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No03 次期君主は山猫を飼い慣らしたい
019 後悔の日 5
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何故か一緒に入浴したジエンが、率先してシャンマオの世話しに来てた2人の風呂上がり…、朝食に、モンファに寄って準備される[身体の事を考えられた温かい薬草粥]を出され、美味しく食べて満たされた腹…、今朝、ジエンがシャンマオの身体に与えた行為の余韻に寄って持たされた心地良い脱力感と、気を抜くと落ちそうになる強い眠気に翻弄され…、シャンマオは食後直ぐに寝落ちし、ジエンに寝台に運ばれ…半日を無駄にする事になる……。そして、眠気に翻弄されている間に、ジエンに寄って埋められた外堀の脅威にシャンマオは度肝を抜かれるのであった。
山の上の廃村がメインの住処で、月に1週間程度、山から下りて来て俗世に触れるのが、基本的に花街にある妓楼になっていたシャンマオは、赤い衣装に料理と酒の話を持ち掛けられ、最初、意味が理解できず。「今、何の話をしているのかを訊いても良いだろうか?」と言って、ジエンの母親の貴妃やモンファを含む女官達に驚かれる。
「[赤い衣装]と言えば[婚礼の衣装]でしょ?坊ちゃん楽しみにしてますよ?」
「え?[白]じゃないの?って…、坊ちゃんって、ジエン?ジエンは何を楽しみにしてるんだ?」
「あら?」
「あぁ~…、そう言う事か……。我が息子は[相手に了承を取らずに暴走している]と言う事みたいだなw」
「貴妃様、如何致しましょう?」
「そうだねぇ~…、所で、シャンマオの…、天葬の者達の婚儀の事を訊いても良いかい?」
「ん~?手順とかは知らないけど…確か、白い衣装と一対の指輪、[石榴・タイム・胡桃]の砂糖菓子や何人かの証人が要るとかって言ってたかな……。」
「指輪…そう言えば、鳥が結婚したって言ってた時、左だったかの薬指にしていたね…、分かった、白い衣装と一緒にジエンに準備させようw」
「…え…それって…どう言う事かな?」
この後、シャンマオは一人になれる時間を待ち、貴妃の屋敷の外に出るには向かない部屋着の上にシーツを羽織り誰にも見付からずに脱走。医局へ立寄り、行商としての荷物の中にある予備の服に着替え、昼間に手薄な後宮の警備を簡単に掻い潜り、低かったり、近くに登れる木のある塀を乗り越えて行方をくらましたのだった。
その後の出来事。朝、寝てしまったシャンマオを寝台に寝かせた後…、責務の為…仕事に出掛け、急いで仕事を片付けて昼過ぎに戻ってきたジエンが、シャンマオの不在に憤り…、探し回ったのは言うまでも無い……。
そして辿り着く医局。医局長のジルイは温めに煎れた茶を「シャンマオが居なくなった!何か知らないか?」と駆け込んで来たジエンに勧める。
「逃げた先は知らないけど、逃げた理由は知ってるよw」
「どう言う事だ!」
「ダオレンの命令で、シャンマオが定期的に[この後宮の医局へ]品物を卸さなきゃ人質が殺されちゃうんだよw孤児として育ったシャンマオにとって、幼少期に生き残る為の手助けをしてくれた恩人達を犠牲にする選択肢は無いだろうw義理堅い娘だからねwwだから、追い掛けて仕事の邪魔して嫌われるより、後宮に納品に来るのを待つ事を推奨するけど、如何だろう?」
「父上に命令の取り消しを進言して来る…」
「命令を取り消したら、シャンマオは後宮に通って来なくなると思うけど?」
「……。父、ダオレンの元参謀であるジルイ、貴方の力を借りたい!シャンマオを自分に懐かせたいのだが、如何すれば良い?」
「一度、無形の形で取った人質は取り消した後でも、ある程度は効果を発揮する筈だから、行商契約だけ残して、人質部分だけの撤回を願い出て、撤回して貰った方が良いだろうね。それにしても…、十分に懐いてるのではないかな?夜に抱いて寝て…、今朝も撫でさせて貰ったんだろ?」
「手伝う…とまでは言ってくれたけど、最後までは…何だか怖がってるみたいでさせてくれなかったんだ……。」
「そうか…無駄に頑張ったのか…、そこまで行ってるなら、勢いでやっちゃえば良かったのに…、親子揃って、本命に対して変な所で奥手だなぁ……。ちょんと[好き]とか[愛してる]とか言う言葉は伝えたのか?」
「…っ?!…あれ?そう言えば、そう言うのは言ってない…駄目?なのか?」
「仕方の無い坊ちゃんだな…、ジエン、シャンマオが来たら連絡して上げるから、次こそはちゃんと伝えると良いよ…、タイミングを見誤らない様に気を付けてな……。」
この日から、暇を見付けては無駄にジエンが後宮の医局を訪れ…「戦があった時代のダオレンの元夜の御相手ジルイの手解きを…」「妃を一人も持たない時期頭首は、一時、裏工作を仕立てたらしいが、結局、男食に…」と言う微妙な噂が立つのだが…、それは後の、別の御話で……。
山の上の廃村がメインの住処で、月に1週間程度、山から下りて来て俗世に触れるのが、基本的に花街にある妓楼になっていたシャンマオは、赤い衣装に料理と酒の話を持ち掛けられ、最初、意味が理解できず。「今、何の話をしているのかを訊いても良いだろうか?」と言って、ジエンの母親の貴妃やモンファを含む女官達に驚かれる。
「[赤い衣装]と言えば[婚礼の衣装]でしょ?坊ちゃん楽しみにしてますよ?」
「え?[白]じゃないの?って…、坊ちゃんって、ジエン?ジエンは何を楽しみにしてるんだ?」
「あら?」
「あぁ~…、そう言う事か……。我が息子は[相手に了承を取らずに暴走している]と言う事みたいだなw」
「貴妃様、如何致しましょう?」
「そうだねぇ~…、所で、シャンマオの…、天葬の者達の婚儀の事を訊いても良いかい?」
「ん~?手順とかは知らないけど…確か、白い衣装と一対の指輪、[石榴・タイム・胡桃]の砂糖菓子や何人かの証人が要るとかって言ってたかな……。」
「指輪…そう言えば、鳥が結婚したって言ってた時、左だったかの薬指にしていたね…、分かった、白い衣装と一緒にジエンに準備させようw」
「…え…それって…どう言う事かな?」
この後、シャンマオは一人になれる時間を待ち、貴妃の屋敷の外に出るには向かない部屋着の上にシーツを羽織り誰にも見付からずに脱走。医局へ立寄り、行商としての荷物の中にある予備の服に着替え、昼間に手薄な後宮の警備を簡単に掻い潜り、低かったり、近くに登れる木のある塀を乗り越えて行方をくらましたのだった。
その後の出来事。朝、寝てしまったシャンマオを寝台に寝かせた後…、責務の為…仕事に出掛け、急いで仕事を片付けて昼過ぎに戻ってきたジエンが、シャンマオの不在に憤り…、探し回ったのは言うまでも無い……。
そして辿り着く医局。医局長のジルイは温めに煎れた茶を「シャンマオが居なくなった!何か知らないか?」と駆け込んで来たジエンに勧める。
「逃げた先は知らないけど、逃げた理由は知ってるよw」
「どう言う事だ!」
「ダオレンの命令で、シャンマオが定期的に[この後宮の医局へ]品物を卸さなきゃ人質が殺されちゃうんだよw孤児として育ったシャンマオにとって、幼少期に生き残る為の手助けをしてくれた恩人達を犠牲にする選択肢は無いだろうw義理堅い娘だからねwwだから、追い掛けて仕事の邪魔して嫌われるより、後宮に納品に来るのを待つ事を推奨するけど、如何だろう?」
「父上に命令の取り消しを進言して来る…」
「命令を取り消したら、シャンマオは後宮に通って来なくなると思うけど?」
「……。父、ダオレンの元参謀であるジルイ、貴方の力を借りたい!シャンマオを自分に懐かせたいのだが、如何すれば良い?」
「一度、無形の形で取った人質は取り消した後でも、ある程度は効果を発揮する筈だから、行商契約だけ残して、人質部分だけの撤回を願い出て、撤回して貰った方が良いだろうね。それにしても…、十分に懐いてるのではないかな?夜に抱いて寝て…、今朝も撫でさせて貰ったんだろ?」
「手伝う…とまでは言ってくれたけど、最後までは…何だか怖がってるみたいでさせてくれなかったんだ……。」
「そうか…無駄に頑張ったのか…、そこまで行ってるなら、勢いでやっちゃえば良かったのに…、親子揃って、本命に対して変な所で奥手だなぁ……。ちょんと[好き]とか[愛してる]とか言う言葉は伝えたのか?」
「…っ?!…あれ?そう言えば、そう言うのは言ってない…駄目?なのか?」
「仕方の無い坊ちゃんだな…、ジエン、シャンマオが来たら連絡して上げるから、次こそはちゃんと伝えると良いよ…、タイミングを見誤らない様に気を付けてな……。」
この日から、暇を見付けては無駄にジエンが後宮の医局を訪れ…「戦があった時代のダオレンの元夜の御相手ジルイの手解きを…」「妃を一人も持たない時期頭首は、一時、裏工作を仕立てたらしいが、結局、男食に…」と言う微妙な噂が立つのだが…、それは後の、別の御話で……。
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