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ハッピーエンド
⑨やっぱりド変態でした
しおりを挟む目が覚めると海斗のベッドの上だった。色んなものでドロドロだったのに体は清められ、シーツも取り替えられており、パジャマを着せられていた。どうしてサイズがピッタリなのかは疑問だったが、どうせ海斗が元々用意していたものなのだろう。今更ごく普通のパジャマが涼太用として買われていてもどうということはない。
海斗のことだから涼太が眠っている間に、ここに泊まれるように家に連絡しているに違いない。だからパジャマなんて着せたのだろう。以前だったら海斗のいない今のうちに脱出しようと考えたり、リセットボタンを押したりしたわけだけど。まあ、泊まっていてやってもいいかなと思う。
「……めちゃくちゃ気持ちよかったし」
なんていうか、海斗のことは嫌いじゃなくて、たぶん好きで。好きなやつとするセックスっていうのは気持ちよかったのだ。
こんなことならもっと早く素直に……いや、別にずっと好きだったわけじゃない。流されて流されて流され続けているうちにだんだん洗脳されてしまっただけで。利害が一致しただけで。あと、今回の海斗がちょっと純情ぽくて可愛かったからだ。いつもの海斗だったらたぶん好きになんてならなかった。
そう思いながらも、意識を手放す前のことを思い出すと、はたしてあの海斗は純情なのだろうかと首を傾げた。涼太の中に出した後も急に脇の匂いを嗅いできてそのままぺろりと舐めて。悲鳴を上げて引き離そうとする涼太を押さえ込んでそのまま片方ずつ脇を舐めしゃぶった。ド変態だ。そうしている間にも中にペニスは突き刺さったままで、涼太の痴態を見てまたどんどん硬くなっていって、そのまま、脇を舐めながら突き上げられたのだ。
……ダメだ、あいつはド変態だ。
でも結局そんな変態に犯されて気持ちよくなってしまう涼太もまた変態で、そう考えれば自分たちは似たもの同士てお似合いなのかもしれない。
「あ、涼太起きた。ごめんね、初めてなのに無理させちゃって。家には連絡したから、今日は泊まっていって」
「……ん」
「夕飯はハンバーグ焼くけど、ソースは何がいい?和風とデミグラスソースがあるけど」
「デミグラ」
「こうして涼太に食べてもらえるなんて夢みたいだな」
そう言って本当に嬉しそうにするものだから、胸の奥が疼くような、変な気持ちになる。
「…………すき」
聞こえないように呟くと、胸の疼きがおさまるような気がした。
トイレに行ったらとんでもない下着を穿かされていることに気付き、やっぱり早まったかもしれないと後悔するのはその五分後の事だった。
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