リセットしてもヤンデレに犯される俺の話

多崎リクト

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三部 賭け

6-①さすがに気づきました

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 もう何度目になるか思い出せないリセットの後に、さすがの涼太も気づいた。というか、気づきたくなかったけど認めざるを得なくなっていた。

 俺、流されすぎじゃない?

 快楽に弱すぎるとか、押しに弱いとか、海斗に丸め込まれやすいとか。これでもちゃんと逃げているつもりだったのに、捕まる。そもそも本気で逃げる気があるのかと言われても仕方がないレベルだ。

 とにかく、今度こそ逃げ切ろう。
 もしも海斗から逃げるのを諦めてしまえば、いつの日か監禁生活が実現されるに決まっている。そんなことになったらヤリ殺されるかもしれない。


 ……そう、思っていたのだけど。


 さあ海斗を避けるぞと意気込んでいたのに、今回は一向に接触してこない。また罠かと身構えているうちに放課後になった。
 あれ、これ逃げ切れそう?
 海斗が何を企んでいるのかわからないが、逃げ切れれば涼太の勝ちだ。そうすればもう海斗から追われることはなくなる。

 だが、何か企んでいるのかもしれない。

 さてどうしたものかと考えあぐねているところに、海斗が動いた。
 といっても涼太に接触してきた訳ではなく、涼太を残して教室を後にしたのだ。帰るのだろうかと思ったが、それも違った。
 海斗の向かった先は校舎裏で、そこには一人の女子生徒がいた。

 二人が何を話しているのかまでは聞こえてこないが、その女子生徒の顔が真っ赤なこととこのシチュエーションからして間違いない。


 ――これは告白シーンだ


 あの変態を好きになる人間なんているのかと驚くが、たしかに海斗は外面だけはいい。涼太とてこんなことにならなければその外面に騙される側の人間だったはずだ。

「マジか……」

 もしかして、今回海斗が接触してこなかったのはあの女子生徒と付き合うことを決めたからじゃないだろうか。今まで散々人のことを犯しておいて、やっぱり女の子の方がいいやとか、そういう最低なことを思って……?
 だとすれば今回逃げ切って海斗とのことは無かったことになって、平穏な日々を取り戻すことが出来て……だが、それでいいのだろうか。

 人のことを今まで散々な目に遭わせておいて、あっさりと可愛い女の子に乗り換えて。今度はあの女子生徒がその毒牙にかかる。
 ふつふつと怒りが湧いてくる。勝手に持ちかけた賭けを勝手に終わらそうとするのもムカつく。あんなに俺が好きとか言ってたくせに。

 もしもこの賭けを終わらせるなら、海斗に何かやり返してからでないと気が済まない。



 そして感情のままに飛び出した涼太は、女子生徒に向かって「こいつ変態だからやめた方がいいよ」と忠告してやったがために、頬にビンタを食らうのだった。



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