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二部 セーブ地点変更後

6-①何度目かの後悔

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 リセットボタンをどんなに押しても、どんなに周囲の中から記憶が消えても、涼太自身が忘れられない限り、本当の意味で無かったことにはならないのだ。



「……消えたい」



 教室にいることが耐えきれず、涼太は屋上に来ていた。


 もっと警戒するべきだったのだ。海斗の今までの発言を考えれば、ああなることは予想出来たはずだ。何度も「みんなに見てもらおう」とか、人前で犯そうとしてきていたのだから。
 ……だからといって本当にみんなの前で犯されるとは思わなかったのだ。

 クラスメイトたちの視線を思い出すと、とても教室には居られなかった。
 顔を真っ赤にしながらもこちらを見つめてきた女子だとか、ドン引きしたような表情でありながらもしっかり勃起していたあいつだとか。
 そんな視線に晒されながらも、しっかり気持ちよくなってしまった自分自身が何よりも消してしまいたい記憶だった。

 リセットしたのだから、クラスメイトたちはあの事を覚えていない。だからもうあんな目でこちらを見てくることは無いのだが。
 教室に入った途端、あの視線を思い出して、ゾクゾクして、耐えきれずに飛び出した。



 授業の始まるチャイムが鳴っても、とても教室に戻る気にはなれない。このままサボって帰ろうか。
 校庭からは体育の授業の喧騒が聞こえてきて、それがなんとなく日常を遠いものに感じさせる。
 ほんの少し前なら、あんな風に日常の中にいたのに。いったい何がいけなかったのだろうか?

 考えてもわからず、ポカポカと暖かい太陽を浴びている間に、だんだんと瞼が重くなっていく。


 海斗に出会わなければ、きっと平和だったのになあ。


 そうして眠りに落ちていった。








 教室に戻ると、海斗が居なかった。
 もしかすると涼太を探しているのかもしれない。捕まりたくなくて、柴田にこっそり聞いてみる。

「三浦は?」
「……三浦?」

 キョトンと首を傾げる。たしかに涼太が海斗を探すというのは珍しいだろうけど。

「……三浦って、何組の?」

「……え?うちのクラスの三浦海斗だけど」


 だけど、何でだろう。胸がザワザワするような。

「うちのクラスに三浦なんていないだろ」

 柴田が不思議そうに答える。

 涼太が海斗に出会わなければ良かったと思ったから、リセットボタンがそれを叶えたのだろうか。

 ……そうだとしても、それはあまりにズルい。

 人のことをこんな体にしておいて、責任を取りもせずに消えるだなんて。
 怒りに腹の中がズンと熱くなる。同時に体は海斗に与えられた快楽を思い出してしまっていた。
 思い出しただけでどこにも触れてすらいないのに、体の中を貫かれたみたいに激しい快感が駆け抜ける。







 目を開けると海斗がいた。

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