7 / 26
リップサービス【近下視点】
恋人とクリスマスイブ
しおりを挟むこんなちぐはぐな恋人関係の俺たちだが、クリスマスイブの約束の日がやってきた。
今日も高垣と二人っきりで過ごしたい人はたくさんいるんだろうけど、高垣は俺なんかと二人で過ごすと決めてくれた。
そんなネガティブな思考は一度捨てて、せっかくの高垣とのクリスマスイブを目一杯楽しむことに気持ちを切り替えた。
けど二人ともケーキは興味ないし、お洒落なカフェに入るキャラでもないから、いつも行くファミレスに行って、その後はおもちゃ屋に行って昔遊んだゲームの話や最新のおもちゃの数々に二人で興奮して盛り上がった。
ショッピングモールで巨大なツリーのオブジェを見つけた。
二人ともキレイなツリーに見とれていた。
(この幻想的な世界は自分とは無縁だったし、孤独を強めてきた忌まわしいものだったけど……好きな人と一緒に見るとこんなに感動して、こんな切ない気持ちになるんだな)
ふと高垣の様子を伺うと高垣が幸せそうな表情を浮かべていた。
俺は「今日一緒に過ごせてよかったなぁ」って笑顔になった。
(来年も一緒にいたいな……高垣が許してくれるまで、長く長く一緒にいたい。)
帰り際、お互いに用意していたプレゼントを交換した。
俺は高垣に靴下をプレゼントした。
自分はあんまりセンスが良くないから見えない所のものを渡した。
そして高垣からのプレゼントを開封すると帽子が入っていた。
「え!こういうの高いだろ?!」
「俺は安くてお洒落な店たくさん知ってんだ!」
「今度俺にも教えろよ。」
「うん、一緒に行こう!」
俺はいそいそとプレゼントの帽子を被ってみた。
そしたら高垣が仕上げに帽子の位置と髪を整えてくれた。
「どう?」
「めっちゃ似合うよ。」
「擦り切れるまで被る。」
「擦り切れる前に新しいのプレゼントするよ。」
クリスマスだからか、高垣の表情がいつもより甘く優しい印象に見えた。
(いつもはニカッて笑うんだけど、今日はなんかいつもと違う)
今日のデートは何だかお互い別れ難くて、解散するまでが長引いた。
それくらいお互い楽しかったのかも。
(ちょっとは高垣と同じ気持ちになれたかな……)
次、高垣と会えるのは1月2日だ。
元旦は友達と初詣に行く先約があると聞いた。
毎年恒例行事らしい。
そして翌日1月2日は高垣の誕生日だ。
その日は俺と過ごしてくれる約束だ。
俺は高垣が好きな料理の店もばっちりリサーチしたし、高垣がテンション上がりそうなスポットも見つけた。
そしてそしてプレゼントもロマンチックに渡すんだ!!
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
最後の君へ
海花
BL
目的を失い全てにイラつく高校3年の夏、直斗の元に現れた教育実習生の紡木澪。
最悪の出会いに反抗する直斗。
しかし強引に関わられる中、少しづつ惹かれていく。
やがて実習期間も終わり、澪の家に通う程慕い始める。
そんな中突然姿を消した澪を、家の前で待ち続ける……。
澪の誕生日のクリスマスイブは一緒に過ごそう…って約束したのに……。
泣き虫な俺と泣かせたいお前
ことわ子
BL
大学生の八次直生(やつぎすなお)と伊場凛乃介(いばりんのすけ)は幼馴染で腐れ縁。
アパートも隣同士で同じ大学に通っている。
直生にはある秘密があり、嫌々ながらも凛乃介を頼る日々を送っていた。
そんなある日、直生は凛乃介のある現場に遭遇する。

前世から俺の事好きだという犬系イケメンに迫られた結果
はかまる
BL
突然好きですと告白してきた年下の美形の後輩。話を聞くと前世から好きだったと話され「????」状態の平凡男子高校生がなんだかんだと丸め込まれていく話。

攻められない攻めと、受けたい受けの話
雨宮里玖
BL
恋人になったばかりの高月とのデート中に、高月の高校時代の友人である唯香に遭遇する。唯香は遠慮なく二人のデートを邪魔して高月にやたらと甘えるので、宮咲はヤキモキして——。
高月(19)大学一年生。宮咲の恋人。
宮咲(18)大学一年生。高月の恋人。
唯香(19)高月の友人。性格悪。
智江(18)高月、唯香の友人。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
推し変なんて絶対しない!
toki
BL
ごくごく平凡な男子高校生、相沢時雨には“推し”がいる。
それは、超人気男性アイドルユニット『CiEL(シエル)』の「太陽くん」である。
太陽くん単推しガチ恋勢の時雨に、しつこく「俺を推せ!」と言ってつきまとい続けるのは、幼馴染で太陽くんの相方でもある美月(みづき)だった。
➤➤➤
読み切り短編、アイドルものです! 地味に高校生BLを初めて書きました。
推しへの愛情と恋愛感情の境界線がまだちょっとあやふやな発展途上の17歳。そんな感じのお話。
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!(https://www.pixiv.net/artworks/97035517)

夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト
春音優月
BL
真面目でおとなしい性格の藤村歩夢は、武士と呼ばれているクラスメイトの大谷虎太郎に密かに片想いしている。
クラスではほとんど会話も交わさないのに、なぜか毎晩歩夢の夢に出てくる虎太郎。しかも夢の中での虎太郎は、歩夢を守る騎士で恋人だった。
夢では溺愛騎士、現実ではただのクラスメイト。夢と現実が交錯する片想いの行方は――。
2024.02.23〜02.27
イラスト:かもねさま
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる