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2章瓶 お酒の力を……
21杯目 僕料理を振る舞う
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「陰雄くん! 私も少し手伝うよ!」
料理をしようとしている、僕の前に立ち彼女は言う。
料理苦手って言っていた気がするけど、とりあえず手伝ってもらうことに。
「じゃあ、じゃがいもの皮剥いて、芽を取ってもらえる?」
「分かった!」
いくら苦手って言っても、これくらいは出来るだろう。そう思ってお願いしたのだが……
その考えは間違っていたと、知ることになる……
「終わった?」
「終わった……かも。別の意味で……」
「え?」
そう言う彼女の方を見ると……
じゃがいもが食べる所までなくなっていた。これはちょっと苦手どころじゃなくない気が……
僕はそう思い、彼女に問う。
「えっと、陽華さん? これは何を?」
「……じゃがいもの皮を剥いていた……はず……」
「えっと……じゃがいもの食べる所……は?」
「なくなった……」
「なくなった……? 皮剥くだけだよね……?」
「剥いたら無くなった……」
「まじか……ちょっと苦手って言ってなかった?」
「ちょっと苦手だよ!」
「これはちょっとなの……?」
「うん!」
そうか……うん。ちょっとか……
とりあえず僕は他に何が出来るのか聞いてみる事に。
「因みにだけど、何が出来る?」
「んー! お米研げるよ!」
「うん。そっか。じゃあ、お米研いでおいて」
「分かった!」
そう言った彼女を見ていると、お米を全部ぶちまけた。
それを見てしまった僕は彼女に、やんわりと言う。
「陽華さんは、向こうでラノベとか読んでていいよ……!」
「……え? もしかして、戦力外通告?」
「そ、そんなんじゃないよ!」
「……むぅ。分かったよー」
「すぐ出来るから!」
彼女は、項垂れながらもリビングへと戻っていく。
だが、「何この子! イラストえっち!」と言いながら、ラノベを読み始めてくれたので途中だった、肉じゃがを作り始めた。肉じゃがをメインに、春雨サラダ、デザートに買ってきたフルーツタルト。果たして喜んでくれるのか……
と少しの不安を抱きながら、僕は料理を作り終えた。
「出来たよー」
と僕が言うと、彼女走ってこちらに来る。出来上がった料理を見て、彼女は言う。
「うわー! 肉じゃがだ!! 私肉じゃが大好き! 美味しそう!」
「口に合うか分からないけど! まあ、美味しと思うよ」
「ほほーん。自分で言いますか! 私の舌を満足させる事は出来るのか! 楽しみですな」
「いや、誰だし! どっかの偉いグルメな人かよ!」
とツッコミを入れ、僕は料理を運ぶ。お茶碗にご飯をよそう。
全ての料理を運び終わり、僕らは言う。
「「いただきます」」
うん。うまい。さすが僕。
肉じゃがを頬張り、自分の世界に入っていると引き戻される。
「陰雄くん! めっちゃ美味しい! 何これ!! 何でこんなに上手なの!?」
「何でって言われても……ずっと料理してたから、かな?」
「すごい!! その、私、料理は苦手だから……」
「得意不得意があるからね……!」
「そ、そうだよね! 私は、他に得意なことがあるはず……!」
うん。何かしらある……はず。
とりあえず、そんな話をしながらもご飯を食べ進める。その間、ずっと美味しいと言ってくれていた。
ご飯を食べ終え、食器も洗い終わり陽華さんを家に送っていくことに。
「陰雄くん! めっちゃ美味しかった! 本当にありがとう!」
「喜んでくれて良かった! また……食べにくる?」
「いいの!? 行く!」
「いいよ。まあとりあえず夜遅いから、家まで送ってくよ」
「いいよ近いから!」
「食後の運動も兼ねてるから、送ってくよ」
「それなら……お願いしようかな!」
そう言って、僕らは家を出た。
彼女の家までの道中、僕らはいろいろな話をした。僕の話を聞き終えた彼女は一つの提案をしてきた。
「バイト探してるって事だよね?」
「うん」
「私の幼馴染の働いている所人足りないらしくて……陰雄くんやる?」
「僕で出来るのかな?」
「大丈夫っしょ! 陰雄くんなら!」
「何その謎の信頼……」
「じゃ、幼馴染には連絡しとくね!」
「まだ何も言ってないのに……」
肯定も否定もする間も無く、バイト(?)が決まったのである。
本当に大丈夫なのだろうか? まぁ、陽華さんの幼馴染だし大丈夫か。
と話している内に、彼女の家の前に着いたので家に入るのを見届けてから、自分の家まで戻っていった。
そして彼女と別れた僕は思う。
一人で歩く道のりは、果てしなく長いな、と。
料理をしようとしている、僕の前に立ち彼女は言う。
料理苦手って言っていた気がするけど、とりあえず手伝ってもらうことに。
「じゃあ、じゃがいもの皮剥いて、芽を取ってもらえる?」
「分かった!」
いくら苦手って言っても、これくらいは出来るだろう。そう思ってお願いしたのだが……
その考えは間違っていたと、知ることになる……
「終わった?」
「終わった……かも。別の意味で……」
「え?」
そう言う彼女の方を見ると……
じゃがいもが食べる所までなくなっていた。これはちょっと苦手どころじゃなくない気が……
僕はそう思い、彼女に問う。
「えっと、陽華さん? これは何を?」
「……じゃがいもの皮を剥いていた……はず……」
「えっと……じゃがいもの食べる所……は?」
「なくなった……」
「なくなった……? 皮剥くだけだよね……?」
「剥いたら無くなった……」
「まじか……ちょっと苦手って言ってなかった?」
「ちょっと苦手だよ!」
「これはちょっとなの……?」
「うん!」
そうか……うん。ちょっとか……
とりあえず僕は他に何が出来るのか聞いてみる事に。
「因みにだけど、何が出来る?」
「んー! お米研げるよ!」
「うん。そっか。じゃあ、お米研いでおいて」
「分かった!」
そう言った彼女を見ていると、お米を全部ぶちまけた。
それを見てしまった僕は彼女に、やんわりと言う。
「陽華さんは、向こうでラノベとか読んでていいよ……!」
「……え? もしかして、戦力外通告?」
「そ、そんなんじゃないよ!」
「……むぅ。分かったよー」
「すぐ出来るから!」
彼女は、項垂れながらもリビングへと戻っていく。
だが、「何この子! イラストえっち!」と言いながら、ラノベを読み始めてくれたので途中だった、肉じゃがを作り始めた。肉じゃがをメインに、春雨サラダ、デザートに買ってきたフルーツタルト。果たして喜んでくれるのか……
と少しの不安を抱きながら、僕は料理を作り終えた。
「出来たよー」
と僕が言うと、彼女走ってこちらに来る。出来上がった料理を見て、彼女は言う。
「うわー! 肉じゃがだ!! 私肉じゃが大好き! 美味しそう!」
「口に合うか分からないけど! まあ、美味しと思うよ」
「ほほーん。自分で言いますか! 私の舌を満足させる事は出来るのか! 楽しみですな」
「いや、誰だし! どっかの偉いグルメな人かよ!」
とツッコミを入れ、僕は料理を運ぶ。お茶碗にご飯をよそう。
全ての料理を運び終わり、僕らは言う。
「「いただきます」」
うん。うまい。さすが僕。
肉じゃがを頬張り、自分の世界に入っていると引き戻される。
「陰雄くん! めっちゃ美味しい! 何これ!! 何でこんなに上手なの!?」
「何でって言われても……ずっと料理してたから、かな?」
「すごい!! その、私、料理は苦手だから……」
「得意不得意があるからね……!」
「そ、そうだよね! 私は、他に得意なことがあるはず……!」
うん。何かしらある……はず。
とりあえず、そんな話をしながらもご飯を食べ進める。その間、ずっと美味しいと言ってくれていた。
ご飯を食べ終え、食器も洗い終わり陽華さんを家に送っていくことに。
「陰雄くん! めっちゃ美味しかった! 本当にありがとう!」
「喜んでくれて良かった! また……食べにくる?」
「いいの!? 行く!」
「いいよ。まあとりあえず夜遅いから、家まで送ってくよ」
「いいよ近いから!」
「食後の運動も兼ねてるから、送ってくよ」
「それなら……お願いしようかな!」
そう言って、僕らは家を出た。
彼女の家までの道中、僕らはいろいろな話をした。僕の話を聞き終えた彼女は一つの提案をしてきた。
「バイト探してるって事だよね?」
「うん」
「私の幼馴染の働いている所人足りないらしくて……陰雄くんやる?」
「僕で出来るのかな?」
「大丈夫っしょ! 陰雄くんなら!」
「何その謎の信頼……」
「じゃ、幼馴染には連絡しとくね!」
「まだ何も言ってないのに……」
肯定も否定もする間も無く、バイト(?)が決まったのである。
本当に大丈夫なのだろうか? まぁ、陽華さんの幼馴染だし大丈夫か。
と話している内に、彼女の家の前に着いたので家に入るのを見届けてから、自分の家まで戻っていった。
そして彼女と別れた僕は思う。
一人で歩く道のりは、果てしなく長いな、と。
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