リセットしてもヤンデレに犯される俺の話

一部 同じ日のループ

8-①友達と一緒に帰ることにしました

　気が付くと廊下の真ん中だった。歩いている途中だったのに、思わず立ち止まる。
　急に立ち止まった涼太を周囲は不思議そうに見るが、涼太のほうはそれどころではない。

　――今は、いつだ？

　リセットして戻った時間がわからない。三浦に犯される前であることは変わらないのだが、どうも最近時間がバラバラすぎる。もしかしたらリセットボタンが壊れかけているのだろうか？
　時間を確認すると放課後で、歩いていた方向から考えるに、トイレに向かっていたようだ。
　そこで思い出す。二回目、呼び出しを無視した後に一人で入ったトイレで犯されたことを。

　おそらく、これはその直前だ。

　そうとわかれば簡単だ。別に我慢できないほどではないから、トイレに行かなければいい。
　涼太は急いで教室に戻ると、まだ残っていた柴田を捕まえる。

「柴田、今日は俺と一緒に帰ろ」
「……別にいいけど、急にどうしたんだ？」

　たしかによく一緒に帰るけど、言葉に出したことはあまりない。なんとなく一緒に帰って、なんとなく途中で別れたり、遊びに行ったり。顔を合わせなければそのまま先に帰る。だけど今日はそれではまずかった。一人で帰ったらまた三浦に捕まるに決まっているのだから。





　……結論からいって、捕まった。
　柴田と一緒に歩いていたからもう大丈夫だとすっかり油断していた。柴田がほんの少しこちらから気を逸らした瞬間、強く腕を引かれたかと思うと引きずり込まれた。
　もちろん、三浦に、である。

「どうして俺以外の男と楽しそうに歩いてるのかな」

　しかも、ものすごく怒っている。

　三浦に引きずり込まれたのは体育倉庫で、出入り口は三浦の向こう側にあってとても逃げられそうにない。その上で内鍵をしっかりとかけられてしまう。

「手紙も読んでくれないし、俺以外の男と楽しそうにしてるし……俺のことを試してるの？」
「た、試す？」
「そんな風にされても俺の気持ちは変わらないよ。俺は涼太のこと愛してるからね。でも、いけない子にはお仕置きが必要かな？」
「お、お仕置き？」

　嫌な予感しかしない。
　涼太がいなくなったことに気づいた柴田が助けに来てくれないだろうか。きっと来ないけど。そして来たら来たで柴田の前で犯されるだけなのだけど。