上 下
17 / 29

013

しおりを挟む
 グラースが好奇心旺盛とは、新たな美味しい設定Get!甲斐甲斐し程に世話好き(ヴォルカンに対して発動中)なのの良い追い風と成る事だろう。そうだ!良いストーリーを思い付いた!!

 静かな月夜、二人きりの薄暗い部屋。ソファーで寝落ちしたヴォルカンに直接触れぬように掛けた毛布。不可抗力で至近距離で見た綺麗な寝顔。寝ぼけたヴォルカンが毛布を掛けた手に擦り寄り、ヴォルカンの頬にグラースの手が触れる。高鳴る鼓動と息を吞む音が妙に大きくグラース自身の耳にまで聞えたが、ヴォルカンは起きそうにない。
この時間帯なら、誰も来ない。今なら、見咎める者が存在しないであろう時間。バレないかもしれない…可能性と言う名の免罪符に…、押し止める気持ちが緩む…、静かに箍が外れ…欲望と好奇心に負けたグラースの手が微かに触れていた頬からヴォルカンの頬に掛かる髪へ…、優しく撫で付け髪を整えても起きない様子に、あと少し…もう少し…と歯止めが掛からなく成って行く……。って、こんな感じは、如何でしょうか?

 でも、はてさて、何処まで進行させたろかな?唇に触れる程度で抑えるか?(唇と唇を触れさすだけのキスをさせるか?触れるのが指なのか?指先なのか?でニュアンス変わるし、顎クイした上で唇を触れさせようか惑う設定も有り!悩ましい所だ!!)寝苦しそうだったからって言い訳すれば大丈夫なんとちゃうかな?って感じの気持ちでいっその事、脱がしてまうとか?詰襟系の服なら、汗を掻いていないか調べる為とか言い訳にして、首筋に手をってのも有り寄りの有か?そっと仰向けに寝かせ一つ一つボタンを外してってのも乙かもしれんし、ウエストラインの締め付けを解く事で開かれる未来も有りで良しかもしれん。と、思案。

 こんな感じで、私は私のテイムモンスターのスライムシングの中に住むスライム(以外?のかもしれん子も居るけど)をグラース含むクラスメイト達に紹介しながら、新刊の設定やストーリーを練っていたのだが、ここで不意に思い付き、思い立つ。

 グラースが作る予定の氷像、ヴォルカンをモデルに作ってもろたらおもろくね?いや寧ろ、絶対に美味しいやろ!
これは俗に言う天啓的なアレやろか?神の啓示とか言うヤツの可能性が無くも無い?(←ガルディア・エストゥの中の人は典型的で無宗教な日本人!寺で鐘を突き、困った時は神頼み!神社で初詣もするけど、ハロウィンやクリスマスも楽しみますよ?それが何か?な御都合主義な日本人です)なので早速、言い包めなければ!!と決意するのでありました。(←これは俗に言う煩悩です!この気持ちに悪意はありません!)

 私はこうして独特な使命感に掻き立てられ、調子に乗って悪乗りで愛国心を語り、グラースに次期国王(と成るかは知らんけど、その予定が無くは無く無い?)ヴォルカンの氷像を作らせる事を決意させたのでした。勿論、試作品からフルスロットルで学園全体に公開して頂きます!
これは腐教活動の一環ですよ!氷像が美しければ美しい程に氷像のモデルヴォルカンに対する愛と言う腐ラグが、腐女子の目に麗しく映るように成るのです!氷像は高確率で立派な腐の感染源と成る事でしょう。次回の[参加しない壁の花は、矢追いを愛でているの会]が楽しみです。

 そして、最初の話し合いは不参加で途中参加したオーブも、私の裏側の思考を読み取ってくれて「宣伝は、私に任せなさい!悪いようにはしませんわ!!(序に蔭で[矢追いを見守る壁の花の集い]の広報活動はしてしまいますけれど!)」と、言ってくれました。私は私で、クラスの作品の制作は免除して頂いて、照明係に立候補して任命して貰いましたよ!これで腐ラグを立てるヴォルカンの氷像が、グラースの単独作品として飾られる事と成ったのです!ホント…、楽しみやなぁ~…色々と…ふふふの腐……。(←この時、ガルディアの悪巧みに気付いてしまった通りすがりのチュテレールは…巻き込まれたくなくて黙っていたけど…、頑張っているグラースの姿を見掛ける度に申し訳なさそうにして、時には小さく謝罪の言葉を零してたとか…、魔法祭の当日に「ディアが迷惑を掛けてすまない」と直接謝罪してたとか言う御話があったとか?でも、その時のグラースに、その言葉の真意はまだ、全く伝わっていなかったみたいだけれども……)

 それはそうと、この世界で繁殖した腐女子仲間の暗躍やオーブ王女の全力の助力で、私が所属するクラスの展示が何故か?様々な男達の色取り取りの肉体美を模した[男の肉体美を表現する展示]と成ってしまったのは、腐女子の汚トメ乙女心の成せる業と言ったヤツだろうか?所で、何処へ消えた?最初にクラスで決めたとか言う[光と闇の美術館]と言う中二病を患った様な作品のテーマ!

 それより何より、流石は成績上位者が集められた我がクラス。作品の出来が凄く良い!中央に飾られた、グラースの手掛けたヴォルカンがモデルと成っている氷像が矢鱈めっ鱈、男の半裸の像なのにも係わらず妙にエロイ。グラース×ヴォルカン押しのオーブがチョイチョイ声を掛けていた結果かもしれない。(←注意・・! オーブ自身は攻めですが、オーブの腐女子心は上位者の総受け設定が御好きなのです)
それを囲む、生徒個人個人の魔法で加工された多種多様な像も出来が良く。ガチマッチョ細マッチョぽよん中肉中背に細からガリまで様々な男の肉体美が集結。半裸からほぼほぼ全裸に近い物まで(なのに、見る角度によっては何故か?局部が隠されてない作品も)あって、無駄な精巧さの為に冷静に考えると、スゲェ事に成っている。何だ?コレ?(照明ウィルオウィスプ達の配置の時に気付いて、本気で驚いたよ)良くもまぁ、担任教師からの許可が下りたもんだな。(女性の像も作るべき!と言う意見はあったが、女尊主義のオーブ王女の男は如何でも良いけど「像とは言え、女性で殿方の目を楽しませるのはちょっと看過できませんわ!」と言う言葉で却下された)
まぁ~、モデルがイケメンでなくても美化して作ってあるので見苦しくは無いのだけどもね、無駄な再現度の所為でモロ出しよりヤバイ気がするんけどな。ホント、何なんだろう、コレ!あ!でも、アカン気ぃする理由は、前世での経験があるからだろうと思われる。

 …そう言えばそうなんだよ……、私の良く知るBLの絵師様達も、高確率で男の半裸写真の多い[J系アイドル]の写真集を愛読し(?)半裸を見詰めてたりしててなぁ~…、寧ろ、男を男と絡ます絵を自分好みに仕上げたいが為に男の裸をガン見していたと言っても過言では無いんやけども…、勘違いした資料に絡まれる事が有ったり、勘違い部分もあるけど全部が全部勘違いじゃない方の人達に仲間意識持って来られて困って事情話して全否定されたり…な…、理解できない者達に不愉快な思いをさせられる事が多かったんよな……。腐女子系でない他ん人に、壁や空気でありたい者の心理って、なかなか理解されへんしなぁ。

 こう言う訳で、自分に理解できない=排除しよう!又は、自分が理解できるように正しく治して・・・・・・あげよう!って人間が何所にでも存在して、この異世界にでも存在する事を考慮し、製作者側と善良な鑑賞者を護る仕組みが必要かもしれへんな!と、思い立った訳です。つまり…他人様を陥れる事にしか喜びを得られない浅薄女が大法螺を吹聴し…、浅慮で短慮な男と一緒に成って勘違いし、愚かな行動に出る…、そんな可能性を感じさせる…その類の危険な臭いがするイキモノの存在を思い出して…決意を固めたのですよ……。

 私の同族腐女子は排除させたらへんよ!されるくらいやったら、先に同族腐女子を多数派に偽装して陥れたるからね?好きやろ?多数派に所属して少数派を差別するの!その習性利用したげるわ!!と言う訳で、時にCP違いや逆CPに解釈違いで戦争起こす腐女子の戦争回避のマストアイテム言い訳[新たな萌えに出会ってしまった][目覚めてしまったんだから仕方が無い][受けや猫の逆襲]リバを推奨して回避するすべを腐女子未満の腐女子の無害そうな子等に配布し同族腐女子を水増しして進ぜよう。(それにしてもリバって良いよね!ネコの為に無茶するタチを止める為のリバ又はリバ未遂、総受け卒業ネタの為のリバ、浮気するタチを手に入れる為のリバ、リバにも色々あるんけど、私はやっぱりリバがすっきゃね)

 さてと早速、この世の腐女子を保護する為にスライムシングに害虫駆除を頼んどこかな?平和が一番やし?(←注意・・! それが一番、平和的ではない)これから魔法祭終わるまでずっと、いっそがしいでぇ~!!当日は当日で、展示作品への理解が難しぃくて、展示に対して批判してまう輩が出るやろし?で、頑張らんなな!(←注意・・! きっと、忙しいのはガルディアのテイムモンスターであるスライムシング達であろう、はてさてガルディアは何処で頑張るつもりであろうか?)

 この時、生徒会役員としての仕事の為、氷像の最終調整の為に遅刻しているグラースを呼びに来たファレーズとチュテレールは、ガルディアの周囲への宣言「明日の本番の為に皆で一緒に頑張りましょう!私も頑張りますよ!!」と言う言葉とその姿を見て不安に駆られたのは、必然的な当然の御話だったのかもしれない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生墓守は伝説騎士団の後継者

深田くれと
ファンタジー
 歴代最高の墓守のロアが圧倒的な力で無双する物語。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

辺境領主になった俺は、極上のスローライフを約束する~無限の現代知識チートで世界を塗り替える~

昼から山猫
ファンタジー
突然、交通事故で命を落とした俺は、気づけば剣と魔法が支配する異世界に転生していた。 前世で培った現代知識(チート)を武器に、しかも見知らぬ領地の弱小貴族として新たな人生をスタートすることに。 ところが、この世界には数々の危機や差別、さらに魔物の脅威が山積みだった。 俺は「もっと楽しく、もっと快適に暮らしたい!」という欲望丸出しのモチベーションで、片っ端から問題を解決していく。 領地改革はもちろん、出会う仲間たちの支援に恋愛にと、あっという間に忙しい毎日。 その中で、気づけば俺はこの世界にとって欠かせない存在になっていく。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです

青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。 しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。 婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。 さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。 失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。 目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。 二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。 一方、義妹は仕事でミスばかり。 闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。 挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。 ※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます! ※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~

胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。 時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。 王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。 処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。 これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。

処理中です...