7 / 42
怒りで我をわすれてやっちまった!
しおりを挟む
ガシャンと周囲の家具を巻き込みながらスキンヘッドが壁に激突した。
「な、なにを!?」
「うるせぇ黙れ!」
脳の神経回路が壊れて、俺は脊髄反射で倒れたスキンヘッドに飛び掛かり馬乗りになる。
拳を振り上げると、今まで抑え込んでいた雷の魔力が拳からバチバチと放電した。
制御できずに荒れ狂った雷の魔力が、執務室の壁や床を焦がしつける。
「お、おい! やめろッ、そんなの喰らったら大怪我するだろ!」
「うるせぇ、先に喧嘩を売ったのはテメエの方だろ」
スキンヘッドの胸倉を掴む。
「オルラァァ! よくも俺の子を侮辱してくれたな万死に値する!」
躊躇なくスキンヘッドの顔面へ拳を振り下ろした。
「ぐへっ!?」
「俺の息子が生まれてこなければよかっただあ!?」
ドスン!
さらにもう一発振り下ろす。
「ハイネが駄目なら、なんでテメエみてえなクズが生きてんだよ。それじゃ話の道理が通らんだろうが!」
「ぐへっ!? やめ……本当に死ぬ……」
「それでもなにか? 貴様は木の股からでも生まれてきたんかおおん? なら殺しても殺人にはならねえよな!?」
「グヒッ、グヒッ!?」
バゴン、バゴンと骨を砕くような音が鳴り、その度に汚い悲鳴があがる。
殴る度に、頭にの中にかかった霧のようなものが晴れてストレスが解消されていく。
ああ、気持ちいいぃぃぃぃぃ!
やっぱりストレスを抱え込むのは良くないな。うん。
ちょうど良く手頃なサンドバックが転がっているし、ご厚意に甘えて、ついでに思う存分すべてをぶつけさせてもらおう。
「そもそもやってられるかクソがぁぁぁぁぁ! ゲームに転生とか聞いてねえんだよ!」
「なっ、なんのことだグヘっ」
「悪役なんぞ知ったことかっ、俺なにも悪いことしてないだろ。なんで世界が滅びそうになってんだよ!」
「ぐへっ、だから何の話をしてる。お、おれをこんな扱いしてディズモン伯爵が黙ってるとだわ!?」
ハゲがなんか喋ろうとしていたので、面倒なことを言われる前にさらに強烈なパンチをお見舞いして黙らせる。
「良いかチンピラぁ、よく聞きやがれ。俺が子供を馬鹿息子と呼ぶのはいい。だが、何も知らねえテメエ風情がそれを口にするな。分かったかツルッパゲ!」
スキンヘッドの頭を叩くと、パチンという快音が響く。
「は、はいぃぃぃ」
穴という穴から血を垂れ流しながらスキンヘッドがそういって頷く。
ふう~スッキリしたぜ。
やはり我慢は体に悪いな!
一仕事終えて、手に付着した汚い血をハンカチで綺麗にしていると
「ル、ルドルフ様! なんてことを!?」
騒ぎを聞きつけた執事のジェフが執務室に飛び込んできて、惨状を見て叫び声をあげる。
その声に冷静さを取り戻した俺は、室内に飛び散った血と、雷撃で焦げ付いてる執務室と、気絶しているディズモン伯爵の使者を見て、全身からサーと血の気が引く感覚に陥る。
「しまったぁぁぁ! やっちまった。また俺のせいでシナリオがぁぁぁ!」
◇
やってしまった。
怒りで我を忘れて大切に扱う使者をタコ殴りにしてしまった。
あの後、スキンヘッドは気を失い、治療のために急遽病院へと送り届けた。
一応、手遅れかもしれないがディズモン伯爵には非礼の詫びの品と手紙を合わせて送っておいたし、だ、大丈夫だよな?
ちょと小突いた程度だし、問題はなかった!
そういうことにしておこう!
というか、スキンヘッドからまだ本題すら聞いてないのに、どうしてこうなった?
くそっ、あれだけシナリオから逸脱しないと心に誓った直後に、感情が抑えきれずに相手を殴り飛ばしてしまった!
ああ、なんて情けない、ルドルフ・ヴァリアンツよ。
前世と合わせれば俺もう79歳だぞ!?
いい加減落ち着かないでどうする。
冗談ではなく本当に世界を滅亡の危機に追いやってしまった。シナリオの軌道修正を望んでいるのに、なぜ俺はバッドエンドへの道のりを爆速で駆け抜けているのだろうか?
もう自分でも自分が分からなくなっている。
イライラして頭を乱暴にくしゃくしゃすると、金色の髪がパラパラと舞い落ちる。これは非常によくない。このままでは、俺もストレスでスキンヘッド野郎になっちまう。
し、しかし、まだ望みは潰えていない。結局のところ、ハイネが勇者として覚醒すれば幾らでも修正は効くはずだ。
ゲームの魔人が一番厄介な点は、攻撃ダメージを大幅にカットする理不尽なスキル『罪の羽衣』にある。
魔人は全部で七人いるが、全員がこのスキルを持ち、ダメージ軽減率80%というイカれた仕様になっている。
『罪の羽衣』のおかげで魔人は攻撃に対する耐性が異常なまでに高く、普通に戦えば敗北は必至。
対抗できるのは勇者と聖女が獲得するスキル『聖なる祝福』のみだ。このスキルは魔人への特攻効果がある。その威力は実に120%のダメージ上乗せ。つまり、魔人の耐性を貫通して攻撃が可能という訳だ。
聖女は基本サポート系の能力が多く、火力は勇者が担当する。
魔剣士学園で仲間になる同級生達も、対人、対魔獣なら活躍するが、魔人戦になれば勇者をサポートする役割に徹する。
勇者の存在なしで魔人に勝てないと言うのは、こういった理由がある。
だからこそ、どんな手を使ってでも、ハイネを魔剣士学園に送り、勇者に覚醒させる。
しかし、本当に出来るか不安だ。
最大の問題はハイネの俺に対するあの忠誠心の高さだ。
どういう経緯であそこまでの忠誠心を持つにいたったかを思い出して、俺はまた頭が痛くなるのだった。
「な、なにを!?」
「うるせぇ黙れ!」
脳の神経回路が壊れて、俺は脊髄反射で倒れたスキンヘッドに飛び掛かり馬乗りになる。
拳を振り上げると、今まで抑え込んでいた雷の魔力が拳からバチバチと放電した。
制御できずに荒れ狂った雷の魔力が、執務室の壁や床を焦がしつける。
「お、おい! やめろッ、そんなの喰らったら大怪我するだろ!」
「うるせぇ、先に喧嘩を売ったのはテメエの方だろ」
スキンヘッドの胸倉を掴む。
「オルラァァ! よくも俺の子を侮辱してくれたな万死に値する!」
躊躇なくスキンヘッドの顔面へ拳を振り下ろした。
「ぐへっ!?」
「俺の息子が生まれてこなければよかっただあ!?」
ドスン!
さらにもう一発振り下ろす。
「ハイネが駄目なら、なんでテメエみてえなクズが生きてんだよ。それじゃ話の道理が通らんだろうが!」
「ぐへっ!? やめ……本当に死ぬ……」
「それでもなにか? 貴様は木の股からでも生まれてきたんかおおん? なら殺しても殺人にはならねえよな!?」
「グヒッ、グヒッ!?」
バゴン、バゴンと骨を砕くような音が鳴り、その度に汚い悲鳴があがる。
殴る度に、頭にの中にかかった霧のようなものが晴れてストレスが解消されていく。
ああ、気持ちいいぃぃぃぃぃ!
やっぱりストレスを抱え込むのは良くないな。うん。
ちょうど良く手頃なサンドバックが転がっているし、ご厚意に甘えて、ついでに思う存分すべてをぶつけさせてもらおう。
「そもそもやってられるかクソがぁぁぁぁぁ! ゲームに転生とか聞いてねえんだよ!」
「なっ、なんのことだグヘっ」
「悪役なんぞ知ったことかっ、俺なにも悪いことしてないだろ。なんで世界が滅びそうになってんだよ!」
「ぐへっ、だから何の話をしてる。お、おれをこんな扱いしてディズモン伯爵が黙ってるとだわ!?」
ハゲがなんか喋ろうとしていたので、面倒なことを言われる前にさらに強烈なパンチをお見舞いして黙らせる。
「良いかチンピラぁ、よく聞きやがれ。俺が子供を馬鹿息子と呼ぶのはいい。だが、何も知らねえテメエ風情がそれを口にするな。分かったかツルッパゲ!」
スキンヘッドの頭を叩くと、パチンという快音が響く。
「は、はいぃぃぃ」
穴という穴から血を垂れ流しながらスキンヘッドがそういって頷く。
ふう~スッキリしたぜ。
やはり我慢は体に悪いな!
一仕事終えて、手に付着した汚い血をハンカチで綺麗にしていると
「ル、ルドルフ様! なんてことを!?」
騒ぎを聞きつけた執事のジェフが執務室に飛び込んできて、惨状を見て叫び声をあげる。
その声に冷静さを取り戻した俺は、室内に飛び散った血と、雷撃で焦げ付いてる執務室と、気絶しているディズモン伯爵の使者を見て、全身からサーと血の気が引く感覚に陥る。
「しまったぁぁぁ! やっちまった。また俺のせいでシナリオがぁぁぁ!」
◇
やってしまった。
怒りで我を忘れて大切に扱う使者をタコ殴りにしてしまった。
あの後、スキンヘッドは気を失い、治療のために急遽病院へと送り届けた。
一応、手遅れかもしれないがディズモン伯爵には非礼の詫びの品と手紙を合わせて送っておいたし、だ、大丈夫だよな?
ちょと小突いた程度だし、問題はなかった!
そういうことにしておこう!
というか、スキンヘッドからまだ本題すら聞いてないのに、どうしてこうなった?
くそっ、あれだけシナリオから逸脱しないと心に誓った直後に、感情が抑えきれずに相手を殴り飛ばしてしまった!
ああ、なんて情けない、ルドルフ・ヴァリアンツよ。
前世と合わせれば俺もう79歳だぞ!?
いい加減落ち着かないでどうする。
冗談ではなく本当に世界を滅亡の危機に追いやってしまった。シナリオの軌道修正を望んでいるのに、なぜ俺はバッドエンドへの道のりを爆速で駆け抜けているのだろうか?
もう自分でも自分が分からなくなっている。
イライラして頭を乱暴にくしゃくしゃすると、金色の髪がパラパラと舞い落ちる。これは非常によくない。このままでは、俺もストレスでスキンヘッド野郎になっちまう。
し、しかし、まだ望みは潰えていない。結局のところ、ハイネが勇者として覚醒すれば幾らでも修正は効くはずだ。
ゲームの魔人が一番厄介な点は、攻撃ダメージを大幅にカットする理不尽なスキル『罪の羽衣』にある。
魔人は全部で七人いるが、全員がこのスキルを持ち、ダメージ軽減率80%というイカれた仕様になっている。
『罪の羽衣』のおかげで魔人は攻撃に対する耐性が異常なまでに高く、普通に戦えば敗北は必至。
対抗できるのは勇者と聖女が獲得するスキル『聖なる祝福』のみだ。このスキルは魔人への特攻効果がある。その威力は実に120%のダメージ上乗せ。つまり、魔人の耐性を貫通して攻撃が可能という訳だ。
聖女は基本サポート系の能力が多く、火力は勇者が担当する。
魔剣士学園で仲間になる同級生達も、対人、対魔獣なら活躍するが、魔人戦になれば勇者をサポートする役割に徹する。
勇者の存在なしで魔人に勝てないと言うのは、こういった理由がある。
だからこそ、どんな手を使ってでも、ハイネを魔剣士学園に送り、勇者に覚醒させる。
しかし、本当に出来るか不安だ。
最大の問題はハイネの俺に対するあの忠誠心の高さだ。
どういう経緯であそこまでの忠誠心を持つにいたったかを思い出して、俺はまた頭が痛くなるのだった。
80
お気に入りに追加
280
あなたにおすすめの小説
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる