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1章瓶 彼女との出会い
7杯目 僕が……私が……
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「うわぁ!! ここのスイーツ本当に美味しいんだね!」
と彼女は、ショートケーキを頬張りながら言う。それを見て女の子って凄いなと僕は思う。彼女は今ショートケーキ、カヌレ、チーズケーキ、ミルフィーユetc.僕より沢山のメニューを完食していた。愛理の言う通り、女子はスイーツが好きなんだな。なんて思っている僕に向けて彼女は問う。
「根暗くんこんな美味しいお店よく知ってたね? さては、スイーツ大好きなんですかな?」
「い、いや……こ、ここはその……幼馴染に教えてもらった……だけで……」
「……幼馴染か。……そっか」
正直僕はスイーツはあまり好きではない。でも、嘘をつく訳にもいかないだろう。そう思い僕は愛理に教えて貰ったことを正直に言った。だが、それを聞いた彼女の顔は少しだけ寂しそうに見えた。
「……ど、どうしたんで……あ、ど……どうしたの?」
「ううん! 何でもない! それより幼馴染ってどんな子なの?」
「……あいつは……その、凄いめんどくさい奴です……すぐ人を馬鹿にするし、嘘をつくんです。けど……あいつは、本当は優しいんですよ……あいつのお陰で今の僕があるんですよね……まぁ、ウザいってのが1番ですけどね。感謝はしています」
「そう……なんだ……」
「……根明さん!?」
愛理の話を終えると、彼女は泣いていた。何かひどい事をしたのだろうか。僕はどうすることもできなくなっていた。すると彼女は涙を拭き、ニコッと笑いながら言う。
「大丈夫、大丈夫……! ちょっと優しい子だなって思って……それより根暗くんはその子が好きなの?」
「……それはありえないです。あいつがって訳じゃなくて、恋をすること自体今後無いと思います……」
「それってどう言う……」
「まあ、僕のこんな話ばかりじゃあれですし、そろそろ出ましょうか」
「……うん」
僕は、彼女の言葉を遮るように提案する。詮索されたくは無いからね。こんなところで話す内容じゃ無いし……
少し不満そうな彼女を他所に、伝票を手に取りレジの方へと向かい歩き出そうとした。しかし彼女は、僕の袖口を掴み引き止める。
「待って! 私がここは払うよ!」
えぇー。そう来るかね普通? なんかもっと僕の思う悪い感じの陽キャでいてよ。もっとさ、僕は陽キャって陰キャに奢らせるじゃん! 何でこんな事するのさ!
なんて事を心の中で呟いてから僕は言う。
「……い、いや、ぼ、僕が誘ったし、それに、あの時のお詫びって事で来てる……から……」
「そんなこと言ったって……! あっ! そうそう! 私今日遅れたから! だから私が払うよ!」
「正確には……ちょうどピッタリだ……った……」
「でもっ! 根暗くんは待ったよね?」
「い、いや……来たばかりでした……」
「でも少しは待ったでしょ!」
と、こんな風にどちらも折れない戦いをしていると、目立ってしょうがない。目立ちたくなかった僕は、無理矢理にでもお会計を済まして店を出る事に。
「本当ごめん……根明さん……」
「あっ……ちょっ……」
急いでお会計を済まして、店を出ることに成功した。彼女も僕に続いて出て来る。目的は果たしたし、お開きかな? なんて思う僕に彼女は提案する。
「もう! なんで置いてくのさ! ひどいよ! もう怒った!」
「その……すみませんでした……根明さん……」
「…………」
どうしたのだろうか。急に反応しなくなった。と言うよりも。あえて無視してる感が出ている。腕を組みながら、顔を逸らす彼女。時折左目でこちらを見ているのがわかる。
これはもしかしてあれなのか? 凄い嫌なんだけど……
だけど、このままではよく無いと思い僕は彼女に言う。
「本当にすみません……その……は、陽華……さん……」
「…………っえ!? 今なんて言ったの……?」
「……っえ!? これを待ってたのかと……」
「………………」
彼女は顔を赤くして、黙り込んだ。でもおかしいな。ラノベとかのヒロインはこう言うのを待ってるんじゃ無いのか? それを三次元でやる人は見たことないけど……僕が1人悩んでいると彼女は言う。
「あのね……根暗くん……私はね? もう一ヶ所くらいどこか連れてってくれないかなって思って誘ってくれるのを待っていたの……まあ、そんなに名前で呼びたいなら、呼んでもいいけどね……」
「……な、名前呼ばれるの……待ってたとかじゃ……ないの?」
「うん……まあ、これからも呼んでいいからね?」
「……根明さん。……ひどいです」
「名前呼んでよー!!!」
こうしてその日は、お互い変に意識してしまうことになり解散となった。
おまけ
~愛理side~
私は、今人生で初めての【尾行】をしている。と言うのも、幼馴染の陰キャセンパイこと、根暗陰雄をだ。何でも今日同じ大学の女性と、スイーツ専門店に食べに行くらしい。私が言ったこととは言え、本当に誘うとは思わなかった為びっくりした。
まあ、センパイはあの件から人を好きになることが出来なくなってしまったんだけどね……孤独が嫌いなセンパイが孤独を選ぶ理由。そんなの思い出したくも無い過去だ。
まあ、そんな話は置いといて……
駅で女性を待つセンパイ。女性の顔を見てからじゃないと帰れない……
すると、1人の女性が走ってセンパイに近づいてきていた。それと同時に、市民の安全を守る正義のヒーローが私に近づいてきていた。
「すみませーん。ちょっとお姉さんそんな格好で何してんの?」
「しーっ! 今いいところなんだから!」
「あのー、我々は通報があって来たので、職務質問いいですかね?」
「だから、うるさ……っえ? 通報? 職務質問?」
恐る恐るその声の方を向くと、千葉県警と書かれた服を着た警察官が立っていた。何でっ!? て思ったが、それは一目瞭然だった。私の今日の格好は、茶色のロングコート、サングラス、帽子にマスクだった。
諦めてしっかり職務質問に協力して、迷惑かけた事に謝って解放された。振り返った頃には、センパイたちはもう居なかった。
「もう! 本当にセンパイのばかーー!!!」
と彼女は、ショートケーキを頬張りながら言う。それを見て女の子って凄いなと僕は思う。彼女は今ショートケーキ、カヌレ、チーズケーキ、ミルフィーユetc.僕より沢山のメニューを完食していた。愛理の言う通り、女子はスイーツが好きなんだな。なんて思っている僕に向けて彼女は問う。
「根暗くんこんな美味しいお店よく知ってたね? さては、スイーツ大好きなんですかな?」
「い、いや……こ、ここはその……幼馴染に教えてもらった……だけで……」
「……幼馴染か。……そっか」
正直僕はスイーツはあまり好きではない。でも、嘘をつく訳にもいかないだろう。そう思い僕は愛理に教えて貰ったことを正直に言った。だが、それを聞いた彼女の顔は少しだけ寂しそうに見えた。
「……ど、どうしたんで……あ、ど……どうしたの?」
「ううん! 何でもない! それより幼馴染ってどんな子なの?」
「……あいつは……その、凄いめんどくさい奴です……すぐ人を馬鹿にするし、嘘をつくんです。けど……あいつは、本当は優しいんですよ……あいつのお陰で今の僕があるんですよね……まぁ、ウザいってのが1番ですけどね。感謝はしています」
「そう……なんだ……」
「……根明さん!?」
愛理の話を終えると、彼女は泣いていた。何かひどい事をしたのだろうか。僕はどうすることもできなくなっていた。すると彼女は涙を拭き、ニコッと笑いながら言う。
「大丈夫、大丈夫……! ちょっと優しい子だなって思って……それより根暗くんはその子が好きなの?」
「……それはありえないです。あいつがって訳じゃなくて、恋をすること自体今後無いと思います……」
「それってどう言う……」
「まあ、僕のこんな話ばかりじゃあれですし、そろそろ出ましょうか」
「……うん」
僕は、彼女の言葉を遮るように提案する。詮索されたくは無いからね。こんなところで話す内容じゃ無いし……
少し不満そうな彼女を他所に、伝票を手に取りレジの方へと向かい歩き出そうとした。しかし彼女は、僕の袖口を掴み引き止める。
「待って! 私がここは払うよ!」
えぇー。そう来るかね普通? なんかもっと僕の思う悪い感じの陽キャでいてよ。もっとさ、僕は陽キャって陰キャに奢らせるじゃん! 何でこんな事するのさ!
なんて事を心の中で呟いてから僕は言う。
「……い、いや、ぼ、僕が誘ったし、それに、あの時のお詫びって事で来てる……から……」
「そんなこと言ったって……! あっ! そうそう! 私今日遅れたから! だから私が払うよ!」
「正確には……ちょうどピッタリだ……った……」
「でもっ! 根暗くんは待ったよね?」
「い、いや……来たばかりでした……」
「でも少しは待ったでしょ!」
と、こんな風にどちらも折れない戦いをしていると、目立ってしょうがない。目立ちたくなかった僕は、無理矢理にでもお会計を済まして店を出る事に。
「本当ごめん……根明さん……」
「あっ……ちょっ……」
急いでお会計を済まして、店を出ることに成功した。彼女も僕に続いて出て来る。目的は果たしたし、お開きかな? なんて思う僕に彼女は提案する。
「もう! なんで置いてくのさ! ひどいよ! もう怒った!」
「その……すみませんでした……根明さん……」
「…………」
どうしたのだろうか。急に反応しなくなった。と言うよりも。あえて無視してる感が出ている。腕を組みながら、顔を逸らす彼女。時折左目でこちらを見ているのがわかる。
これはもしかしてあれなのか? 凄い嫌なんだけど……
だけど、このままではよく無いと思い僕は彼女に言う。
「本当にすみません……その……は、陽華……さん……」
「…………っえ!? 今なんて言ったの……?」
「……っえ!? これを待ってたのかと……」
「………………」
彼女は顔を赤くして、黙り込んだ。でもおかしいな。ラノベとかのヒロインはこう言うのを待ってるんじゃ無いのか? それを三次元でやる人は見たことないけど……僕が1人悩んでいると彼女は言う。
「あのね……根暗くん……私はね? もう一ヶ所くらいどこか連れてってくれないかなって思って誘ってくれるのを待っていたの……まあ、そんなに名前で呼びたいなら、呼んでもいいけどね……」
「……な、名前呼ばれるの……待ってたとかじゃ……ないの?」
「うん……まあ、これからも呼んでいいからね?」
「……根明さん。……ひどいです」
「名前呼んでよー!!!」
こうしてその日は、お互い変に意識してしまうことになり解散となった。
おまけ
~愛理side~
私は、今人生で初めての【尾行】をしている。と言うのも、幼馴染の陰キャセンパイこと、根暗陰雄をだ。何でも今日同じ大学の女性と、スイーツ専門店に食べに行くらしい。私が言ったこととは言え、本当に誘うとは思わなかった為びっくりした。
まあ、センパイはあの件から人を好きになることが出来なくなってしまったんだけどね……孤独が嫌いなセンパイが孤独を選ぶ理由。そんなの思い出したくも無い過去だ。
まあ、そんな話は置いといて……
駅で女性を待つセンパイ。女性の顔を見てからじゃないと帰れない……
すると、1人の女性が走ってセンパイに近づいてきていた。それと同時に、市民の安全を守る正義のヒーローが私に近づいてきていた。
「すみませーん。ちょっとお姉さんそんな格好で何してんの?」
「しーっ! 今いいところなんだから!」
「あのー、我々は通報があって来たので、職務質問いいですかね?」
「だから、うるさ……っえ? 通報? 職務質問?」
恐る恐るその声の方を向くと、千葉県警と書かれた服を着た警察官が立っていた。何でっ!? て思ったが、それは一目瞭然だった。私の今日の格好は、茶色のロングコート、サングラス、帽子にマスクだった。
諦めてしっかり職務質問に協力して、迷惑かけた事に謝って解放された。振り返った頃には、センパイたちはもう居なかった。
「もう! 本当にセンパイのばかーー!!!」
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