3 / 24
ナール騎士と子爵令嬢
しおりを挟む
◇
朝早くからラファの仕事である掃除をしていると、暫くしてから子爵が姿を現した。ということは午前八時ころなのだろうと時計を見た。
「ラファ、お前に告げることがある」
「はい、なんでしょうか?」
また何か仕事を言いつけられるんだろうなという感覚しかなかった。妹は家事などしたことが無い、子爵夫人が絶対にそんなことはさせないし、本人もやるつもりが一切ないから。
「昼に馬車がやって来る、お前はブルボナ伯爵のところに送り婚約させることにした、準備しておけ」
「え? え! 私がですか!」
さすがのラファも突然午後から嫁げと言われて焦ってしまう。そもそもブルボナ伯爵など聞いたこともない。聞いたことがあったとしても、いくらなんでもあんまりな所業。
「二度も言わせるなよ。そうだな、恐らくは十日もあればつくだろう」
そう言い放つと子爵は食堂へと行ってしまう。手にしたほうきを握りしめて「婚約って……」表情を雲らせる。部屋に戻って――といっても屋根裏の薄暗い汚い場所だが――鞄に着替えを詰め込んだ。どれもこれもボロボロで継ぎはぎがあって、ヨレヨレの服ばかり。
「どうして私なのかしら。伯爵家ならリーナが喜んで嫁ぐと思うけど?」
家格が上の伯爵家に、それも伯爵との婚約など望むべくもない。変だなと思っているうちに、あっという間に午後になってしまう。年老いた侍女が「馬車が来たよ、さっさと来な」主人であるはずの子爵令嬢に対して、何一つ敬意を含まない物言いをする。
屋敷を出るとそこには、幌すらない荷馬車が停まっている。御者台は一人乗りで中年の男が座っていた。唖然としていると子爵がやって来た。
「ラファ、ブルボナ伯爵に確りと尽くせよ。お前が良くしてもらえば、我が家に利益がある。貴族の娘であることをよく考えるんだ」
「あの、はい子爵さま」
余計な質問は激怒されるだけで何も良いことはない、長年の付き合いでラファは良くわかっていた。子爵夫人も妹も、屋敷に居るはずなのに見送りすらしない。
「ブルボナ伯爵の屋敷は、コーラル市に構えられている。路銀くらいはくれてやる、さっさと行け」
ジャラっと握りこぶし位の小さな巾着を投げ捨てて来た。それを黙って拾うと一礼して馬車に乗り込む。といっても荷台に乗っかっただけで、乗り心地も何もない。
「いいか、んじゃ出るぞ」
荷馬車の御者は挨拶をするでもなく、さっさと動き始めた。なぜならば、子爵に労役を課せられただけで何の利益も無いのでこうもなった。そんなことを知る由もなく「よろしくお願いします」ラファは頭を下げる。それも無視して馬車は子爵領を直ぐに抜けてしまう。
陽が落ちるあたりで小さな集落につくとそこで馬車が停まった。宿屋の前でも、食堂の脇でもなく、郊外の平地で。どうしたのかなと御者を見詰める。
「俺が言われてたのはここまでだ、さっさと降りな」
「ここは?」
「ルマチ村だ。ここから東にずっと行けば、三日で帝国を出ることが出来る。その先は知らん」
言われるがまま荷台から降りると、馬車は来た道を戻っていくではないか。歩きで向かえ、つまりはそういうことらしい。
「コーラル市を目指せば良いんですよね。場所を聞いてみないと」
恨み言一つ出さずに、自分がやるべきことをやろうとする。村人を探して尋ねてみても、誰もコーラル市を知らなかった、近くにはないらしいことだけが解る。
「東に行けば帝国を出ることが出来るって言ってましたね。外国に行けってことかしら?」
なるほど国外の街なら知らなくてもおかしくはない。この先本当に十日で到着するかはまったくわからない。初めてここで路銀を確かめてみる、巾着を開けてみるとなんとそこには銅貨しか入っていなかった。これでは数日の食費にすらなるかどうか。
夜中に動くことは出来ないので、家々があるあたりまで来ると、木の下に転がった。着替えが入った鞄を枕代わりにして野宿することを何の迷いも無しに選ぶ。彼女が子爵令嬢なのは事実だが、ラファはそんなことはとうの昔に心の奥底にしまいこんでしまっていた。
御者が言っていた通りに三日でサルディニア帝国を出ることが出来た。出る分には通行税がかからず一安心する。街道があったのでそれをアテもなく歩き続ける。道の脇に生えている草や木の実を収穫して腹の足しにしながら。というのも、旅人の腹を幾ばくかでも満たせるように、街道にはそういった植物が植えられているのだ。なお、不味くて少しでも余裕があるならば、誰も口にしない。
どこかの村にやって来て、ここでも「コーラル市をご存知ですか?」出会う人に次々と尋ねていく、するとついに知っている者が現れた。
「ああ、そこならこの街道沿いにそうだな、五日も行けばつくよ」
「ありがとうございます」
丁寧に礼をすると、ラファは空を見上げる。雨が降ると移動できなくなるから、出来ればずっと晴れのままで居て欲しいなどと思いながら歩く。誰がどう見ても貧民、それでも女性なので価値はある。そう考えた不埒者がいてもおかしくはない。
二人の男がラファの行く手を遮った。村人なのだろうが目つきがどうにも不審で、周りを警戒しているようにも見えた。
「おいお前、俺達の相手をすれば飯位食わしてやるぞ」
汚れてはいるが若い女、ちょっと遊ぶには丁度良い。好色な目つきに恐怖を感じると、視線を伏せて脇を抜けて行こうとする。だが男が邪魔をした。
「無視するこたぁねぇだろ、一晩ぐらい構わねぇだろ」
身を固くして後ずさる、屋敷では虐げられはしていてもこういった危険は皆無だった。その時だ、一人の外套を羽織った若い男が近づいてきた。腰には剣を下げている。
「そこで何をしているか」
「ちっ、なんでもねぇよ!」
村人はやって来た男を一瞥すると、舌打ちをして逃げるように行ってしまった。実際逃げたのだろうが。茶色地に赤い装飾、外套はくすんだ橙色、猛禽類の徽章を肩につけている。
「グランダルジャン王国の大地に広がる鉱山を表す装飾に、太陽が差し込む橙色の装い、勇気を示す鷹の徽章はナール騎士団ですね! 助けて頂きありがとうございます」
思っていた反応と違い、マイナーな騎士団の詳細まで告げられ感謝された。男は気を引き締めて胸に拳を当てる。
「レディ、ご無事でなによりです。治安維持も我等の役目ですので礼には及びません」
「だとしてもサーの行動に助けられました」
笑顔で事実を強調する。ナール騎士も悪い気はしなかったようで「ご自宅までお送り致しましょうか?」快い申し出をした。
「ありがとうございます。ですが私は行かなければならないところがありますので、お気持ちだけいただきます」
ラファはもう一度感謝を示すとその場を立ち去り、街道を歩いて行った。一つ息を吐いてナール騎士が振り返ると、同僚の騎士がやって来る。
「それにしても、ご令嬢の一行はいつになったら来るんだ?」
「出迎えに行けとのご命令だが、いつともわからず仕舞い。とはいえ必ずここを通るだろうから待つしかないな」
二人のナール騎士が屋敷からの伝令に驚くのは、これからまだ少し先の話であった。
朝早くからラファの仕事である掃除をしていると、暫くしてから子爵が姿を現した。ということは午前八時ころなのだろうと時計を見た。
「ラファ、お前に告げることがある」
「はい、なんでしょうか?」
また何か仕事を言いつけられるんだろうなという感覚しかなかった。妹は家事などしたことが無い、子爵夫人が絶対にそんなことはさせないし、本人もやるつもりが一切ないから。
「昼に馬車がやって来る、お前はブルボナ伯爵のところに送り婚約させることにした、準備しておけ」
「え? え! 私がですか!」
さすがのラファも突然午後から嫁げと言われて焦ってしまう。そもそもブルボナ伯爵など聞いたこともない。聞いたことがあったとしても、いくらなんでもあんまりな所業。
「二度も言わせるなよ。そうだな、恐らくは十日もあればつくだろう」
そう言い放つと子爵は食堂へと行ってしまう。手にしたほうきを握りしめて「婚約って……」表情を雲らせる。部屋に戻って――といっても屋根裏の薄暗い汚い場所だが――鞄に着替えを詰め込んだ。どれもこれもボロボロで継ぎはぎがあって、ヨレヨレの服ばかり。
「どうして私なのかしら。伯爵家ならリーナが喜んで嫁ぐと思うけど?」
家格が上の伯爵家に、それも伯爵との婚約など望むべくもない。変だなと思っているうちに、あっという間に午後になってしまう。年老いた侍女が「馬車が来たよ、さっさと来な」主人であるはずの子爵令嬢に対して、何一つ敬意を含まない物言いをする。
屋敷を出るとそこには、幌すらない荷馬車が停まっている。御者台は一人乗りで中年の男が座っていた。唖然としていると子爵がやって来た。
「ラファ、ブルボナ伯爵に確りと尽くせよ。お前が良くしてもらえば、我が家に利益がある。貴族の娘であることをよく考えるんだ」
「あの、はい子爵さま」
余計な質問は激怒されるだけで何も良いことはない、長年の付き合いでラファは良くわかっていた。子爵夫人も妹も、屋敷に居るはずなのに見送りすらしない。
「ブルボナ伯爵の屋敷は、コーラル市に構えられている。路銀くらいはくれてやる、さっさと行け」
ジャラっと握りこぶし位の小さな巾着を投げ捨てて来た。それを黙って拾うと一礼して馬車に乗り込む。といっても荷台に乗っかっただけで、乗り心地も何もない。
「いいか、んじゃ出るぞ」
荷馬車の御者は挨拶をするでもなく、さっさと動き始めた。なぜならば、子爵に労役を課せられただけで何の利益も無いのでこうもなった。そんなことを知る由もなく「よろしくお願いします」ラファは頭を下げる。それも無視して馬車は子爵領を直ぐに抜けてしまう。
陽が落ちるあたりで小さな集落につくとそこで馬車が停まった。宿屋の前でも、食堂の脇でもなく、郊外の平地で。どうしたのかなと御者を見詰める。
「俺が言われてたのはここまでだ、さっさと降りな」
「ここは?」
「ルマチ村だ。ここから東にずっと行けば、三日で帝国を出ることが出来る。その先は知らん」
言われるがまま荷台から降りると、馬車は来た道を戻っていくではないか。歩きで向かえ、つまりはそういうことらしい。
「コーラル市を目指せば良いんですよね。場所を聞いてみないと」
恨み言一つ出さずに、自分がやるべきことをやろうとする。村人を探して尋ねてみても、誰もコーラル市を知らなかった、近くにはないらしいことだけが解る。
「東に行けば帝国を出ることが出来るって言ってましたね。外国に行けってことかしら?」
なるほど国外の街なら知らなくてもおかしくはない。この先本当に十日で到着するかはまったくわからない。初めてここで路銀を確かめてみる、巾着を開けてみるとなんとそこには銅貨しか入っていなかった。これでは数日の食費にすらなるかどうか。
夜中に動くことは出来ないので、家々があるあたりまで来ると、木の下に転がった。着替えが入った鞄を枕代わりにして野宿することを何の迷いも無しに選ぶ。彼女が子爵令嬢なのは事実だが、ラファはそんなことはとうの昔に心の奥底にしまいこんでしまっていた。
御者が言っていた通りに三日でサルディニア帝国を出ることが出来た。出る分には通行税がかからず一安心する。街道があったのでそれをアテもなく歩き続ける。道の脇に生えている草や木の実を収穫して腹の足しにしながら。というのも、旅人の腹を幾ばくかでも満たせるように、街道にはそういった植物が植えられているのだ。なお、不味くて少しでも余裕があるならば、誰も口にしない。
どこかの村にやって来て、ここでも「コーラル市をご存知ですか?」出会う人に次々と尋ねていく、するとついに知っている者が現れた。
「ああ、そこならこの街道沿いにそうだな、五日も行けばつくよ」
「ありがとうございます」
丁寧に礼をすると、ラファは空を見上げる。雨が降ると移動できなくなるから、出来ればずっと晴れのままで居て欲しいなどと思いながら歩く。誰がどう見ても貧民、それでも女性なので価値はある。そう考えた不埒者がいてもおかしくはない。
二人の男がラファの行く手を遮った。村人なのだろうが目つきがどうにも不審で、周りを警戒しているようにも見えた。
「おいお前、俺達の相手をすれば飯位食わしてやるぞ」
汚れてはいるが若い女、ちょっと遊ぶには丁度良い。好色な目つきに恐怖を感じると、視線を伏せて脇を抜けて行こうとする。だが男が邪魔をした。
「無視するこたぁねぇだろ、一晩ぐらい構わねぇだろ」
身を固くして後ずさる、屋敷では虐げられはしていてもこういった危険は皆無だった。その時だ、一人の外套を羽織った若い男が近づいてきた。腰には剣を下げている。
「そこで何をしているか」
「ちっ、なんでもねぇよ!」
村人はやって来た男を一瞥すると、舌打ちをして逃げるように行ってしまった。実際逃げたのだろうが。茶色地に赤い装飾、外套はくすんだ橙色、猛禽類の徽章を肩につけている。
「グランダルジャン王国の大地に広がる鉱山を表す装飾に、太陽が差し込む橙色の装い、勇気を示す鷹の徽章はナール騎士団ですね! 助けて頂きありがとうございます」
思っていた反応と違い、マイナーな騎士団の詳細まで告げられ感謝された。男は気を引き締めて胸に拳を当てる。
「レディ、ご無事でなによりです。治安維持も我等の役目ですので礼には及びません」
「だとしてもサーの行動に助けられました」
笑顔で事実を強調する。ナール騎士も悪い気はしなかったようで「ご自宅までお送り致しましょうか?」快い申し出をした。
「ありがとうございます。ですが私は行かなければならないところがありますので、お気持ちだけいただきます」
ラファはもう一度感謝を示すとその場を立ち去り、街道を歩いて行った。一つ息を吐いてナール騎士が振り返ると、同僚の騎士がやって来る。
「それにしても、ご令嬢の一行はいつになったら来るんだ?」
「出迎えに行けとのご命令だが、いつともわからず仕舞い。とはいえ必ずここを通るだろうから待つしかないな」
二人のナール騎士が屋敷からの伝令に驚くのは、これからまだ少し先の話であった。
25
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
転生少女、運の良さだけで生き抜きます!
足助右禄
ファンタジー
【9月10日を持ちまして完結致しました。特別編執筆中です】
ある日、災害に巻き込まれて命を落とした少女ミナは異世界の女神に出会い、転生をさせてもらう事になった。
女神はミナの体を創造して問う。
「要望はありますか?」
ミナは「運だけ良くしてほしい」と望んだ。
迂闊で残念な少女ミナが剣と魔法のファンタジー世界で様々な人に出会い、成長していく物語。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
婚約破棄された子爵令嬢の実家は王国建国以来、王家の影の長官を世襲する家だった。私的な報復の為に王家の影など使いませんわ。自滅されましたから
竹井ゴールド
恋愛
卒業パーティーで子爵令嬢は婚約破棄を言い渡された。
その令嬢の実家は建国以来、王宮の書庫室の室長を務める家柄で、婚約者がその事を嫌っての婚約破棄だった。
だが、書庫室長は表の役職で、令嬢の実家は裏で建国以来、 王家の影の長官を代々務めていたのだった。
よって婚約破棄を言い出した婚約者とその実家に何ら問題はない事はとっくに調査済みだったのだが・・・
【2022/10/22、出版申請、11/2、慰めメール】
【2022/10/25、24hポイント1万2500pt突破】
泉の精の物語〜創生のお婆ちゃん〜
足助右禄
ファンタジー
沢山の家族に看取られ80歳で天寿を全うした春子は、神様らしき人物に転生させられる。
「おめでとうございまーす。アナタは泉の精に生まれ変わりまーす。」
気がついたら目の前には水溜まり。
「これが……泉?」
荒れ果てた大地に水溜まりが一つ。
泉の精として長大な時間を過ごす事になったお婆ちゃんの話。
防御魔法しか使えない聖女はいらないと勇者パーティーを追放されました~そんな私は優しい人と出会って今は幸せです
土偶の友
ファンタジー
聖女のクロエは歴代最強クラスの防御魔法を使うことが出来た。しかし、その代償として彼女は聖女なのに回復魔法が一切使えない。
「お前、聖女なのに回復魔法使えないってホント?」「付与術師の私でも回復魔法使えるのに、聖女の貴方が使えないってどういうこと?」勇者パーティーではそのことを言われ続け、使えない聖女として扱われる。
そんな彼女には荷物持ち、夜の見張り番、料理当番。そういった雑用全てを押し付けられてきた。彼女の身も心もボロボロになっていく。
それでも懸命に人類の為にとこなしていた彼女だが、ついには役立たずはいらないからと危険な森で1人、勇者パーティーを追放される。
1人彷徨っていたところを真紅の髪の冒険者に助けてもらう。彼は聖女の使う防御魔法を褒めてくれて、命の恩人だとまで言ってくれる。
勇者パーティーから追放された聖女の幸せな旅が始まり、聖女を追放した勇者パーティーは様々な不都合が起きていき、機能しなくなっていく。料理が出来るものはいない。見張りは長時間になり体力の消耗が激しくなる。そして、敵の攻撃が強くなったような気がする。
しかし、そんなことは知ったことかと聖女は身分を隠して自分のやりたいことをやって人々に感謝される。それでも結局彼女は聖女と呼ばれて、周りと幸せになっていく聖女の物語。
小説家になろう様でも投稿しています。あらすじを少し変更しました。
2020.12.25HOTランキングに載ることが出来ました! 最初から読んでくださった方も、新しく読みに来てくださった方も本当にありがとうございます。
私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のキャリーヌは、婚約者で王太子のジェイデンから、婚約を解消して欲しいと告げられた。聞けば視察で来ていたディステル王国の王女、ラミアを好きになり、彼女と結婚したいとの事。
ラミアは非常に美しく、お色気むんむんの女性。ジェイデンが彼女の美しさの虜になっている事を薄々気が付いていたキャリーヌは、素直に婚約解消に応じた。
しかし、ジェイデンの要求はそれだけでは終わらなかったのだ。なんとキャリーヌに、自分の側妃になれと言い出したのだ。そもそも側妃は非常に問題のある制度だったことから、随分昔に廃止されていた。
もちろん、キャリーヌは側妃を拒否したのだが…
そんなキャリーヌをジェイデンは権力を使い、地下牢に閉じ込めてしまう。薄暗い地下牢で、食べ物すら与えられないキャリーヌ。
“側妃になるくらいなら、この場で息絶えた方がマシだ”
死を覚悟したキャリーヌだったが、なぜか地下牢から出され、そのまま家族が見守る中馬車に乗せられた。
向かった先は、実の姉の嫁ぎ先、大国カリアン王国だった。
深い傷を負ったキャリーヌを、カリアン王国で待っていたのは…
※恋愛要素よりも、友情要素が強く出てしまった作品です。
他サイトでも同時投稿しています。
どうぞよろしくお願いしますm(__)m
遺言による望まない婚約を解消した次は契約結婚です
しゃーりん
恋愛
遺言により従兄ディランと婚約しているクラリス。
クラリスを嫌っているディランは愛人に子を産ませてクラリスの伯爵家の跡継ぎにするつもりだ。
どうにか婚約解消できないかと考えているクラリスに手を差し伸べる者。
しかし、婚約解消の対価は契約結婚だった。
自分の幸せと伯爵家のために最善を考える令嬢のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる