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ハッピーエンド

④告白は校舎裏で

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 ――リセットボタンが壊れたせいだろうか。

 リセットボタンが壊れてから、今までとは何かが違う。おそらくは海斗の記憶がリセットされたままなのだ。
 逃げ続けるためには涼太にとって都合のいい展開だ。
 ……涼太の中に残る、性の記憶さえリセットされてくれていれば。

「お前が、何回リセットしても人のことレイプしてくるから……」
「えっ!」
「俺は普通に可愛い彼女が欲しかったし、お前みたいな変態には関わりたくない。でも俺ももう一人じゃイケないし……とにかく、海斗が全部悪い!」

 こんな変態と関わるなんて嫌だけど、でももう涼太も立派な変態の仲間入りだ。尻穴を弄らないとイケないし、たぶん自分一人ではイケそうにない。見知らぬ誰かにそれを打ち明けるところから始めるよりはずっとこのまま海斗と関係を続けた方が楽なはずだ。
 そうやって自分を納得させる理由を考える。嫌だけど、仕方ない。変態な部分を除けば海斗もそこまで悪くない。一途に涼太のことが好きで、高所恐怖症で、好きなテレビが一緒で。
 こんな風にならなければ普通に友達になって、もしかしたらそこから好意を打ち明けられて、ゆっくりと関係は進んだのかもしれない。進まなかったのかもしれない。リセットボタンが最初から存在しなければどうなっていたのか、もう想像することしかできないけど。

「……とにかく、責任取って、俺と付き合え」

 何で俺が告白しないといけないんだと思ったけど、顔をこれ以上ないくらい赤くした海斗という面白いものを見られたのでまあいいとしよう。




 今回の海斗は今までで一番まともだった。じゃあとっととしようぜと体育倉庫に連れ込もうとしたら「初めてなのにこんな場所じゃ嫌だ」と抵抗された。過去にそこで海斗がしたことを言ってやろうかと思ったが、嫉妬して何をするかわからないのでやめておいた。
 仕方なく海斗の家に行くことになった。

「涼太が俺の部屋に……俺のベッドに座ってる」

 ただそれだけの事実に感動しているらしい海斗は、さっきから何度もスマホで涼太を撮っている。何が楽しいのかわからないが、好きにさせている。
 とはいえこちらは全然射精出来ていなくて溜まっているわけで、そろそろ限界だった。また襲わないといけないのだろうか。
 海斗がこちらにスマホを向けているのを見つめながら、シャツのボタンを一つ外す。離れているのに海斗の息を飲む音が聞こえてきて、もう一つボタンを外す。
 シャツを少し開き鎖骨を見せつける。海斗が勢いよくベッドに飛び乗り、涼太を押し倒してくる。まるで大型犬にまとわりつかれているみたいだなとのんきに考えた。
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