リセットしてもヤンデレに犯される俺の話

二部 セーブ地点変更後

4-①忘れ物をしました

　リセットして逃げ出したまでは良かったのだが、その日は朝から変だった。一週間ずっとそこに三浦のペニスを含み続けていた尻穴がヒクヒクと疼くような、妙な気持ちになる。
　あの一週間はリセットして、なかったことになっているはずなのに。涼太のそこはあの熱を思い出してしまう。

　普通に授業を受けていても、頭の中が三浦にされたことでいっぱいで、もしも頭の中を覗かれたら恥ずかしくて死んでしまう。

「やば、」

　放課後になってから、忘れ物をしたことに気づく。
　最後の授業が視聴覚室だったのだが、そこに筆箱とノートを忘れてきたようだった。
　それもこれも、三浦のせいである。一日ずっと尻に何か挟まっているようで、むずむずして、授業に集中できなかった。
　そんな調子だから忘れ物なんてしたのだろう。

　仕方なく視聴覚室の扉を開けて、次の瞬間に目に入ってきたものに、ここに来たことを後悔した。

「み、みうら……」

　何故だ。何故そこで待ち伏せしている。

「あ、涼太。忘れ物してたよ」

　そう言って筆箱とノートを渡される。いや、何故涼太より先に涼太の忘れ物に気づいて先回りできるのか。もし授業後すぐに気づいたならその場で渡してくれればいいわけで。
　 
「……ありがと」

　とりあえずそう言って、すぐに出ようと扉に向かう。そしてドアノブに手をかけて――

「…………あれ、」

　まさか、と思ってガチャガチャと動かすが、ビクともしない。
　閉じ込められた？でも誰に？
　だって三浦はそこにいて、ドアには近づいていない。
　では、三浦に仲間がいて外から閉じ込めた？

「どうしたの？」

　三浦が不思議そうに近づいてくる。慌ててドアの前から、教室の中央に動く。
　三浦はそれを気にした様子もなく、涼太と同じようにドアノブを回そうとガチャガチャやっている。

「……もしかして先生が施術しちゃったのかな」

　なるほど教師がお前の味方なのか。

　このレイプ魔と二人きりで密室にいるなんて、どうなってもおかしくない。だが逃げ場がない。何か武器になるものは無いだろうか？

「大丈夫、きっと気づいて貰えるよ。俺のカバン教室に置きっぱなしだし、たぶん探してもらえると思うんだ」
「……そうか」

　三浦は涼太がとった距離を縮めようとせず、一見優しそうに励ましてくれる。いや、お前がここから出してくれればいいだけなんだけど。