リセットしてもヤンデレに犯される俺の話

多崎リクト

文字の大きさ
上 下
122 / 203
三部 賭け

6-①さすがに気づきました

しおりを挟む
 もう何度目になるか思い出せないリセットの後に、さすがの涼太も気づいた。というか、気づきたくなかったけど認めざるを得なくなっていた。

 俺、流されすぎじゃない?

 快楽に弱すぎるとか、押しに弱いとか、海斗に丸め込まれやすいとか。これでもちゃんと逃げているつもりだったのに、捕まる。そもそも本気で逃げる気があるのかと言われても仕方がないレベルだ。

 とにかく、今度こそ逃げ切ろう。
 もしも海斗から逃げるのを諦めてしまえば、いつの日か監禁生活が実現されるに決まっている。そんなことになったらヤリ殺されるかもしれない。


 ……そう、思っていたのだけど。


 さあ海斗を避けるぞと意気込んでいたのに、今回は一向に接触してこない。また罠かと身構えているうちに放課後になった。
 あれ、これ逃げ切れそう?
 海斗が何を企んでいるのかわからないが、逃げ切れれば涼太の勝ちだ。そうすればもう海斗から追われることはなくなる。

 だが、何か企んでいるのかもしれない。

 さてどうしたものかと考えあぐねているところに、海斗が動いた。
 といっても涼太に接触してきた訳ではなく、涼太を残して教室を後にしたのだ。帰るのだろうかと思ったが、それも違った。
 海斗の向かった先は校舎裏で、そこには一人の女子生徒がいた。

 二人が何を話しているのかまでは聞こえてこないが、その女子生徒の顔が真っ赤なこととこのシチュエーションからして間違いない。


 ――これは告白シーンだ


 あの変態を好きになる人間なんているのかと驚くが、たしかに海斗は外面だけはいい。涼太とてこんなことにならなければその外面に騙される側の人間だったはずだ。

「マジか……」

 もしかして、今回海斗が接触してこなかったのはあの女子生徒と付き合うことを決めたからじゃないだろうか。今まで散々人のことを犯しておいて、やっぱり女の子の方がいいやとか、そういう最低なことを思って……?
 だとすれば今回逃げ切って海斗とのことは無かったことになって、平穏な日々を取り戻すことが出来て……だが、それでいいのだろうか。

 人のことを今まで散々な目に遭わせておいて、あっさりと可愛い女の子に乗り換えて。今度はあの女子生徒がその毒牙にかかる。
 ふつふつと怒りが湧いてくる。勝手に持ちかけた賭けを勝手に終わらそうとするのもムカつく。あんなに俺が好きとか言ってたくせに。

 もしもこの賭けを終わらせるなら、海斗に何かやり返してからでないと気が済まない。



 そして感情のままに飛び出した涼太は、女子生徒に向かって「こいつ変態だからやめた方がいいよ」と忠告してやったがために、頬にビンタを食らうのだった。



しおりを挟む
感想 161

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

父のチンポが気になって仕方ない息子の夜這い!

ミクリ21
BL
父に夜這いする息子の話。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

処理中です...