お酒の力を借りまして~隠れイケメン陰キャの俺がお酒の力を借り、大学一の美人な酒豪彼女が出来ました~

小鳥遊

文字の大きさ
上 下
1 / 31
0章瓶

?杯目 プロローグ

しおりを挟む
 俺は今、行きつけのバーに来ている。そのカウンター席にてお酒を片手に、物思いに耽っていた。ガタイの良いガッチリとした体に、モジャッとした頭。オネエのような口調で喋る特徴があるマスター。そんなマスターに俺は言う。

「なぁ、マスター。やっぱり俺は根明ねあかさんのことが好きだ」
「陰雄ちゃん……飲み過ぎなんじゃないの?」
「いいのー! 決めた! 次、根明さんに会ったら告白する!」
「あら。それはいいわね」
 
 俺がそう言うと、マスターはそれを肯定する。そんな時に、お店のドアが開く音がした。開く扉の先から、1人の若い女性が入店する。マスターは、空いている俺の隣のカウンター席に案内をした。横目でチラッとその女性を見た俺は、あまりもの偶然に驚く。何故って? そこに座ったのは、先程マスターとの話題に出た、根明さん本人だったからだ。

「マスター! 好きな子誘ったのに断られちゃったよ……」
「あら~。そうだったの。そう言う時こそ飲みなさい! 何にする?」
「そうだよね! じゃあ、まずはカシオレにしようかな!」
「カシオレね~!」

 彼女とマスターの会話を聞いた俺は、酒に酔っていて気が大きくなっている所為なのか好きな人が自分であると信じて、告白をしようと覚悟を決めた。
 次会った時、告白をするなんてマスターに言った俺は、大きく深呼吸をして………………

「ね、根明 陽華ねあか はるかさん! す、好きでした! お、俺と付き合ってください……!」

……言ってしまった。1年間想いを募らせていた相手についに告白をしたのだ。

 付き合ったらどこに行こう。何をしよう。等返事も聞いていないのにまるでOKをもらえたかの様に、付き合った先の想像をしている。
 と言うのも、1年間で友達以上の仲になったっていうのを、自負しているからだろうか。

 だが、そんな思いも俺の勘違いだったみたいで。次の瞬間彼女は俺の心に最大級の一撃を喰らわせてきた。

「…………ごめんなさい。私今好きな人がいるので……それに貴方誰ですか…………?」
「……えっ?」
 
 こうして俺、根暗 陰雄ねくら かげおの初恋は終わったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~ その後

菱沼あゆ
恋愛
その後のみんなの日記です。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

好きな人の好きな人

ぽぽ
恋愛
"私には10年以上思い続ける初恋相手がいる。" 初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。 恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。 そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。

処理中です...