22 / 203
一部 同じ日のループ
5-①再び逃げました
しおりを挟む
池田涼太は靴箱を開けているところだった。上履きの上に手紙が乗っている。
また、この時間に戻ってきてしまった。最初にリセットした時もそうだったが、どうにか三浦の隙をついてリセットボタンを押しているので、詳しい時間を思い浮かべる余裕がない。印象深かったこの時間にばかり戻ってしまうようだ。
だが、そろそろまずい。
人前で尻の中をいじられて気持ちよくなるなんて、おかしな性癖に目覚めつつあるのではないか。ペニスを挿入されても痛くなくなってきたどころか気持ちよくなってきているのではないか。
思い出しただけでほんの少しだけ、下腹に熱が集まる。
もう捕まれない。なんとしても逃げなくてはならない。
財布とスマホとリセットボタンをポケットに放り込んだ。
鞄は机の横にかけて、そのまま職員室に向かい、担任を捕まえた。
そして鞄を残したまま帰宅。
これなら帰ったとは思わないだろうから時間が稼げるはずだ。
三回目の時のことを思い出すと怖いので、徒歩で帰ることにした。
幸い、歩いて帰れない距離ではない。だいたい一時間くらいで家に着く。
今日は家に帰って、一歩も家から出ないようにしよう。明日はどうしよう。ずっと同じ日を繰り返しているので翌日というのは未知だ。前回は日付が変わり、朝になるまで犯されていたのだが。すぐリセットしたし。
明日も家から出たくないし、いっそこのまま引きこもりになろうかとも思う。まあ、無理だろうけど。
通りかかった公園で子供たちが無邪気に遊んでいる。
いいな、悩みなんて何もなさそうで。
たしかにその頃はいくつも悩みがあって、それが何よりも重大なことに思えていたのだけど。今の涼太から見れば可愛いものだ。
このリセットを繰り返す絶望も、いつか、そんな風に些細なことのように思えればいいのだが。
そのためには、帰って、明日からどうやって三浦から身を守るか考えよう。
そう、思ったのだが。
「――んんっ」
突然背後から口元に布が押さえ付けられる。声を上げようとしても上手く出せず、目には目隠しをされる。
視界と口が塞がった状態で茂みらしきところに引きずり込まれた。
逃げられない。
でも、触れてくる指先が、すぐに見知った人のものだと気づいてしまう。
だから、ほんの少しだけ、そこが期待に疼いたような気がした。
また、この時間に戻ってきてしまった。最初にリセットした時もそうだったが、どうにか三浦の隙をついてリセットボタンを押しているので、詳しい時間を思い浮かべる余裕がない。印象深かったこの時間にばかり戻ってしまうようだ。
だが、そろそろまずい。
人前で尻の中をいじられて気持ちよくなるなんて、おかしな性癖に目覚めつつあるのではないか。ペニスを挿入されても痛くなくなってきたどころか気持ちよくなってきているのではないか。
思い出しただけでほんの少しだけ、下腹に熱が集まる。
もう捕まれない。なんとしても逃げなくてはならない。
財布とスマホとリセットボタンをポケットに放り込んだ。
鞄は机の横にかけて、そのまま職員室に向かい、担任を捕まえた。
そして鞄を残したまま帰宅。
これなら帰ったとは思わないだろうから時間が稼げるはずだ。
三回目の時のことを思い出すと怖いので、徒歩で帰ることにした。
幸い、歩いて帰れない距離ではない。だいたい一時間くらいで家に着く。
今日は家に帰って、一歩も家から出ないようにしよう。明日はどうしよう。ずっと同じ日を繰り返しているので翌日というのは未知だ。前回は日付が変わり、朝になるまで犯されていたのだが。すぐリセットしたし。
明日も家から出たくないし、いっそこのまま引きこもりになろうかとも思う。まあ、無理だろうけど。
通りかかった公園で子供たちが無邪気に遊んでいる。
いいな、悩みなんて何もなさそうで。
たしかにその頃はいくつも悩みがあって、それが何よりも重大なことに思えていたのだけど。今の涼太から見れば可愛いものだ。
このリセットを繰り返す絶望も、いつか、そんな風に些細なことのように思えればいいのだが。
そのためには、帰って、明日からどうやって三浦から身を守るか考えよう。
そう、思ったのだが。
「――んんっ」
突然背後から口元に布が押さえ付けられる。声を上げようとしても上手く出せず、目には目隠しをされる。
視界と口が塞がった状態で茂みらしきところに引きずり込まれた。
逃げられない。
でも、触れてくる指先が、すぐに見知った人のものだと気づいてしまう。
だから、ほんの少しだけ、そこが期待に疼いたような気がした。
44
お気に入りに追加
4,489
あなたにおすすめの小説
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる