リセットしてもヤンデレに犯される俺の話

多崎リクト

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一部 同じ日のループ

9-②助けを求めました

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 涼太を保健室のベッドに繋いだまま、三浦は出ていってしまった。涼太をベッドに繋いでいる手錠の鍵は、涼太の尻の中に突っ込まれているというなかなかとんでもない状態のまま。
 コンドームで鍵を包んだのは三浦なりの優しさなのか。そんなところよりもっと違うところで発揮してほしい。

 おかげで裂けてはないのだが、そもそもそんなところに入れるものではない。尻からウサギの尻尾のようなキーホルダーが飛び出ているというこのシュールな状況を他の誰かに見られたらどうすればいいのか。
 もちろん扉に鍵はかかっていない。いつ怪我人、病人が訪ねてきてもおかしくない。

 涼太にできることといえばただ静かに三浦の帰りを待つことだけだった。


 大人しくしていたら、きっとすぐに三浦が帰ってくる。
 そう、思っていたのだけど。


 ――ガラッ


 保健室のドアを開けたのは、この部屋の主である養護教諭だった。

「…………」
「…………」

 目がバッチリ合ったのに、無言で固まる。
 まあ当然だろう。涼太の格好といえば、手錠でベッドに繋がれているわ、下半身はむき出しだわ、尻から尻尾みたいなキーホルダーが出ているわ、色々ととんでもない。

「……公共の場でこういうことは感心しません。しゅ、趣味はもう少しTPOをわきまえるべきです」
「いや、趣味じゃないです」
「で、ではいじめ!?いじめられているんですか!?」
「えーと、そんなもんです」

 養護教諭の林は長い前髪に分厚い眼鏡で表情がよく見えない男だった。心配性らしく、保健室に行くと物凄い勢いで心配されて手当されるとかで有名だった。

「可哀想に……鍵はいったいどこに」
「…………」

 涼太は悩んだ。
 林に鍵を外してもらって逃げるか、保護してもらうべきなのか。だがそのためにはこの尻に突っ込まれている鍵を抜いてもらわないといけないわけで。
 そんなことをこの男に頼んで大丈夫だろうか。びっくりして腰を抜かしてしまいそうだ。

 それでも、ずっとこのままでいるわけにもいかない。三浦が帰ってくる前に逃げるチャンスでもある。

「鍵は、尻の中です」

 思い切って言ってみると、林がピシリと固まる。

「……抜いて、その鍵で、手錠外してもらっていいですかね」

 三浦が帰ってくる前に逃げられるだろうか?
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