入ってくるのが気持ちよくて、ゾクゾクと身体を震わせた。

「気持ちいい♡♡奥までいっぱいになってる……おなかいっぱいになっちゃう♡♡♡」
「可愛い、涼太、俺の上でいやらしく腰を振って……」
「あっ♡あっ♡♡かいと、かいとも……気持ちいい?」
「気持ちいいよ」

 いつも海斗から与えられる逃げ場のない快感とは違い、自分のペースで快楽を受け入れる。

「イク♡♡海斗のでイク♡♡♡」
「いいよ、もっと奥まで突き刺して、前立腺グリグリしてごらん」
「うん♡♡♡ああっ♡♡ぜんりつせん気持ちいい♡♡♡」

 ぱちゅぱちゅと水音を立てながらペニスを抜き差ししていると呆気なく射精してしまう。イク時に思い切り中のものを締め付けてしまったが、海斗のペニスはまだ勃起したままで、中に出してもらえていなかった。

「んっ♡♡かいとのせーし、中に欲しい……♡」
「それじゃ涼太へのプレゼントになっちゃうでしょ」

 しょうがないなあと言いながらも一度ペニスを抜き、身を起こした海斗は、涼太をベッドへ押し倒した。涼太の足を大きく開かせると精液に濡れたペニスがいやらしく揺れる。
 自然とまた尻にくい込んでしまった下着がアナルをわずかに隠している。下着の上からアナルを軽く押されると「あんっ♡♡」そのまま挿入されるのかとドキドキした。
 下着を横に引っ張られ、またペニスが挿入される。先程までと違い、恥ずかしい下着に包まれたペニスも、快楽にとろけた表情も、全て見られているのだと思うと恥ずかしくてたまらない。

「――あんんんんっ♡♡」

 一息に奥まで突き上げられると、自分でした時には届かなかった弱いところを容赦なく抉られた。

「あっ♡♡や、はげしいの♡♡♡まって♡♡」
「涼太がそんなえっちな下着で誘うからだよ?」
「だって、お前が……ひんっ♡♡喜ぶかと思って……ああっ♡♡」

 元々この下着は海斗が用意していたものだ。いつか涼太に穿かせたいと思っていたのは間違いない。ならば誕生日プレゼントに望みを叶えてやれば喜ぶんじゃないかと思ったのだ。

「俺が喜ぶと思って穿いてくれたの?」
「あっ♡♡♡あんっ♡♡」
「うん、嬉しい。俺のためにこんなえっちなことしてくれて……可愛い涼太。愛してる」
「ひんっ♡♡おれも、おれも、好き♡♡好き♡」

 キスをして、愛の言葉を交わして、中にドクドクと子種を注がれる。まるで恋人同士のような営みに……いや、今はもう恋人同士なのだった。
 体内に注ぎ込まれた海斗の精液を愛おしく思いながら腹を撫でる涼太だった。

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