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何時もと異なり大人しく生徒会室に連れ戻されたエリニュエスに、生徒会室及び、隣の家庭科室に待機していた残りの生徒会メンバーの注目が集まる。
「エリス!何があった!」と一番最初に声を掛けたのは家庭科室から顔を出し「お帰り」と言い掛け駆け寄って来たエリニュエスの実の兄のエフティヒア。続いて「エース様!何があったのですか?」とエーピオテースに対し、エフティヒアと同じ様に家庭科室から駆け寄ってきたのはエフティヒアの婚約者であるアレークトー。
ティーシポネーとメガイラも心配そうに寄って行き、ディアスケダスィとパイディアは眉間に皺を寄せエーピオテースに説明を求める。
「最初から見ていた訳では無いので概要も分りませんが…、顔面に血を滴らした女に詰め寄られて、何故か怯えてる様子だったので…、そのまま連れ戻りました…」
そう言ったエーピオテースもエリニュエスと同じ、少し青ざめた様な表情で「レディに対するマナーを求めて来ていた様子なので、反撃スキルの誤作動で怪我をさせたとかでは無いかと思いますが…」と返答の残りを伝え、アレークトーの指示に従いロングソファーへとエリニュエスを降ろし自らもその隣に座る。
そして「「…怖かった…」」そうポツリと呟かれたエリニュエスとエーピオテースの言葉が、今の2人の心境を物語っていた。
これを見て、この場に居る他の全員一貫して[何が如何した?]と言う疑問が浮かんだのは言うまでも無いだろう。
「ディアス様…、辺境騎士団に籍を置き、対人戦にも流血沙汰にも成れてるエリス嬢が恐怖する相手が学園内にいるようです…、警備を強化しますか?」
「そうだな…、パディ、先んじて警備隊への連絡を頼めるか?僕は今から警備強化の要請書を認める事にしよう」
ディアスケダスィとパイディアの意見は、そう纏まってしまった御様子ではあるが…、そのエリニュエスとエーピオテースが[恐怖した相手]とは、原作ゲームでの主人公フィリアである……。重ねて言おう。それは、原作で彼等が恋した愛しのヒロイン様なのだ!が、これぞ、知らぬが仏というモノなのかも知れない。
そんなこんな遭って(ヒロイン怖いわぁ~)の翌日。
エリニュエスは…、エザフォス神殿から勉強の為に来ていると言うフィリア…原作ゲームの主人公と…、自分のクラスの教室で再開するのであった……。
それは、何時も通りの日常。同じ騎士職のアレークトーと「午前中のティータイム、何を準備しましょうか?」と話しながら、護衛対象のティーシポネーと、その付き人でもあるメガイラの後に付いて歩き、ティーシポネーの「珍しい御味のハーブティーが飲んでみたいですわ」と言うリクエストで、アレークトーに「エリス、心当たりはありませんか?」と質問されると言う感じで会話している所であった。
教室に入った途端「エリス様!」と薄ピンクの髪をした誰かさんが、大声でエリニュエスに呼び掛けて来たのだ。想像していたより目立たぬ存在にエリニュエスの興味が向かず薄らとした記憶の中なのだが、(そうゆうたら…)今年度からあの薄ピンクは教室に(あったかも知れへん気いする…皆、頭カラフルやし、気ぃ~付かんかったけど…)とエリニュエスはやっと気付く。
(そっか…うぅ~わ…、マジで?知らんかったわぁ…あん娘、同級同クラの娘やったんや…)
それにしても原作とは違って、原作での主人公様、クラスメイトの中に友人(?)が出来た御様子で何よりなのだが、彼等は「フィリア?!」と一斉に叫び「エリニュエス様は、愛称で呼び掛けて良い人では無いよ!」と大慌て、フィリアが「何で?学園内では、身分の上下に拘わらず平等な筈です!」と当たり前の様に言っている上、彼等は「それは何度も説明した筈じゃ無いか!」と半泣きな御様子。本当に何度も説明して理解が得られなかったのだろう。フィリアの取り巻きらしき男達が言っている様に「生徒本人が自力で得た称号や地位は、留意しなきゃ駄目なんだよ!」が学園のルール。(原作主人公、話を聞いてやれし…)
これは余談だが…、学園に新入学し…、アレークトーがティーシポネーの護衛に選ばれ、必然的にティーシポネーとメガイラとも仲良く成った頃の御話……。
その当時、エリニュエスの事を無断で「エリスくん」と呼ぶ者が現れ、ティーシポネーが激怒した事がある。
その時はエリニュエスが「ティシー姫、怒りを御収め下さい…、私めが国王陛下たる御父上様の権威を失墜させぬ為に、姫が伝えたかった事柄を代弁いたしましょう」と前に立ち「学園の生徒は皆、平等と言う決まりには粗があります…、この[身分の上下に拘わらず平等]の[身分]とは[親の身分]を挿します…、笠に着てはいけないのは、親の地位だけなのです…、私達が持つ国王陛下から承った地位や称号は簡単に地に下ろしてしまっても良いモノではございませんので、この学園ルールからは外れます…、だから取り敢えず、私個人が騎士の称号持ちの男爵なので気軽に愛称で呼ぶのはお控え下さいね、宜しいですか?」何て言って同級生と距離を取るエピソードがあった。
詰まり[生徒本人が自力で得た称号や地位は、留意すべし]と言う学園ルールは、エリニュエス達が入学してからずっと、周知されている事実なのである。
そんな事を知らなくて納得がいかず「では、何故、あの方達は愛称で呼んでいるのですか?」と言うフィリアの疑問に、何時の間にか前に出ていたメガイラが「平民の方への宣伝がまだ、不十分だった様ですね」と言い、何故か「[アフェクト・レーギーナ]は御存知でしょうか?」と率先して答えに行っていた。
「[アフェクト・レーギーナ]とは…、結婚式に感銘を受けた第一皇女[ティーシポネー]様が…、身分関係無く、御姫様に成れる時間に見紛うなく御姫様であれる様に…をコンセプトにして作り上げたブランド…、御姫様気分が味わえる家具からドレス、アクセサリーから化粧品まで揃う…、[ティーシポネー]様が商会長を担うティシー商会の№1ブランドでございます!」
「は?何言ってんの?この人??」
(うん…知らへん人に取って、そうかも知れへんけど…、原作ヒロイン…その態度はアカンと思うわ……)
取り敢えず、今の現状に言いたい事は無い事は無いが、エリニュエスは黙って見守る事にしたらしい。
「エリス!何があった!」と一番最初に声を掛けたのは家庭科室から顔を出し「お帰り」と言い掛け駆け寄って来たエリニュエスの実の兄のエフティヒア。続いて「エース様!何があったのですか?」とエーピオテースに対し、エフティヒアと同じ様に家庭科室から駆け寄ってきたのはエフティヒアの婚約者であるアレークトー。
ティーシポネーとメガイラも心配そうに寄って行き、ディアスケダスィとパイディアは眉間に皺を寄せエーピオテースに説明を求める。
「最初から見ていた訳では無いので概要も分りませんが…、顔面に血を滴らした女に詰め寄られて、何故か怯えてる様子だったので…、そのまま連れ戻りました…」
そう言ったエーピオテースもエリニュエスと同じ、少し青ざめた様な表情で「レディに対するマナーを求めて来ていた様子なので、反撃スキルの誤作動で怪我をさせたとかでは無いかと思いますが…」と返答の残りを伝え、アレークトーの指示に従いロングソファーへとエリニュエスを降ろし自らもその隣に座る。
そして「「…怖かった…」」そうポツリと呟かれたエリニュエスとエーピオテースの言葉が、今の2人の心境を物語っていた。
これを見て、この場に居る他の全員一貫して[何が如何した?]と言う疑問が浮かんだのは言うまでも無いだろう。
「ディアス様…、辺境騎士団に籍を置き、対人戦にも流血沙汰にも成れてるエリス嬢が恐怖する相手が学園内にいるようです…、警備を強化しますか?」
「そうだな…、パディ、先んじて警備隊への連絡を頼めるか?僕は今から警備強化の要請書を認める事にしよう」
ディアスケダスィとパイディアの意見は、そう纏まってしまった御様子ではあるが…、そのエリニュエスとエーピオテースが[恐怖した相手]とは、原作ゲームでの主人公フィリアである……。重ねて言おう。それは、原作で彼等が恋した愛しのヒロイン様なのだ!が、これぞ、知らぬが仏というモノなのかも知れない。
そんなこんな遭って(ヒロイン怖いわぁ~)の翌日。
エリニュエスは…、エザフォス神殿から勉強の為に来ていると言うフィリア…原作ゲームの主人公と…、自分のクラスの教室で再開するのであった……。
それは、何時も通りの日常。同じ騎士職のアレークトーと「午前中のティータイム、何を準備しましょうか?」と話しながら、護衛対象のティーシポネーと、その付き人でもあるメガイラの後に付いて歩き、ティーシポネーの「珍しい御味のハーブティーが飲んでみたいですわ」と言うリクエストで、アレークトーに「エリス、心当たりはありませんか?」と質問されると言う感じで会話している所であった。
教室に入った途端「エリス様!」と薄ピンクの髪をした誰かさんが、大声でエリニュエスに呼び掛けて来たのだ。想像していたより目立たぬ存在にエリニュエスの興味が向かず薄らとした記憶の中なのだが、(そうゆうたら…)今年度からあの薄ピンクは教室に(あったかも知れへん気いする…皆、頭カラフルやし、気ぃ~付かんかったけど…)とエリニュエスはやっと気付く。
(そっか…うぅ~わ…、マジで?知らんかったわぁ…あん娘、同級同クラの娘やったんや…)
それにしても原作とは違って、原作での主人公様、クラスメイトの中に友人(?)が出来た御様子で何よりなのだが、彼等は「フィリア?!」と一斉に叫び「エリニュエス様は、愛称で呼び掛けて良い人では無いよ!」と大慌て、フィリアが「何で?学園内では、身分の上下に拘わらず平等な筈です!」と当たり前の様に言っている上、彼等は「それは何度も説明した筈じゃ無いか!」と半泣きな御様子。本当に何度も説明して理解が得られなかったのだろう。フィリアの取り巻きらしき男達が言っている様に「生徒本人が自力で得た称号や地位は、留意しなきゃ駄目なんだよ!」が学園のルール。(原作主人公、話を聞いてやれし…)
これは余談だが…、学園に新入学し…、アレークトーがティーシポネーの護衛に選ばれ、必然的にティーシポネーとメガイラとも仲良く成った頃の御話……。
その当時、エリニュエスの事を無断で「エリスくん」と呼ぶ者が現れ、ティーシポネーが激怒した事がある。
その時はエリニュエスが「ティシー姫、怒りを御収め下さい…、私めが国王陛下たる御父上様の権威を失墜させぬ為に、姫が伝えたかった事柄を代弁いたしましょう」と前に立ち「学園の生徒は皆、平等と言う決まりには粗があります…、この[身分の上下に拘わらず平等]の[身分]とは[親の身分]を挿します…、笠に着てはいけないのは、親の地位だけなのです…、私達が持つ国王陛下から承った地位や称号は簡単に地に下ろしてしまっても良いモノではございませんので、この学園ルールからは外れます…、だから取り敢えず、私個人が騎士の称号持ちの男爵なので気軽に愛称で呼ぶのはお控え下さいね、宜しいですか?」何て言って同級生と距離を取るエピソードがあった。
詰まり[生徒本人が自力で得た称号や地位は、留意すべし]と言う学園ルールは、エリニュエス達が入学してからずっと、周知されている事実なのである。
そんな事を知らなくて納得がいかず「では、何故、あの方達は愛称で呼んでいるのですか?」と言うフィリアの疑問に、何時の間にか前に出ていたメガイラが「平民の方への宣伝がまだ、不十分だった様ですね」と言い、何故か「[アフェクト・レーギーナ]は御存知でしょうか?」と率先して答えに行っていた。
「[アフェクト・レーギーナ]とは…、結婚式に感銘を受けた第一皇女[ティーシポネー]様が…、身分関係無く、御姫様に成れる時間に見紛うなく御姫様であれる様に…をコンセプトにして作り上げたブランド…、御姫様気分が味わえる家具からドレス、アクセサリーから化粧品まで揃う…、[ティーシポネー]様が商会長を担うティシー商会の№1ブランドでございます!」
「は?何言ってんの?この人??」
(うん…知らへん人に取って、そうかも知れへんけど…、原作ヒロイン…その態度はアカンと思うわ……)
取り敢えず、今の現状に言いたい事は無い事は無いが、エリニュエスは黙って見守る事にしたらしい。
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