リセットしてもヤンデレに犯される俺の話

多崎リクト

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二部 セーブ地点変更後

7-③赤頭巾の気持ちが分かります※

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 海斗の手にはどこから持ってきたのか木製のバットが握られていた。どうやらそれで男たちを後ろから殴ったようなのだが……し、死んでないよな?ぐったりしてるけど死んでないよな?一応バットに血はついてない。
 海斗は反応のない男たちの生死については気にした様子もなく、地面に転がったままの涼太の顔を覗き込む。

「怖かった?」

 聞かれるとまた、涙で視界が歪む。だって仕方ない。もう少しで見知らぬ男たちに犯されそうになっていたのだ。怖くないはずがない。

「もう少し早く呼んで欲しかったなあ」

 持っていたハンカチで涙を拭われる。
 一度泣いてしまうとそのまま涙が止まらなくて、子供の頃泣いたみたいに、息が上手くできなくなる。
 海斗はただ優しく頭を撫でて、涼太が泣き止むのを待ってくれるのだった。






 涙が止まってやっと呼吸が落ち着くと、体の下敷きになっていた腕の痛みを思い出す。男たちがいつ目覚めるかもわからないし、早く拘束を解いてもらってここから逃げよう。

「海斗、ありがと……ん?」

 海斗が来てくれたおかげで助かった。助かったんだけれど、あれ、どうして海斗はここに来たんだろう。それもバットなんて物騒なものを持って。いや、野球帰りかもしれないけど。

 ――もう少し早く呼んで欲しかったなあ


 さっき、そんなこと、呟いてなかったっけ?


「ど、どうしてここがわかったんだ?」
「どうしてだろうね。やっぱり愛の力かな」
「な、なんでバットなんて持ってたんだ?」
「偶然、かな」
「……ガムテープ、どうして外してくれないの?」

 赤頭巾が狼に尋ねるシーンを思い出す。

「――それはね、涼太をここで食べるからだよ」

 赤頭巾はこんな気持ちだったのだろうか。
 助けに来てくれたのは猟師ではなく、やっぱり狼だったのだ。


 ……でも、見知らぬ三人の狼たちよりは怖くないような。


 覆いかぶさってくる海斗に不思議と恐怖は感じない。また足を開かされ、間抜けな穴の空いたズボンから出た尻をじろじろと見られる。
 そうしていると体の奥の方から、ドロドロになったローションが溢れてくる。海斗にその様子を見られているのだと思うとひどく恥ずかしかった。

「あっ♡やだっ、かいとぉ♡♡」
「こんなにトロトロにしておいてよく言えるね。本当はこいつらにヤられたかったの?」
「やっ♡♡♡こわかったの、にっ♡♡」

 怖かったのに。そこを今すぐ海斗のペニスで貫かれたいと思ってしまった。
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