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第3話 お試し期間・イルミネーション
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咲と色々歩いているうちに、辺りは暗くなり始めた。
もうこんな時間か。
そろそろ帰って、明日また恋人ゴッコをしよう…
と、思っていた。
咲
「あの、最後に行きたい場所があるんですが…」
と、言われ、行ったのは、モニュメントをライトアップしたイルミネーションのある公園だった。
咲
「ここ、たくさん恋人が集まる場所なんです…
綺麗で、雰囲気も好きなんですが…」
オレ
「綺麗な場所だよな。ココ。
確かに恋人できたら一緒に来たくなる気持ちもわかるかも(笑)」
オレと咲はしばらくイルミネーションを眺めていた。
最近は忙しくて、恋愛にとんと億劫になっていたが、こうやって綺麗な景色を見るっていうのもいいな。
いい店を押さえたり、二人で遊べる場所をリサーチしたり、チケットを取ったり、と、いう事を常にしなければならない、と考えていたオレ。
だから恋愛が面倒になってしまった。
でも、些細な、本当に何気ない物でも気持ちの疎通はできる。
気持ちが通ってないのに場所やイベントで振り向かせたい、という下心が、
相手に見え見えだったのかもしれないな。
咲
「私…こうやって…好きな人と…
同じ景色を…観てみたかったんです。」
オレ
「わかるよ、それ。
綺麗なモノを見て、同じように綺麗って思えたら、なんか気持ちが通うような気がするしな(笑)」
咲
「すみません…
アキラさんは、本当はもっと、綺麗な人と一緒に観たかったですよね…」
オレ
「…咲さん。
あんまりこういう時に卑屈にならない方がいいよ。
男って、あんまり相手に卑屈になられても対応に困るから。」
コンプレックスやトラウマがあると、どうしても相手に負い目・引け目を感じてしまう。
それがますます自分を縁遠くする。
相手が自信たっぷり過ぎてもウンザリするが、咲の気持ちも理解できる。
咲
「あ、ありがとうございます…
…なんだか…恋愛の仮免講習ですね(笑)」
オレ
「恋愛の仮免講習、か。上手い事言うな(笑)
でもそんな講習ができるほど、自分も経験豊富じゃないよ。
思ってる事言ってるだけだから。」
咲にようやく笑顔が出て来た。
多分、ちょっと慣れてきたのだろう。
咲
「あの…また…明日も会って頂けますか?」
オレ
「うん。いいよ。
まだ1日目だしね(笑)」
咲
「良かったです(^ ^)
もしかしたら1日目でお試し終わったら…
なんか…嫌だったから…」
恥ずかしそうに俯く咲。
もしかして、オレに好意を持っているのだろうか?
それとも、単に3日という約束だからか?
まぁ、もうちょっと様子を見よう。
夜だから彼女の家の側まで送って行く事にした。
彼女は嬉しそうに、去り際手を振っていた。
続く
もうこんな時間か。
そろそろ帰って、明日また恋人ゴッコをしよう…
と、思っていた。
咲
「あの、最後に行きたい場所があるんですが…」
と、言われ、行ったのは、モニュメントをライトアップしたイルミネーションのある公園だった。
咲
「ここ、たくさん恋人が集まる場所なんです…
綺麗で、雰囲気も好きなんですが…」
オレ
「綺麗な場所だよな。ココ。
確かに恋人できたら一緒に来たくなる気持ちもわかるかも(笑)」
オレと咲はしばらくイルミネーションを眺めていた。
最近は忙しくて、恋愛にとんと億劫になっていたが、こうやって綺麗な景色を見るっていうのもいいな。
いい店を押さえたり、二人で遊べる場所をリサーチしたり、チケットを取ったり、と、いう事を常にしなければならない、と考えていたオレ。
だから恋愛が面倒になってしまった。
でも、些細な、本当に何気ない物でも気持ちの疎通はできる。
気持ちが通ってないのに場所やイベントで振り向かせたい、という下心が、
相手に見え見えだったのかもしれないな。
咲
「私…こうやって…好きな人と…
同じ景色を…観てみたかったんです。」
オレ
「わかるよ、それ。
綺麗なモノを見て、同じように綺麗って思えたら、なんか気持ちが通うような気がするしな(笑)」
咲
「すみません…
アキラさんは、本当はもっと、綺麗な人と一緒に観たかったですよね…」
オレ
「…咲さん。
あんまりこういう時に卑屈にならない方がいいよ。
男って、あんまり相手に卑屈になられても対応に困るから。」
コンプレックスやトラウマがあると、どうしても相手に負い目・引け目を感じてしまう。
それがますます自分を縁遠くする。
相手が自信たっぷり過ぎてもウンザリするが、咲の気持ちも理解できる。
咲
「あ、ありがとうございます…
…なんだか…恋愛の仮免講習ですね(笑)」
オレ
「恋愛の仮免講習、か。上手い事言うな(笑)
でもそんな講習ができるほど、自分も経験豊富じゃないよ。
思ってる事言ってるだけだから。」
咲にようやく笑顔が出て来た。
多分、ちょっと慣れてきたのだろう。
咲
「あの…また…明日も会って頂けますか?」
オレ
「うん。いいよ。
まだ1日目だしね(笑)」
咲
「良かったです(^ ^)
もしかしたら1日目でお試し終わったら…
なんか…嫌だったから…」
恥ずかしそうに俯く咲。
もしかして、オレに好意を持っているのだろうか?
それとも、単に3日という約束だからか?
まぁ、もうちょっと様子を見よう。
夜だから彼女の家の側まで送って行く事にした。
彼女は嬉しそうに、去り際手を振っていた。
続く
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