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壁舐めるとかヤバいやつなのだ
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蝦蛄エビ菜は右往左往しながら壁を舐めています。その様子はまるで妖怪のようで、到底理解出来るものではありませんでした。
「な、なな何してんだ?!お前!」
「水分補給ですよ」
「言っている意味が分からないんだが」
針口裕精が青い顔で彼女の腕を引っ張り、壁を舐めるのを辞めさせました。舌は壁から離れましたが、唾液の跡がキラキラと光っています。
彼女はずっと同じ表情をしています。その濁った目が感情によって動かされる事はないでしょう。
「うーん材質はコンクリートではありませんね。木でもありませんし」
「舐めたら分かるのか?凄い能力なのだ」
「感心している場合じゃないだろ。そういうのは見て判断しろ、舐めるな」
壁は建築の知識がある人でも、よく分からない素材で出来ていました。
蝦蛄エビ菜は淡々とこの壁の材質は何なのかを話しており、それについて薫田あるじは少し興味を持っています。
そして目の前で成人女性が壁を舐めるという行動に大分気持ち悪がっています。
「机にある紙は見ないの?」
「すまん、それに意識が向かなかった」
「注意が足りないんじゃないですか」
「誰のせいだおい」
ヴェニアミンは机の上にある紙を指さしました。長方形の紙で、パッと見たところ字が書かれています。4人は机を囲んで、それを見ることにしました。
「なんて書いてあるのだ?」
「子供が書いた字みたいだ。母国語が日本語じゃないのか?」
針口裕精は気づきました。明らかに日本語を見よう見まねで書いたような文体で、子供が書いているようでした。
また、彼は母国語が日本語ではない、という発言をしたのでヴェニアミンの反感を買ってしまいました。
「ニアミンの事を馬鹿にしているの?許さないよ、針口」
「俺は文字のことを言っただけだ。それは自意識過剰じゃないか」
「針口は誤解されやすいね」
「いやお前が勝手に誤解しただけだろ」
微笑みますが、ぎこちない感じです。これ以上話すと面倒くさいと思ったのでしょう、笑顔で話を流しています。
「グダグダしていないで読みませんか?」
「あぁ、すまない」
蝦蛄エビ菜がそう言うと、2人は素直に紙の内容を読みました。そしてそれにはこう書かれていました。
「絵画一族の謎をといて、そうしないと出られない。あなた達も私も」
この文章に心当たりがある人は誰1人として居ませんでした。特に頭が弱い薫田あるじはこの文章の意図を読み取れていないようでした。
「絵画一族って何なのだ?どゆことなのだ?」
「名前の通り、絵画を家族ぐるみで描いている一族じゃないんですか」
適当にそう言うと、彼女は頷いて素直にそれを信じてしまいました。
「おいおい嘘を教えるなよ。絵画一族というのは美術商を営んでいたイギリスの一族じゃないのか」
「よく知っているね」
「これぐらい教養の範囲内だが」
針口裕精が本当の事を教えました。それを聞いて、彼女は蝦蛄エビ菜をあまり信じない方が良いと思いました。
そしてヴェニアミンもその絵画一族のことを知っていました。
絵画一族というのは主にイギリスで美術商をしていた一族です。特徴として何百年もその血筋が途絶えていないということです。
「じゃあ謎というのは何なのでしょうか」
「それは…分からない。そもそも何故、絵画一族の謎を解かねばならないのか。そしてこれは一体誰が書いたものなのか」
各々、この状況について考えています。しかし考えても考えても情報が少ないので、頭の中が疑問で埋め尽くされてしまいます。
「考えていても、分かんないものはわかんないのだ!とりあえずこの部屋に監視カメラがないか探すのだ」
考えるのが苦手な薫田あるじは、安直に犯人が居て部屋の外からこの部屋を監視していると思いました。
部屋の四隅を触って確認しますが、ただの壁と地面だと分かりました。何もなかったので落胆しました。
「何もないのだ…」
「あぁ、そんな害悪な物は見つかりませんでしたがさっき隠し扉を見つけましたよ。ここですここ」
彼女が落ち込んでいると後ろから蝦蛄エビ菜が話しかけてきました。
しかし隠し扉を見つけた事によって、その負の感情はぶっ飛ばされました。ロマンの方が勝ったのです。
「い、いつの間になのだ?!」
「蝦蛄さん、それは本当か?」
舐めていた壁を触っています。そこだけは光っていないので、唾液はついていないようです。
「壁を舐めている時だね」
「ここだけ材質が違うんですよね。誰かここ潰してください」
「ニアミンに任せて」
その壁に向かって突進していきました。彼の大柄な体は壁を粉砕し、人が2人通れるほどの穴が出来ました。
いきなりの事なので針口はビックリしています。そして彼の眼鏡に突進で飛ばされた壁の一部が飛んでいき、当たりました。
幸い怪我はないものの、大声を出して更にビックリしました。
「え、何をして、うわぁああ?!!」
「綺麗なタックルなのだ!」
彼女は突進に感動していました。そして、壁の先は可愛らしい子供部屋でした。
「な、なな何してんだ?!お前!」
「水分補給ですよ」
「言っている意味が分からないんだが」
針口裕精が青い顔で彼女の腕を引っ張り、壁を舐めるのを辞めさせました。舌は壁から離れましたが、唾液の跡がキラキラと光っています。
彼女はずっと同じ表情をしています。その濁った目が感情によって動かされる事はないでしょう。
「うーん材質はコンクリートではありませんね。木でもありませんし」
「舐めたら分かるのか?凄い能力なのだ」
「感心している場合じゃないだろ。そういうのは見て判断しろ、舐めるな」
壁は建築の知識がある人でも、よく分からない素材で出来ていました。
蝦蛄エビ菜は淡々とこの壁の材質は何なのかを話しており、それについて薫田あるじは少し興味を持っています。
そして目の前で成人女性が壁を舐めるという行動に大分気持ち悪がっています。
「机にある紙は見ないの?」
「すまん、それに意識が向かなかった」
「注意が足りないんじゃないですか」
「誰のせいだおい」
ヴェニアミンは机の上にある紙を指さしました。長方形の紙で、パッと見たところ字が書かれています。4人は机を囲んで、それを見ることにしました。
「なんて書いてあるのだ?」
「子供が書いた字みたいだ。母国語が日本語じゃないのか?」
針口裕精は気づきました。明らかに日本語を見よう見まねで書いたような文体で、子供が書いているようでした。
また、彼は母国語が日本語ではない、という発言をしたのでヴェニアミンの反感を買ってしまいました。
「ニアミンの事を馬鹿にしているの?許さないよ、針口」
「俺は文字のことを言っただけだ。それは自意識過剰じゃないか」
「針口は誤解されやすいね」
「いやお前が勝手に誤解しただけだろ」
微笑みますが、ぎこちない感じです。これ以上話すと面倒くさいと思ったのでしょう、笑顔で話を流しています。
「グダグダしていないで読みませんか?」
「あぁ、すまない」
蝦蛄エビ菜がそう言うと、2人は素直に紙の内容を読みました。そしてそれにはこう書かれていました。
「絵画一族の謎をといて、そうしないと出られない。あなた達も私も」
この文章に心当たりがある人は誰1人として居ませんでした。特に頭が弱い薫田あるじはこの文章の意図を読み取れていないようでした。
「絵画一族って何なのだ?どゆことなのだ?」
「名前の通り、絵画を家族ぐるみで描いている一族じゃないんですか」
適当にそう言うと、彼女は頷いて素直にそれを信じてしまいました。
「おいおい嘘を教えるなよ。絵画一族というのは美術商を営んでいたイギリスの一族じゃないのか」
「よく知っているね」
「これぐらい教養の範囲内だが」
針口裕精が本当の事を教えました。それを聞いて、彼女は蝦蛄エビ菜をあまり信じない方が良いと思いました。
そしてヴェニアミンもその絵画一族のことを知っていました。
絵画一族というのは主にイギリスで美術商をしていた一族です。特徴として何百年もその血筋が途絶えていないということです。
「じゃあ謎というのは何なのでしょうか」
「それは…分からない。そもそも何故、絵画一族の謎を解かねばならないのか。そしてこれは一体誰が書いたものなのか」
各々、この状況について考えています。しかし考えても考えても情報が少ないので、頭の中が疑問で埋め尽くされてしまいます。
「考えていても、分かんないものはわかんないのだ!とりあえずこの部屋に監視カメラがないか探すのだ」
考えるのが苦手な薫田あるじは、安直に犯人が居て部屋の外からこの部屋を監視していると思いました。
部屋の四隅を触って確認しますが、ただの壁と地面だと分かりました。何もなかったので落胆しました。
「何もないのだ…」
「あぁ、そんな害悪な物は見つかりませんでしたがさっき隠し扉を見つけましたよ。ここですここ」
彼女が落ち込んでいると後ろから蝦蛄エビ菜が話しかけてきました。
しかし隠し扉を見つけた事によって、その負の感情はぶっ飛ばされました。ロマンの方が勝ったのです。
「い、いつの間になのだ?!」
「蝦蛄さん、それは本当か?」
舐めていた壁を触っています。そこだけは光っていないので、唾液はついていないようです。
「壁を舐めている時だね」
「ここだけ材質が違うんですよね。誰かここ潰してください」
「ニアミンに任せて」
その壁に向かって突進していきました。彼の大柄な体は壁を粉砕し、人が2人通れるほどの穴が出来ました。
いきなりの事なので針口はビックリしています。そして彼の眼鏡に突進で飛ばされた壁の一部が飛んでいき、当たりました。
幸い怪我はないものの、大声を出して更にビックリしました。
「え、何をして、うわぁああ?!!」
「綺麗なタックルなのだ!」
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