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やべぇヤツらのご対面
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白い部屋はシミひとつありません。何かあるとするならば、それはこの部屋の椅子に座っている男女4人でしょう。
椅子に座って眠っておりますが、次第に4人は一斉に目を覚まします。
「ここは…」
「んあ?もうアトラクションの中なのだ?」
「私の蕎麦はどこでしょう」
「…」
4人は重たい瞼を開けて、辺りを少しだけ見渡しますが何もありません。机と椅子だけというシンプルな部屋です。
「ここはどこだ?お前らは誰だ?なんで俺はここにいるんだ?今は何時だ?おいおいスマホも財布もないぞ?」
「それはあちきの台詞なのだ。あちきが友達とお揃いで買ったポップコーンケースがないのだ。これは何かの実験なのか?答えるのだ!」
眼鏡の男が慌てています。唐突にこの部屋に来たので、混乱しているのでしょう。それにピンク髪の女の子が彼を犯人扱いしています。
「まぁまぁ、まずは落ち着こうね」
金髪の男が2人を落ち着かせますが、まだ興奮は収まりません。
「落ち着けるわけないだろう。こんな部屋に閉じ込められて…俺は本屋に居たはずなのに、なぜこんな所にいるんだ」
「そこのメガネは一旦黙るのだ、初対面の相手には自己紹介が基本なのだ」
ピンク髪の女の子が眼鏡の男を指さして、黙れとボディランゲージで訴えます。彼女は相手の事を知る為に、まず手始めに自己紹介をするのでした。
「なので、あちきが最初に話すのだ!」
「こんな状況でか?まぁ、相手の情報を知るのも重要か」
眼鏡の男は何となく納得した様子でした。そして白い部屋に女の子の声が響くのでした。
「あちきは薫田あるじなのだ。見ての通りの花のJKというやつなのだ。ここに来る前は、友達とディスティニーランドで遊んでいたのだ」
「変な名前だな」
薫田あるじはとても整った顔をしており、そして小学生と見間違えるほど小さいです。ピンク髪のボブで、両サイドには三つ編みに白いリボンがつけられています。
また、彼女の首には赤いチョーカーがつけられています。
そして、眼鏡の男の発言に薫田あるじは少し腹が立ちました。同年代の子には言われていても慣れていますが、大人には言われた事がなかったからです。
「あちきには敬称をつけるのだぞ」
「よろしくお願いします、あるじちゃま」
一言しか喋っていない茶髪の女が喋りました。見た目通り、普通といった感じの女です。
「次は君かな」
「俺か、俺は針口裕精だ。来る前には本屋で立ち読みをしていた」
金髪の男が針口裕精の方を見ました。
針口裕精は顔つきはキツく、黒い眼鏡をしています。七三分けの髪でプライドが高そうにみえますが、服装はとてもラフです。
「平日の昼間にですか?」
「あぁ」
「無職なのか?」
薫田あるじの発した、無職という言葉に彼は眉間をひそめます。そして眼鏡をクイッと持ち上げた後に、早口で言いました。
「昨今の不景気に飲み込まれてリストラされたんだ。求人募集の雑誌を読んでも良い職は見つからない、こんな所に来てしまう。全く最低な日だな今日は」
「散々だね」
金髪の男が彼に同調しますが、彼は少し怖がっています。何せ180cm以上もある大柄の男で、顔にかかった髪のせいで表情が良く見えないからです。
「次はニアミン、外国人。ヴェニアミン・レンチノヴィチ・ハバロフ、長いからニアミン。来る前は休憩していた」
「それで保育士なのか…」
「ニアミンは良い奴だから」
ヴェニアミン・レンチノヴィチ・ハバロフ。ここからは略してヴェニアミンと記載します。
ヴェニアミンは青と黄色のエプロンに手首には包帯、そして黒い手袋をしており、長い金髪は彼の肩あたりで跳ねまくっています。
「次は私ですね。私は蝦蛄エビ菜と申します、広告代理店のOLです。来る前はお昼に蕎麦を頂いていました」
「全く共通点がないのだ、なんでこの4人が集められたのか不思議なのだ」
染められた茶髪の髪はまとめられており、灰色のスーツを身にまとっています。いたって普通のOLです。
そして薫田あるじはこの4人が何故集められたのかを考えますが、何も出てきませんでした。自己紹介を終えると蝦蛄エビ菜は、
「お冷を飲んでいる時にここに来ましたので、壁で水分補給します」
と言って彼女の後ろにある壁を舐め始めました。
椅子に座って眠っておりますが、次第に4人は一斉に目を覚まします。
「ここは…」
「んあ?もうアトラクションの中なのだ?」
「私の蕎麦はどこでしょう」
「…」
4人は重たい瞼を開けて、辺りを少しだけ見渡しますが何もありません。机と椅子だけというシンプルな部屋です。
「ここはどこだ?お前らは誰だ?なんで俺はここにいるんだ?今は何時だ?おいおいスマホも財布もないぞ?」
「それはあちきの台詞なのだ。あちきが友達とお揃いで買ったポップコーンケースがないのだ。これは何かの実験なのか?答えるのだ!」
眼鏡の男が慌てています。唐突にこの部屋に来たので、混乱しているのでしょう。それにピンク髪の女の子が彼を犯人扱いしています。
「まぁまぁ、まずは落ち着こうね」
金髪の男が2人を落ち着かせますが、まだ興奮は収まりません。
「落ち着けるわけないだろう。こんな部屋に閉じ込められて…俺は本屋に居たはずなのに、なぜこんな所にいるんだ」
「そこのメガネは一旦黙るのだ、初対面の相手には自己紹介が基本なのだ」
ピンク髪の女の子が眼鏡の男を指さして、黙れとボディランゲージで訴えます。彼女は相手の事を知る為に、まず手始めに自己紹介をするのでした。
「なので、あちきが最初に話すのだ!」
「こんな状況でか?まぁ、相手の情報を知るのも重要か」
眼鏡の男は何となく納得した様子でした。そして白い部屋に女の子の声が響くのでした。
「あちきは薫田あるじなのだ。見ての通りの花のJKというやつなのだ。ここに来る前は、友達とディスティニーランドで遊んでいたのだ」
「変な名前だな」
薫田あるじはとても整った顔をしており、そして小学生と見間違えるほど小さいです。ピンク髪のボブで、両サイドには三つ編みに白いリボンがつけられています。
また、彼女の首には赤いチョーカーがつけられています。
そして、眼鏡の男の発言に薫田あるじは少し腹が立ちました。同年代の子には言われていても慣れていますが、大人には言われた事がなかったからです。
「あちきには敬称をつけるのだぞ」
「よろしくお願いします、あるじちゃま」
一言しか喋っていない茶髪の女が喋りました。見た目通り、普通といった感じの女です。
「次は君かな」
「俺か、俺は針口裕精だ。来る前には本屋で立ち読みをしていた」
金髪の男が針口裕精の方を見ました。
針口裕精は顔つきはキツく、黒い眼鏡をしています。七三分けの髪でプライドが高そうにみえますが、服装はとてもラフです。
「平日の昼間にですか?」
「あぁ」
「無職なのか?」
薫田あるじの発した、無職という言葉に彼は眉間をひそめます。そして眼鏡をクイッと持ち上げた後に、早口で言いました。
「昨今の不景気に飲み込まれてリストラされたんだ。求人募集の雑誌を読んでも良い職は見つからない、こんな所に来てしまう。全く最低な日だな今日は」
「散々だね」
金髪の男が彼に同調しますが、彼は少し怖がっています。何せ180cm以上もある大柄の男で、顔にかかった髪のせいで表情が良く見えないからです。
「次はニアミン、外国人。ヴェニアミン・レンチノヴィチ・ハバロフ、長いからニアミン。来る前は休憩していた」
「それで保育士なのか…」
「ニアミンは良い奴だから」
ヴェニアミン・レンチノヴィチ・ハバロフ。ここからは略してヴェニアミンと記載します。
ヴェニアミンは青と黄色のエプロンに手首には包帯、そして黒い手袋をしており、長い金髪は彼の肩あたりで跳ねまくっています。
「次は私ですね。私は蝦蛄エビ菜と申します、広告代理店のOLです。来る前はお昼に蕎麦を頂いていました」
「全く共通点がないのだ、なんでこの4人が集められたのか不思議なのだ」
染められた茶髪の髪はまとめられており、灰色のスーツを身にまとっています。いたって普通のOLです。
そして薫田あるじはこの4人が何故集められたのかを考えますが、何も出てきませんでした。自己紹介を終えると蝦蛄エビ菜は、
「お冷を飲んでいる時にここに来ましたので、壁で水分補給します」
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