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No02 次期君主は山猫を飼いたいらしい
006 通い猫の引き取り交渉
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昨日、薬を求めて来ただけの筈の豪華な制服を着用した兵士達が…、領主『刃』の正一品たる四妃4番目、出産で亡くなった先代の賢妃様が生んだ息子…、次男なのに後ろ盾が無い為、継承権が4番目となっている『盾』と言う自ら武官に志願した筋骨隆々で高身長な人相の悪い高官を連れ…妓楼の正面から入り…、今回は金を払って、喫茶スペースの奥…、妓楼の女達を侍らし、琵琶の弦を弾くシャンマオの前に現れた……。
この領主の息子は、細身で女としては長身なシャンマオと比べても体格差が半端なく、シャンマオより一つ年上なだけなのに、シャンマオが幼く見え、対峙する姿は大人と子供の様だった。
この初対面で、シャンマオとドウンが、暫く睨み合いの様な膠着状態を続けていると、遠くの背後で妓楼の老板娘が、「若い燕?は?シャンマオを売れだと!巫山戯るな!妓楼の通い猫は、その程度の銀で売れる安い猫じゃないよ!」と怒鳴る声が聞こえて来る。(燕て…私ってば、楼主の囲われ者だと思われてたのか?これでも金払って宿泊してんだけどなぁ~…っつ~か、老板娘よ!一応、客である私を幾らで売り飛ばすつもりだ?店を潰されるくらいなら、客をも売るって商魂逞しさは賞賛に値するけど…、要求し過ぎて同じ結果を招くなよw)って[偉い奴ら相手では致し方無い]と、シャンマオが内心了承して聞き流していると、先にドウンが視線を外して大きく溜息を吐き、来た道を少し引き返して楼主との金額交渉へと行ってしまった。
老板娘以外でシャンマオを女だと知る数少ない古株、珍しく御茶挽きで来ていた高級妓女が笑いを堪え「男として身請けされるってどうよ?」とシャンマオに尋ねる。シャンマオは深く吐息を吐き「断れるモノなら断りたいよ」と言った。
周囲は何も知らず…水揚げ済みの妓女等は「最初は辛いかもしれないけど、男食もきっと、慣れれば何とかなるわ!頑張ってねw」とか「この場合、シャン兄様は抱く方なのかしら?抱かれる方なのかしら?」と言っている……。
更に、仕事中にも関わらず、様子を見に来て事態を知った妓楼の妃(トップスリー)もシャムの性別を知っていて「私達より先にシャンちゃんが身請けされるとは思わなかったわw」と笑い転げていた。因みに妓女の皆様、本気で笑っている訳では無い。笑って茶化して送り出す。←これは仕来りの様なモノなのだ。
だから、妓女予備軍の禿の子等など「シャン兄が身請けされる何て間違ってる!」と泣きながら素直に言えるのだった。
(確かに実際、客が妓楼で身請けされるって変な話だよなw)←byシャンマオ
暫くすると、金額の折り合いが付いたらしく老板娘とドウンが、侍らす女の数を倍以上にしたシャンマオの所にやって来る。老板娘は楼主としてやりきった感を見せ、良い笑顔で笑っていた。それに引き換えドウンの眉間には深い皺が刻まれている。足下を見られ、相当額の金子を搾り取られたのかもしれない。(金額分、扱いが酷くならない事を祈りたいなw)とシャンマオは祈る。が、その願いは叶うだろうか?
老板娘は、「シャンマオ、遠征の仕事だよ♪何事も無ければ、体に傷一つ残さず身綺麗なままで帰らして貰える契約での仕事だw数日間、宦官に混じって、数日後に春の宴の舞を踊って帰っておいで!」と言った。(このパターン絶対に何か裏があるに違いない。)とシャンマオは睨む。
後に確認すると…危険手当を含め、高級妓女の身請け相場の3倍の値の仕事らしい……。止血剤を妓楼にまで求めに来る程の深い刺し傷が関連する事案に間違い無いだろう。と推定されるのだが…実際は相応に類似点あって非なる契約である……。
楼主はその夜、この日に連れ帰るのを諦め「では、3日後に迎えに来る。」と言って帰った領主の息子。唯一の兄に対するブラコンを拗らせたドウンを思い出して不敵に笑い。シャンマオから「持ち歩けねぇ~から預ける」と受け取られる事無く預けられた金を前に思い出し笑いを重ねていた。
「アレが、兄の為に捜していたシャンマオで無い場合…、本当に女なのなら、俺が貰い受けるのも吝かでは無い……。」これは女子の様に頬を染めたドウンが金を払う時に言った言葉である。
この契約では、シャンマオの心を射止めれば、追加料金付きで身請けを認める契約と成っている。どの道…、身請けされての一時収入か…、されない場合でも、シャンマオが妓楼に入れるであろう安定した収入…どちらかは、この妓楼に入るのだ…老板娘の笑いは止まらないであろう……。
「まぁ~それでも、年寄りの冷や水か…、ドウンの坊やの応援はしてやりたくのなるねぇ~…、初心いったらありゃぁしない……。」
この日ドウンは、シャンマオの心では無いが、密かに老板娘の心を射止めていた。
この領主の息子は、細身で女としては長身なシャンマオと比べても体格差が半端なく、シャンマオより一つ年上なだけなのに、シャンマオが幼く見え、対峙する姿は大人と子供の様だった。
この初対面で、シャンマオとドウンが、暫く睨み合いの様な膠着状態を続けていると、遠くの背後で妓楼の老板娘が、「若い燕?は?シャンマオを売れだと!巫山戯るな!妓楼の通い猫は、その程度の銀で売れる安い猫じゃないよ!」と怒鳴る声が聞こえて来る。(燕て…私ってば、楼主の囲われ者だと思われてたのか?これでも金払って宿泊してんだけどなぁ~…っつ~か、老板娘よ!一応、客である私を幾らで売り飛ばすつもりだ?店を潰されるくらいなら、客をも売るって商魂逞しさは賞賛に値するけど…、要求し過ぎて同じ結果を招くなよw)って[偉い奴ら相手では致し方無い]と、シャンマオが内心了承して聞き流していると、先にドウンが視線を外して大きく溜息を吐き、来た道を少し引き返して楼主との金額交渉へと行ってしまった。
老板娘以外でシャンマオを女だと知る数少ない古株、珍しく御茶挽きで来ていた高級妓女が笑いを堪え「男として身請けされるってどうよ?」とシャンマオに尋ねる。シャンマオは深く吐息を吐き「断れるモノなら断りたいよ」と言った。
周囲は何も知らず…水揚げ済みの妓女等は「最初は辛いかもしれないけど、男食もきっと、慣れれば何とかなるわ!頑張ってねw」とか「この場合、シャン兄様は抱く方なのかしら?抱かれる方なのかしら?」と言っている……。
更に、仕事中にも関わらず、様子を見に来て事態を知った妓楼の妃(トップスリー)もシャムの性別を知っていて「私達より先にシャンちゃんが身請けされるとは思わなかったわw」と笑い転げていた。因みに妓女の皆様、本気で笑っている訳では無い。笑って茶化して送り出す。←これは仕来りの様なモノなのだ。
だから、妓女予備軍の禿の子等など「シャン兄が身請けされる何て間違ってる!」と泣きながら素直に言えるのだった。
(確かに実際、客が妓楼で身請けされるって変な話だよなw)←byシャンマオ
暫くすると、金額の折り合いが付いたらしく老板娘とドウンが、侍らす女の数を倍以上にしたシャンマオの所にやって来る。老板娘は楼主としてやりきった感を見せ、良い笑顔で笑っていた。それに引き換えドウンの眉間には深い皺が刻まれている。足下を見られ、相当額の金子を搾り取られたのかもしれない。(金額分、扱いが酷くならない事を祈りたいなw)とシャンマオは祈る。が、その願いは叶うだろうか?
老板娘は、「シャンマオ、遠征の仕事だよ♪何事も無ければ、体に傷一つ残さず身綺麗なままで帰らして貰える契約での仕事だw数日間、宦官に混じって、数日後に春の宴の舞を踊って帰っておいで!」と言った。(このパターン絶対に何か裏があるに違いない。)とシャンマオは睨む。
後に確認すると…危険手当を含め、高級妓女の身請け相場の3倍の値の仕事らしい……。止血剤を妓楼にまで求めに来る程の深い刺し傷が関連する事案に間違い無いだろう。と推定されるのだが…実際は相応に類似点あって非なる契約である……。
楼主はその夜、この日に連れ帰るのを諦め「では、3日後に迎えに来る。」と言って帰った領主の息子。唯一の兄に対するブラコンを拗らせたドウンを思い出して不敵に笑い。シャンマオから「持ち歩けねぇ~から預ける」と受け取られる事無く預けられた金を前に思い出し笑いを重ねていた。
「アレが、兄の為に捜していたシャンマオで無い場合…、本当に女なのなら、俺が貰い受けるのも吝かでは無い……。」これは女子の様に頬を染めたドウンが金を払う時に言った言葉である。
この契約では、シャンマオの心を射止めれば、追加料金付きで身請けを認める契約と成っている。どの道…、身請けされての一時収入か…、されない場合でも、シャンマオが妓楼に入れるであろう安定した収入…どちらかは、この妓楼に入るのだ…老板娘の笑いは止まらないであろう……。
「まぁ~それでも、年寄りの冷や水か…、ドウンの坊やの応援はしてやりたくのなるねぇ~…、初心いったらありゃぁしない……。」
この日ドウンは、シャンマオの心では無いが、密かに老板娘の心を射止めていた。
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