推し活のある世界にて…

mitokami

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 翌朝の…、毎日欠かさず行われている…村人生存確認の為の早朝集会にての御話……。
「括り罠に掛かった時点で電撃を流してしまえば、勿体無い事もしいひんで済んで、こんな苦労も無かったんとちゃうん?」
「そうじゃの♪そうしようかの♪」
「まてまてまてぇ~い!そこの2人!通りすがりの人が掛かったら如何するつもりだぁ~!!」
括り罠には、掛かった獲物の息の根を止められる術式の必要性と、念の為、得物以外が掛かった場合の安全装置の必要性が議論された。宿屋の御夫妻への謝罪に来ていた元王子が口出ししなければ、死人が出ていたかもしれないので、元王子も罠掛け仲間に入れてやろうと思った今日この頃。

 村長なジイチャンが「長らく不在だったツッコミ担当の降臨じゃ」と元王子を拝み、観光か?の如く、私率いる罠掛け仲間が仕掛けた罠を見て回るツアーを元王子御一行に強要。その後は、私始まりの洗濯物の煮沸消毒(化学繊維が無いから大丈夫だと信じてやっている)を始めとし、村の御当地新商品開発の現場に御招待。
特別に村の人員を割いて研究している煮出し抽出、沈殿、ろ過、蒸留等の技術的な異世界知識アレコレの産物を紹介して…、私の存在を「不可思議じゃろ?」「子供の発想力じゃ説明付かんじゃろ?」と、村長が同意を求めた相手は…、御付きの3人の方では無く、勿論、元王子の方……。

 今の今まで知らなかったが、元王子の名前は[ジョージ]と言うらしい。村長が元王子を「ジョージ王太子殿下」と呼んでいた。…にしてもだ…、元王子、王太子なのにヤラカシタのかよ…、ヤバイな、この国、次の王大使大丈夫な人材である事を心底祈りたいぞ。

 それにしても村長…、何時も笑顔乍らにブツブツ言っていた内容はツッコミの言葉だったんだねぇ~…直接言ってくれて良かったんに…(にしても、ヤバイな…、今迄、気付かんかったけども…、思ってたより私は…何かしらヤラカシテいたっぽい…)……。

 因みに、罠を見て回るツアー、及び、私がヤラカシタ物見物会に参加していたジョージ(←もう、王子でも無いので呼び捨て)の付き人3人組も、それぞれ三者三様それ成りの反応を見せてくれていた。

 宰相の息子[ジェームス]は、賢く無くても頭を回転させ「コレを我等の功績として国に提出すれば…」等、卑怯な手立てで王都への返り咲きを考えている御様子。ロクデナシ眼鏡と認識しておこう。コイツは、受けだな。是非とも何か企んで失敗し下剋上されて欲しい。
ジェームスと話している財務官僚の息子[フィリップ]は、王都に戻る算段は立てさせない方向で、利権を奪われたり上納金を取られたりするリスクを回避し、この地で金儲けを考えているのが透けて見える仕様。ジェームス寄りもフィリップのが宰相向きっぽい性格をしている御様子だ。一見、受けっぽいがコイツの性格は両刀タイプが合いそうだ。
最後に騎士団長の息子[ルイ]は…脳筋らしい考え方全開…、発酵食品にはアミノ酸が豊富で、アミノ酸は筋肉に有用…等の話を耳にして…、砦に巣くう筋肉陣営の影響を諸に受けてしまって…己が筋肉の為に発酵食品の製造工場への手伝いを速攻で申し入れていた……。後、私が生卵を欲して作った養鶏場の方にもルイは持ち前のコミュニケーション能力で入り込み、他の砦在住の脳筋共と同様、気付いた時には労働を対価に鶏肉と卵を手に入れる算段を手にしていた。脳筋の自分の筋肉の為の活動力には驚かされるばかりだ。ルイをモデルにしたキャラクターは、勘違いで突き進んで失敗する設定にしよう。それに設定が受けでも良いが、タチを強要されて困惑するのも面白そうな気がして来た。今度、良さ気なシチュエーションが見付かったら書いて描こうと思う。

 そして、これは後日談。
「キャラ・ハ!ルイ兄ちゃんが、もっと大きな鳥さんを掴まえて来てやろう♪きっと、もっと大きな卵が食べられるぞ!」
「…(自称がルイ兄ちゃんってどないやねん)…、つか、ルイ!大きな卵とか頼んでねぇ~よ!!」
「キャラ・ハは口が悪いなぁ~、そんな御転婆だと婿の来手が見付からないぞ?」
「余計な御世話だ!」
「見付からなかったら、俺が嫁に貰ってやろうか?」
「更成る余計な御世話だ!このロリコンが!」
「…?…ロリコンが何かは知らないが…、10歳差くらい政略結婚では当たり前の事だぞ?世間知らずだなぁ~キャラ・ハは♪」
「世間知らず兎も角、ルイに貰われたくないって私が言ってんのは、忘れんでくれよ」と言う話をした翌日、バジリスク(卵白が無くて卵黄のみ、殻が柔らかく楕円形の卵を産む蛇寄りの鶏)とコカトリス(蜥蜴寄りの卵を産む鶏)が新しく建てられた養鶏(?)場の檻の中に入れられていた。どうやら「大きな卵とか頼んでねぇ~よ!!」と私が言っていた事の方を忘れてしまったらしい。
これって、世話する人が石化したりしてヤバイと言う感じの案件ではなかろうか?「世話に為に誰かが石化してしまったら誰が責任取るんだよ!」(この時既に、砦の筋肉同好会が責任持って、飼育から何から何までやる事に成っていたらしい)

「本当はグリフォンを狙っていたんだが、見付からなくてなぁ~」
「いや、そっちも頼んでへんし!そもそも、グリフォンて卵産むん?」
「コカトリスやバジリスクが産むんだから産むだろ?」
マジか?適当か?本気、適当が過ぎるぞ!
「まぁ、産まないなら食肉として食べてしまえば問題無い!」
騎士団長の息子ルイよ!オマエ、最近まで魔物肉を食べるのに忌避感抱いてたんじゃないのか?筋肉の為にを受けて筋力が増強した故とは言え。如何なんだそれ?
更に(ジイチャンバアチャンの為に考えた健康食品)の流用もに関係し、を推してくれる様に成ったのは良いが、自由が過ぎる!取り敢えず、面倒事に私を巻き込んでくれるなよ?(←これがフラグに成らない事を切に願うばかりだ)

 ・・・後日談 その2・・・
 財務官僚の息子であるフィリップも、金儲けの為に私や御高齢な村人達(特に年老いたバアチャン達)を巻き込んで下さる。バアチャン達もイケメンに踊らされてちゃ駄目だろ!って事が色々あった。
「手を握られて、至近距離で御願いされたらもう、ねぇ~?」
「レディー扱いされたら、嬉しく成っちゃいますもんねェ~」
「肩を抱かれちゃ断れませんもんねぇ~?」
「御礼のキスやハグで若返っちゃう分の対価だと思えば何て事無いですしねぇ~」
え?キスって何処に?と言うのは置いておいたとしても、バアチャン達、イケメンの色香に騙されんなし!

 と、まぁ、色々あっての一週間。私自身の周囲にルイとフィリップと言う自称[兄]を増やし乍らも資料が集まったので、私の推される為の活動を再始動する事にした。
これに関するツッコミは受け付けていない。
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