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第8話 愛の夜(★)
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「コフェル……愛してる」
その夜、カヴォードとコフェルは愛し合った。
何度も何度も交わり、睦言を交わし、キスを交えた。
「カヴォード様……」
潤んだ瞳で、コフェルはカヴォードを見上げる。
カヴォードは優しくほほ笑む。
「どうした、コフェル? ……きつかったか?」
「い、いえ……そうじゃなくて」
コフェルは赤くなって、照れたように瞳を伏せる。
夜の空のような紫色の瞳が、カヴォードを映す。
「私も……愛しています、カヴォード様」
コフェルの告白に、カヴォードは嬉しそうに笑った。
「ありがとう、コフェル」
「カヴォード様……」
二人は抱き合い、また唇を重ねる。
「あなたが港に来てくれたとき……とても嬉しかったです」
「よかった、迷惑だと言われたらどうしようかと」
「迷惑だなんて……」
コフェルが苦笑する。
「お師匠様も、わかっていたのでしょうね」
「ああ……アクシャン殿は、偉大な魔法使いだ」
新大陸へ向かった大魔女の横顔を思い出し、二人はまた笑った。
「コフェル」
「はい」
「残ってくれて、ありがとう」
「……はい」
カヴォードの腕が、コフェルを抱きしめる。
深く貪り合い、ようやく眠りにつく頃には朝がやってきていた。
その夜、カヴォードとコフェルは愛し合った。
何度も何度も交わり、睦言を交わし、キスを交えた。
「カヴォード様……」
潤んだ瞳で、コフェルはカヴォードを見上げる。
カヴォードは優しくほほ笑む。
「どうした、コフェル? ……きつかったか?」
「い、いえ……そうじゃなくて」
コフェルは赤くなって、照れたように瞳を伏せる。
夜の空のような紫色の瞳が、カヴォードを映す。
「私も……愛しています、カヴォード様」
コフェルの告白に、カヴォードは嬉しそうに笑った。
「ありがとう、コフェル」
「カヴォード様……」
二人は抱き合い、また唇を重ねる。
「あなたが港に来てくれたとき……とても嬉しかったです」
「よかった、迷惑だと言われたらどうしようかと」
「迷惑だなんて……」
コフェルが苦笑する。
「お師匠様も、わかっていたのでしょうね」
「ああ……アクシャン殿は、偉大な魔法使いだ」
新大陸へ向かった大魔女の横顔を思い出し、二人はまた笑った。
「コフェル」
「はい」
「残ってくれて、ありがとう」
「……はい」
カヴォードの腕が、コフェルを抱きしめる。
深く貪り合い、ようやく眠りにつく頃には朝がやってきていた。
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