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三部 賭け
1-①賭けの始まり
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リセットした後にまず涼太がしたことは、柴田が今までのことを覚えているか確かめることだった。
「してない!絶対言ってない!お前なんで知ってるの!?」
「そうだよな……覚えてるわけないよな」
「いや、お前なんで昨日のこと知ってるの?」
「だとすると何であいつは…………」
「おい、涼太!」
やはり柴田はカラオケで涼太に凛ちゃんのことを相談したことをすっかり忘れていた。
クラスメイトたちは目の前で海斗が涼太を犯すところを見せつけられていたのに、普通にしている。覚えていたとしたら絶対そうはいかない。
顔を真っ赤にして狼狽える柴田は放置して、すごく嫌だけど海斗の元に向かう。
「んー、最初は何かデジャブ?って感じることが多かったんだけど、変だなって思ったのはカラオケで涼太に会った時だったかな。あの辺で急に時間が進んだ気がして」
海斗はまず涼太を見ると「あーあ、またリセットされちゃった」と呟いた。
無意識にポケットの中のリセットボタンを握りしめる。また、奪われたら、もうリセットできないだろう。そうしたら終わりだ。
「……セーブ地点が変わった日か」
「うん、それまでは何か夢の中みたいな……こんなこと前にもあったような気がするけど、やっぱり上手くいかないなあって。変な感じだったんだけど、あの辺で目が覚めた感じ。
それで何となく夢を思い出したら、涼太が変なボタンを押してたなって。もしかしてあれが原因かなって思ったから、とりあえず監禁してみた。カバンが近くにない間はリセットされる気配はなかったので、今度はわざとカバンを近くに置いてみた」
「あの時カバンがあったのは……」
「涼太はやっぱりカバンからボタンを取り出して、押した。だからあれが不思議アイテムなんだなって確認できた。
じゃあリセットしなくてもいいように涼太が俺を好きになればいいかなって思ったけど、なかなか上手くいかない。
やっと好きになってくれたみたいだから、じゃあそれ壊そうかって言ったらやっぱりリセットされちゃうし」
いや、壊すなよ。
「結局涼太は俺を好きになってくれそうにないし……だからさ、俺と賭けをしない?」
「賭け?」
「うん――鬼ごっこしよう」
海斗の提案する賭けとはこうだ。
涼太が逃げる。海斗が捕まえる。
逃げ切れば涼太の勝ち。海斗はもう涼太のことを諦める。海斗が涼太を諦めても涼太の勝ち。
捕まると犯されるが、またリセットしてもいい。涼太が負けになるのは『これ以上リセットするのを諦めた時』または『海斗のことを好きになった時』のみ。
「……それ、やらないとどうなるんだ?」
「別に、今までと変わらないよ」
捕まって犯されてリセットして。その繰り返し。
賭けに乗れば、そこに『逃げ切れば勝ち』という勝利条件が加わる……のか?
「逃げ切るの定義だけど、一日俺とセックスしなければ逃げ切れたってことでいいかな?」
「……ああ」
「じゃあ、三分経ったら追いかけるからね」
……え、もう始まるのか?
慌てて教室を後にする。鬼ごっこなんて何年ぶりだろう。
時間もあまりない。校内に隠れるところをイメージしながら走り出した。
「してない!絶対言ってない!お前なんで知ってるの!?」
「そうだよな……覚えてるわけないよな」
「いや、お前なんで昨日のこと知ってるの?」
「だとすると何であいつは…………」
「おい、涼太!」
やはり柴田はカラオケで涼太に凛ちゃんのことを相談したことをすっかり忘れていた。
クラスメイトたちは目の前で海斗が涼太を犯すところを見せつけられていたのに、普通にしている。覚えていたとしたら絶対そうはいかない。
顔を真っ赤にして狼狽える柴田は放置して、すごく嫌だけど海斗の元に向かう。
「んー、最初は何かデジャブ?って感じることが多かったんだけど、変だなって思ったのはカラオケで涼太に会った時だったかな。あの辺で急に時間が進んだ気がして」
海斗はまず涼太を見ると「あーあ、またリセットされちゃった」と呟いた。
無意識にポケットの中のリセットボタンを握りしめる。また、奪われたら、もうリセットできないだろう。そうしたら終わりだ。
「……セーブ地点が変わった日か」
「うん、それまでは何か夢の中みたいな……こんなこと前にもあったような気がするけど、やっぱり上手くいかないなあって。変な感じだったんだけど、あの辺で目が覚めた感じ。
それで何となく夢を思い出したら、涼太が変なボタンを押してたなって。もしかしてあれが原因かなって思ったから、とりあえず監禁してみた。カバンが近くにない間はリセットされる気配はなかったので、今度はわざとカバンを近くに置いてみた」
「あの時カバンがあったのは……」
「涼太はやっぱりカバンからボタンを取り出して、押した。だからあれが不思議アイテムなんだなって確認できた。
じゃあリセットしなくてもいいように涼太が俺を好きになればいいかなって思ったけど、なかなか上手くいかない。
やっと好きになってくれたみたいだから、じゃあそれ壊そうかって言ったらやっぱりリセットされちゃうし」
いや、壊すなよ。
「結局涼太は俺を好きになってくれそうにないし……だからさ、俺と賭けをしない?」
「賭け?」
「うん――鬼ごっこしよう」
海斗の提案する賭けとはこうだ。
涼太が逃げる。海斗が捕まえる。
逃げ切れば涼太の勝ち。海斗はもう涼太のことを諦める。海斗が涼太を諦めても涼太の勝ち。
捕まると犯されるが、またリセットしてもいい。涼太が負けになるのは『これ以上リセットするのを諦めた時』または『海斗のことを好きになった時』のみ。
「……それ、やらないとどうなるんだ?」
「別に、今までと変わらないよ」
捕まって犯されてリセットして。その繰り返し。
賭けに乗れば、そこに『逃げ切れば勝ち』という勝利条件が加わる……のか?
「逃げ切るの定義だけど、一日俺とセックスしなければ逃げ切れたってことでいいかな?」
「……ああ」
「じゃあ、三分経ったら追いかけるからね」
……え、もう始まるのか?
慌てて教室を後にする。鬼ごっこなんて何年ぶりだろう。
時間もあまりない。校内に隠れるところをイメージしながら走り出した。
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