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二部 セーブ地点変更後
4-②楽しくおしゃべり
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視聴覚室に閉じ込められて、十分ほど経った。
「ブラックナイトの正体が甲斐じゃないか?って焔が疑い始めてから熱いよね」
「わかる!あれ、どうなるんだろうな?来週こそバレそうだけど……」
すぐに襲いかかってくると思われた三浦は、何故か指一本触れてこない。会話が続かず沈黙が辛くなると思ったのに、日曜日の特撮ヒーローの話で盛り上がってしまっている。
三浦もそんな子供っぽいものを見ているとは驚きだった。いや、『炎の戦士フレイム』はただの子供向け番組ではなく、近頃のドシリアスな展開に大人たちをハラハラさせているのだけど。
ただ、涼太の方はもう長いこと続きを見ていない。だってリセットして同じ日を繰り返しているのだから当然だ。
つまり三浦のせいである。
閉じ込められたのだってどうせ三浦の犯行に決まっている。いくら周りにフレイムを見ている人間がいないからって、楽しくお喋りなんてするべきではない。
……でも、フレイムの話できるやついないんだよなあ。
興奮のあまり三浦の方に近づきそうになるのだけは我慢して、会話を続ける。
こうやって普通の友人として付き合っていくのは、きっと楽しいのだろう。
リセットを繰り返した先に、そんな未来があればいいのに。
だいたいどうして三浦は涼太を好きになったんだろうか?
――涼太、涼太、好き
あんな、熱のこもった目で見られる理由がわからない。
(あ、やば……)
三浦の目を思い出すと、背筋がゾクゾクする。同時に、リセット前に散々三浦のペニスを咥え込まされた尻穴がむずむずと疼く。
ちらりと三浦の方を見れば、涼太のことなんてただのクラスメイトとしか思ってませんよという顔があって、あのゾクゾクするような目はどこにもない。
リセット前にヤりすぎて満足したのか?
それとも涼太のことなんてどうとも思っていない三浦に生まれ変わったのか?
人の体をこんな風にしておいて、それはそれで、腹が立つ。
だから、よせばいいのに、近づいた。
「……涼太?」
近づいて、三浦の顔をじっと見つめる。背の高い三浦の目を見ようとすれば、こちらが見上げる形になる。決して涼太の背が低いからではないと思う。
後ずさりかけた三浦の上着の裾を掴む。
「…………海斗」
熱のこもった目をどうしたらできるのかはわからなかったから、ただじいっと三浦の目を覗き込んだ。息を飲む音がして、三浦の喉が震えたのがわかった。
平気そうな態度だったが、やはり涼太のことは好きなままだったらしい。それがわかってどこか安心してしまったような、そんな自分が嫌になる。
……この後どんな目に遭うかなんてわかりきってるのに。
「ブラックナイトの正体が甲斐じゃないか?って焔が疑い始めてから熱いよね」
「わかる!あれ、どうなるんだろうな?来週こそバレそうだけど……」
すぐに襲いかかってくると思われた三浦は、何故か指一本触れてこない。会話が続かず沈黙が辛くなると思ったのに、日曜日の特撮ヒーローの話で盛り上がってしまっている。
三浦もそんな子供っぽいものを見ているとは驚きだった。いや、『炎の戦士フレイム』はただの子供向け番組ではなく、近頃のドシリアスな展開に大人たちをハラハラさせているのだけど。
ただ、涼太の方はもう長いこと続きを見ていない。だってリセットして同じ日を繰り返しているのだから当然だ。
つまり三浦のせいである。
閉じ込められたのだってどうせ三浦の犯行に決まっている。いくら周りにフレイムを見ている人間がいないからって、楽しくお喋りなんてするべきではない。
……でも、フレイムの話できるやついないんだよなあ。
興奮のあまり三浦の方に近づきそうになるのだけは我慢して、会話を続ける。
こうやって普通の友人として付き合っていくのは、きっと楽しいのだろう。
リセットを繰り返した先に、そんな未来があればいいのに。
だいたいどうして三浦は涼太を好きになったんだろうか?
――涼太、涼太、好き
あんな、熱のこもった目で見られる理由がわからない。
(あ、やば……)
三浦の目を思い出すと、背筋がゾクゾクする。同時に、リセット前に散々三浦のペニスを咥え込まされた尻穴がむずむずと疼く。
ちらりと三浦の方を見れば、涼太のことなんてただのクラスメイトとしか思ってませんよという顔があって、あのゾクゾクするような目はどこにもない。
リセット前にヤりすぎて満足したのか?
それとも涼太のことなんてどうとも思っていない三浦に生まれ変わったのか?
人の体をこんな風にしておいて、それはそれで、腹が立つ。
だから、よせばいいのに、近づいた。
「……涼太?」
近づいて、三浦の顔をじっと見つめる。背の高い三浦の目を見ようとすれば、こちらが見上げる形になる。決して涼太の背が低いからではないと思う。
後ずさりかけた三浦の上着の裾を掴む。
「…………海斗」
熱のこもった目をどうしたらできるのかはわからなかったから、ただじいっと三浦の目を覗き込んだ。息を飲む音がして、三浦の喉が震えたのがわかった。
平気そうな態度だったが、やはり涼太のことは好きなままだったらしい。それがわかってどこか安心してしまったような、そんな自分が嫌になる。
……この後どんな目に遭うかなんてわかりきってるのに。
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