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ハッピーエンド
⑭ハッピーエンド※
しおりを挟む涼太とのセックスは何度も妄想してきた。
告白して受け入れられたことが嬉しくて我慢できずに押し倒して泣かれてしまう妄想だとか。本当は海斗のことが好きなくせに素直になれない涼太を追いかけて無理やり犯したり。人前で二人の仲を見せつけたり。いつか使おうと思っていた道具を使って泣かせたり。
両思いになることは無理なんじゃないかと心のどこかで諦めていたからか、妄想でさえラブラブなセックスというものは上手くいかなかった。
「あっ♡♡海斗の、入ってくる♡♡♡」
「涼太……」
ぎゅっとしがみつき、挿入されるペニスに悦びの声を上げる。妄想の中で涼太を泣かせた時よりも、当然だがずっとずっと満たされる。
「涼太、好き……愛してる」
「んっ♡あんっ♡♡ふぅっ」
涼太の中を突き上げながら、愛を囁きながら、何度も何度も唇を合わせる。涼太の唇は柔らかくて甘くて、夢中になって吸った。好き、大好き、可愛い。幸せな感情が海斗の中を満たしていく。
何度もしつこいくらい涼太の唇を吸ったせいで少し腫れぼったくなってしまって、それが更に美味しそうに見えてまた吸う。涼太はどこもかしこも甘くて、涼太の好きな紫陽花堂のケーキみたいだった。
「……涼太、ごめんね」
何故か涼太に謝らなければいけないような気がして、何に対して誤っているのかもよくわからないのにそう告げた。
涼太は一瞬だけ目を大きく見開いて、海斗の顔をまじまじと見つめる 。
それから耳元で何か囁かれたけれど涼太が何を言っているのか聞き取れなかった。
「涼太?」
「いいから、早く出せよ」
聞き返したけれど教えて貰えず、代わりにしがみつく腕に力を込められ、両足が海斗の腰に回される。中がぎゅっと締まる。積極的な行為に海斗の理性は簡単に限界を迎える。
「中で出していい?」
「……いいよ」
またキスをして、好きと何度も言いながら、中を突き上げる。ひっきりなしに漏れる涼太の声が可愛くて夢中で腰を突き動かした。
「涼太、涼太、涼太……」
「あっ♡♡んあっ♡♡♡おく、おく来ちゃう♡♡♡」
「出すよ、中に……」
「やんっ♡♡あっ、あついの♡出てる♡♡」
なるべく深いところで射精すると、涼太もイッたのか中がうねる。恍惚の表情で中で精液を受け止めているものだから、また欲情してしまう。
そのまま抜かずにもう一戦、と思ったらやんわりと止められた。
「……だめ、今度はベッドで……♡」
そんな可愛いお誘いを断られるはずもなく、一度抜いて今度は寝室へ涼太を運んだ。
「……結構好きになっちゃったみたいだし、お前の粘り勝ちだな。まあ、散々やってきたことは許さないけど」
小さく囁いたからか海斗には聞こえなかったようだったが、それでもいいと思う。どうせ海斗は散々涼太を犯したことを覚えていない。実に都合のいい頭をしている。
海斗のしたことは許されることじゃないけど、もしかしたらリセットボタンの存在が海斗を狂わせたのではないかという思いがあった。現にリセットボタンが壊れた後の海斗は随分と変わったように思う。まあ、根っこは変態のあの海斗だなとは思った。
無理矢理とはいえ何度も体を繋げたから。一人ではイケなくなってしまったから仕方なく。何度も好きと伝えてきた海斗に絆されて。何故かはよくわからないけど、しばらくは一緒にいてもいいかなと思った。放っておくと何をするかわからないし、涼太が「好き」と言う度に可愛い反応をしてくれる。
普通に告白されて、まずは友達から始めて、そうしたらいつかこうなったのかもしれない。
そうならなかったこの世界では、もうその世界のことはわからないけれど。
あの繰り返した日々は長い夢だったのかもしれないし、それでもいい。海斗の腕の中で、久しぶりに安心してゆっくりと眠れそうな気がした。
【Happy End】
あきおさん
なにかカミングアウトをするシーンが好きなので、今までのリセットした事を全部話して(そこで涼太くんの愛の告白⁉︎)三浦くんにトロトロに愛されるという最後までらぶらぶエンドを妄想しております。妄想が止まらない‼︎ (><)
でした。ありがとうございます!
―――――――――――
長かったハッピーエンドルートが終わりました。書きながら「これ、本当にハッピーエンドなの?メリバじゃい?」と自分に問いかけていました。メリバ、バドエンルートと比べたら一番糖度が高いルートのはずです。一応両思いなんですよ。
次はメリバルート……の前に涼太誕、海斗誕でお会いしましょう(⋆ᵕᴗᵕ⋆).+*ペコ
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