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三部 賭け

2-①再びのネカフェ※

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 海斗にリセットボタンを渡された時には、押すのを躊躇した。たしかにリセットしたくてたまらなかった。この状況から逃げ出したかった。だが、さあどうぞリセットしてくださいと言われてそのまま素直に受け入れられるだろうか。

 結局ボタンは押したからこうして元の時間に戻ってきたのだが。つまり鬼ごっこはまだ続いているということで。
 どうしよう。どうやったら海斗から逃げられるのだろう。
 悩んだ末に、学校をサボってネカフェにやってきた。このネカフェは以前うたた寝をしていたら海斗に襲われたといういわく付きの場所ではあるが、逆に一度襲われたから二度目はないんじゃないかという謎の自信からここを選んだ。

 ……もちろん、あっさり捕食されて今に至る。

「ふっ♡♡やっ、んんっ♡」
「もっと声抑えないと、隣の人に何してるかバレちゃうよ?」

 前に犯された時はリセットボタンの存在がバレていなかったから周りに聞こえないように口を塞いでくれていたのだけど。今はただ抱き合うように膝に乗せられて、下から突き上げられている。
 たしかにリセットすれば無かったことにはできるのだが、だからといって他人に痴態を見せつける趣味はない。縋るものがないので仕方なく海斗にぎゅうっと抱きついて、その肩口に噛み付いて声を殺す。それが嬉しいらしい海斗は「可愛い、涼太」と耳元で囁いてきて、吹きかけられた吐息にゾクゾクしてしまう。

 狭いブースの中ではろくに抵抗もできず、ただ下から突き上げられて声を押し殺すことしかできない。

 そもそも、なんで海斗は涼太の場所がわかったのだろう。今までもそうだけど。

「んんっ、ふぅっ♡♡」

 声を我慢したところで接合部から聞こえる卑猥な水音がブース内に響いている。これ、隣に絶対聞こえてるんじゃないか?
 激しく揺さぶられて海斗の肩に歯を立てる。さっきからずっと噛み付いているせいで、海斗のシャツは涼太の唾液でぐっしょりと濡れてしまっていた。

「ダメだよ、シャツ濡れちゃうから」
「――んんんんっ♡♡♡」

 肩口から顔を引き離されて、奥を深く抉られる。
 シャツが濡れたところでリセットすれば無かったことになるのに。ただ涼太をいじめるためにそう言っているだけなのだろう。

「あっ♡……や、ふっ♡♡」

 口を塞げないように両腕を掴まれて、歯を立てられないように頭部を海斗から離される。縋るものがなく不安定で、快楽を受け流せなくなってしまう。

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