90 / 203
二部 セーブ地点変更後
7-①路地裏で捕まって
しおりを挟む
海斗のいないタイミングを見計らって、クラスメイトに声をかけて、合コンにやって来た。かわいい女の子とも話した。なんとなくいい雰囲気にもなれた。
それでも思い浮かぶのは海斗のことばかりで。もしこんなところ見られたら海斗に何をされてしまうのかと想像する度に体がゾクゾクして。
結局何の収穫もないまま、女の子に連絡先を交換しようと言われたのも断って、合コンを後にした。
クラスメイトたちはそのままカラオケに行くと言っていたが、それも断って、一人で帰ることにした。
自分は何がしたかったんだろう。
「――わっ」
そうしてぼんやりと歩いていたところを、後ろから腕を掴まれて、路地裏に引きずり込まれる。
どうせまた海斗だろうと思いつつも、腕の力強さがいつもとは違っていて。なんとなく嫌な予感がした。
「……まあまあ、いけそうだな」
――海斗の声ではない。
振り返って見ると、値踏みするようにこちらをじろじろと見てくる男は、初めて見る顔だった。
大学生ぐらいだろうか。酒の匂いがする。
「お、そいつにすんの?いたいけな高校生を輪姦(まわ)そうなんて、お前もえげつない事考えるよな~」
「ホント、えげつないわ」
「ならお前らは見てれば?」
腕を掴んでいる男の他に、二人、仲間らしき男が現れる。どちらもケタケタと笑いながら酒の匂いを撒き散らしてきた。
会話の内容がなんとなくおかしい。とにかく逃げなくてはいけない気がする。
掴まれた腕を振りほどこうとするがビクともせず、その間に別の一人に口をガムテープで塞がれる。
「んんんっ、んっ!!」
「静かに。大丈夫、大人しくしてたら気持ちよくしてやるから」
腕も背中でガムテープでぐるぐる巻きにされ、いくら力を込めても切れそうにない。
「だからさあ、いたいけな高校生にそういうのってお前ホント鬼畜~。かわいそ~」
「だからお前らは帰ればいいだろ」
もしかすると、助けてもらえるのだろうか。
可哀想と言った男の顔を縋る思いで見つめる。
だが、次の瞬間にその男の目が、肉食獣のような、獲物を見るような目で、涼太を見ていることに気づく。
「ホント――すげー興奮するわ」
この場に、助けてくれる人間はいないのだと、その言葉でわかってしまった。
それでも思い浮かぶのは海斗のことばかりで。もしこんなところ見られたら海斗に何をされてしまうのかと想像する度に体がゾクゾクして。
結局何の収穫もないまま、女の子に連絡先を交換しようと言われたのも断って、合コンを後にした。
クラスメイトたちはそのままカラオケに行くと言っていたが、それも断って、一人で帰ることにした。
自分は何がしたかったんだろう。
「――わっ」
そうしてぼんやりと歩いていたところを、後ろから腕を掴まれて、路地裏に引きずり込まれる。
どうせまた海斗だろうと思いつつも、腕の力強さがいつもとは違っていて。なんとなく嫌な予感がした。
「……まあまあ、いけそうだな」
――海斗の声ではない。
振り返って見ると、値踏みするようにこちらをじろじろと見てくる男は、初めて見る顔だった。
大学生ぐらいだろうか。酒の匂いがする。
「お、そいつにすんの?いたいけな高校生を輪姦(まわ)そうなんて、お前もえげつない事考えるよな~」
「ホント、えげつないわ」
「ならお前らは見てれば?」
腕を掴んでいる男の他に、二人、仲間らしき男が現れる。どちらもケタケタと笑いながら酒の匂いを撒き散らしてきた。
会話の内容がなんとなくおかしい。とにかく逃げなくてはいけない気がする。
掴まれた腕を振りほどこうとするがビクともせず、その間に別の一人に口をガムテープで塞がれる。
「んんんっ、んっ!!」
「静かに。大丈夫、大人しくしてたら気持ちよくしてやるから」
腕も背中でガムテープでぐるぐる巻きにされ、いくら力を込めても切れそうにない。
「だからさあ、いたいけな高校生にそういうのってお前ホント鬼畜~。かわいそ~」
「だからお前らは帰ればいいだろ」
もしかすると、助けてもらえるのだろうか。
可哀想と言った男の顔を縋る思いで見つめる。
だが、次の瞬間にその男の目が、肉食獣のような、獲物を見るような目で、涼太を見ていることに気づく。
「ホント――すげー興奮するわ」
この場に、助けてくれる人間はいないのだと、その言葉でわかってしまった。
24
お気に入りに追加
4,504
あなたにおすすめの小説


久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる