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蛇の道は蛇
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シランは道方に、携帯アプリでの連絡先の交換と、部屋にある道方の母親の遺品の使用許可&部屋への滞在許可を求め、シランは道方が幼少期に母親と住んでいた部屋の非公式な住人と成る。
母親の事、自らの出生に関わる事実を知る前と変わらない道方の繰り返しばかりな日常に…、シランとの関わりと言う非日常が加わった……。
そして道方の周囲で罷り通る嘘。薄く見える化粧で化ける技術を持ったシランは、道方と道方の父親らしき男の写真から、その特徴を化粧で薄く写し取り、両親共に違うのだが「産みはった人、違うねんけど」と適当な事を言って、道方の母方の親族にまでも、非公式ながらの[道方の妹である]と誤認させ、何時の間にか、そう言う立場を確立していた。
共犯者であると言う濃い繋がりと、(性的に)一夜を共にした(かもしれない)と言う曖昧な事実関係の御陰で近付く道方とシランの距離感。
母方の伯父である大和さんと、その親友で仕事上のパートナーであるキッさんに誤解の上で近親相姦を疑わせる程に道方とシランの関係は親密と成ている。が、実際の所、道方とシランは性的関係には無い。
濃い親密さが醸し出されるのは…、似た境遇に生きた経験と…、2人を繋ぐ秘匿すべき共通の秘密があるからである……。
因みに道方とシランが共犯と成るに至った記念すべき最初の犠牲者は道方の父親であった。
世の中、前科持ちな放蕩者程、行方不明にしやすい生き物は存在しないかも知れない。獲物は罠に簡単に引っ掛かり、人気の無い、人目も無い裏路地に自ら入って来てくれる。
道方の遺伝子を形作る片割れを提供した男は、パーカーのフードを深く被った道方が罠の少し手前にて笑顔で「初めまして」の挨拶をすると、罠で有るとも思わず道方を裏路地へと連れ込み、御手軽にスタンガンの使用一回で眠ってくれ、器用なシランに寄って鏡割り用に使う様な酒樽に詰められてくれた。
その後それを台車に乗せて運搬するは、作業着に着替え帽子を目深に被った道方。配送先は…、シランの友人に寄る事前の接触にて得た検体に思いの外に異常が無かった為…、とある屠畜場へ……。
その場所で、血液や髄液は勿論、生きたまま無麻酔で捌ける部品は毛根からナニから何まで取り外し、とある電解物質に浸して即出荷、又は、冷凍冷蔵で出荷、物に寄ってはフリーズドライ加工後に出荷。部品を取り外した残りも必要な素材を抽出後、漢方・サプリメント・化粧品・石鹸・蝋燭・肥料・燃料として出荷。
昔ながらの儀式的なのや、外来宗教方面のサバトとかを満月だか新月だかの日にする人達や、定期的にそう言った事をやっている者達は、それなりに存在していて、現代でも、どんな物にも需要がアルトコロにはアルらしい。
何故か何時の間にか供給する側に立つ事に成っていた道方は、何となく何時の間にか目的の方向性を見失い。
不意に自分を一定以上評価し「そっちに飽きたら俺の所に来れば良い」と誘ってくれる者、兄貴やタモツと呼ばれる堅気でないであろう男に対し、何故、そんな事を自分に言うのか?と質問すると、その答えは、微妙に学術的っぽい答えだった。
タモツさん曰く…、虐待を受けて育った子供が素手で暴力を振るうのに抵抗が少ないのは、殴られたり叩かれたりする痛みを脳が知っていて、殴った時に拳への痛みを感じても叩いた時に掌への痛みを感じても、それ以上に相手が痛い思いをしていると思え実感でき、相手にダメージを与えられたと言う達成感を得られるから平気なのであって…、そうじゃない者は、暴力を振るって自分も痛いと言う事を理不尽だと思い…自分が痛い思いをするのは間違っていると感じ、脳が納得できず、道具を使って暴力を振るう傾向が強い…、更に言うなら…、虐待を受けた者は道具を使ってでの暴力に置いて、その反動で痛みを感じる事をも厭わない……。寧ろ、手応えを感じ喜びを感じるらしい。つまり、タモツさんは、そう言う人財を欲していると言う事だ。
そんなタモツさんの話を「確かに自分は当て嵌まるかも知れない」と思いながら道方が聞いていると…、切り分けられ、とある電解物質に浸されクーラーボックスに入れられた幾つものブツを荷台に乗せて運ぶ、一仕事終えたばかりのシランが「また、ミチ君を口説いてんの?タモッさんは、相変わらずやらしいなぁ~」と言いながら戻って来る……。
タモツさんは、そのクーラーボックスを受け取りながら「要望は伝えてなんぼ、だろ?」と言いながら中身をチェックし「良いブツだ」と呟き、部下らしき男達に配送の指示を出していた。
ブツは必要とする者の元へ届けられ、ブツを取り出された獲物の残りは今回、部位ごとに単一素材をそれぞれ抽出されて薬や化粧品、焼き物へと転身する予定らしい。
母親の無念を晴らす為に[この世界(裏社会)]へと足を踏み入れてしまった道方は、日本の指定ナンチャラとは似て非なる[そっちの(タモツさんの属する)世界]は如何で、[こっちの(シランの属する)世界]はこうだからと言い争うシランとタモツさんを交互に眺め「何の違いがあるんだか」と少し笑う。
時に、こんな風な人をも殺す不完全燃焼の様な復讐の果てに道方は何を思うだろうか?
To be continued・・・次は違う誰かの[ふくしゅう]にて・・・
母親の事、自らの出生に関わる事実を知る前と変わらない道方の繰り返しばかりな日常に…、シランとの関わりと言う非日常が加わった……。
そして道方の周囲で罷り通る嘘。薄く見える化粧で化ける技術を持ったシランは、道方と道方の父親らしき男の写真から、その特徴を化粧で薄く写し取り、両親共に違うのだが「産みはった人、違うねんけど」と適当な事を言って、道方の母方の親族にまでも、非公式ながらの[道方の妹である]と誤認させ、何時の間にか、そう言う立場を確立していた。
共犯者であると言う濃い繋がりと、(性的に)一夜を共にした(かもしれない)と言う曖昧な事実関係の御陰で近付く道方とシランの距離感。
母方の伯父である大和さんと、その親友で仕事上のパートナーであるキッさんに誤解の上で近親相姦を疑わせる程に道方とシランの関係は親密と成ている。が、実際の所、道方とシランは性的関係には無い。
濃い親密さが醸し出されるのは…、似た境遇に生きた経験と…、2人を繋ぐ秘匿すべき共通の秘密があるからである……。
因みに道方とシランが共犯と成るに至った記念すべき最初の犠牲者は道方の父親であった。
世の中、前科持ちな放蕩者程、行方不明にしやすい生き物は存在しないかも知れない。獲物は罠に簡単に引っ掛かり、人気の無い、人目も無い裏路地に自ら入って来てくれる。
道方の遺伝子を形作る片割れを提供した男は、パーカーのフードを深く被った道方が罠の少し手前にて笑顔で「初めまして」の挨拶をすると、罠で有るとも思わず道方を裏路地へと連れ込み、御手軽にスタンガンの使用一回で眠ってくれ、器用なシランに寄って鏡割り用に使う様な酒樽に詰められてくれた。
その後それを台車に乗せて運搬するは、作業着に着替え帽子を目深に被った道方。配送先は…、シランの友人に寄る事前の接触にて得た検体に思いの外に異常が無かった為…、とある屠畜場へ……。
その場所で、血液や髄液は勿論、生きたまま無麻酔で捌ける部品は毛根からナニから何まで取り外し、とある電解物質に浸して即出荷、又は、冷凍冷蔵で出荷、物に寄ってはフリーズドライ加工後に出荷。部品を取り外した残りも必要な素材を抽出後、漢方・サプリメント・化粧品・石鹸・蝋燭・肥料・燃料として出荷。
昔ながらの儀式的なのや、外来宗教方面のサバトとかを満月だか新月だかの日にする人達や、定期的にそう言った事をやっている者達は、それなりに存在していて、現代でも、どんな物にも需要がアルトコロにはアルらしい。
何故か何時の間にか供給する側に立つ事に成っていた道方は、何となく何時の間にか目的の方向性を見失い。
不意に自分を一定以上評価し「そっちに飽きたら俺の所に来れば良い」と誘ってくれる者、兄貴やタモツと呼ばれる堅気でないであろう男に対し、何故、そんな事を自分に言うのか?と質問すると、その答えは、微妙に学術的っぽい答えだった。
タモツさん曰く…、虐待を受けて育った子供が素手で暴力を振るうのに抵抗が少ないのは、殴られたり叩かれたりする痛みを脳が知っていて、殴った時に拳への痛みを感じても叩いた時に掌への痛みを感じても、それ以上に相手が痛い思いをしていると思え実感でき、相手にダメージを与えられたと言う達成感を得られるから平気なのであって…、そうじゃない者は、暴力を振るって自分も痛いと言う事を理不尽だと思い…自分が痛い思いをするのは間違っていると感じ、脳が納得できず、道具を使って暴力を振るう傾向が強い…、更に言うなら…、虐待を受けた者は道具を使ってでの暴力に置いて、その反動で痛みを感じる事をも厭わない……。寧ろ、手応えを感じ喜びを感じるらしい。つまり、タモツさんは、そう言う人財を欲していると言う事だ。
そんなタモツさんの話を「確かに自分は当て嵌まるかも知れない」と思いながら道方が聞いていると…、切り分けられ、とある電解物質に浸されクーラーボックスに入れられた幾つものブツを荷台に乗せて運ぶ、一仕事終えたばかりのシランが「また、ミチ君を口説いてんの?タモッさんは、相変わらずやらしいなぁ~」と言いながら戻って来る……。
タモツさんは、そのクーラーボックスを受け取りながら「要望は伝えてなんぼ、だろ?」と言いながら中身をチェックし「良いブツだ」と呟き、部下らしき男達に配送の指示を出していた。
ブツは必要とする者の元へ届けられ、ブツを取り出された獲物の残りは今回、部位ごとに単一素材をそれぞれ抽出されて薬や化粧品、焼き物へと転身する予定らしい。
母親の無念を晴らす為に[この世界(裏社会)]へと足を踏み入れてしまった道方は、日本の指定ナンチャラとは似て非なる[そっちの(タモツさんの属する)世界]は如何で、[こっちの(シランの属する)世界]はこうだからと言い争うシランとタモツさんを交互に眺め「何の違いがあるんだか」と少し笑う。
時に、こんな風な人をも殺す不完全燃焼の様な復讐の果てに道方は何を思うだろうか?
To be continued・・・次は違う誰かの[ふくしゅう]にて・・・
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