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満月の裏庭で
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◇
屋敷からは大勢の人が楽しんでいる声や音楽が漏れて来る。裏庭にあたる場所で、ラファは一人空を見上げていた。ごわついた金髪、ほつれたお仕着せ、サイズが合っていない靴、あかぎれの手。一つため息をつく。
「今日は私の誕生日を祝う会なのに、どうして一人でこんな」
子爵令嬢十八回目の誕生祭。名目は何でも良かった、夜会などというのはそんなものだ。夜空には大きな月が浮かんでいて、春の柔らかな風がそよそよと吹いてくる。ふと人の気配を感じた。目を凝らして闇の中を見ると、二人の人影があった。
「こちらで良いのか?」
「恐らく屋敷には近づいておりますので。ですが回り道をしてしまった様子」
若い男女の声が風に乗って聞こえて来た。ブラウンベリー子爵家の屋敷は無駄に広い、そのせいで正門ではなく裏口へたどり着いてしまう客人がたまに居た。ラファはきっとそういう人たちなんだろうと考えて、声がする方へ歩み寄って行く。
「アレク様」
緊張した声色で何かを感じ取ったようで、茂みの奥からメイド服姿のシルエットが前に出る。後ろには装飾も見事なコートにウエストコートの貴族男性。ラファを警戒しているのが感じられた、薄暗い中で少し距離を置く。
「ブラウンベリー家の使用人か。このような場所で何をしている?」
「えっと、その……」
何をしているのかと問われても、屋敷に居て客に姿を見られないように外に出ていろと子爵に命じられて裏庭に居ただけ。上手な言い訳が浮かばずに両手を胸に置いて視線を伏せてしまう。その時、雲が流れて満月の光が三人を照らす。それまで朧げにしか見えていなかったが、随分とハッキリ見えるようになった。
「あ! それってグランダルジャン王国の装飾ですね!」
「うん? そうだが、良く一目でわかったものだな。サルディニア帝国では殆ど知られていないだろう」
ここはサルディニア帝国、いくつもの王侯貴族を支配下に置く大国家。一方でグランダルジャン王国はその隣国。伝統装飾、更にその中でもひと昔以上も前のスタイル。そんなのを一目で見抜けるのは、グランダルジャン王国でもそう多くは居ない。
「英雄サイラスの好んだ、赤は勇気、白は公正、青は誠実を表す装い。素敵です!」
「おお、そんなことまで知っていたのか。うーむ、使用人ですらこれとは、ブラウンベリー子爵家を蔑ろにするわけにはいかんな」
その時ラファの表情が曇ったのをメイド――サブリナは見逃さなかった。楽しく会話をして褒められたと言うのに悲しい表情をした。物事には必ず理由がある。その後も歴史上の人物や事柄について、非常に深いところの話を繰り広げた。あまりにも長いこと話し込んでいたので、時間が気になって来る。
「アレク様、夜会に遅れておりますので屋敷へ急がれるのが宜しいかと」
主人が楽しく会話をしているのに邪魔をするわけにも行かないが、本来の目的を果たさないわけにも行かない。どちらを選択するかは主人の判断だが、注意喚起をするのは配下の務め。
「おっとそうだったなサブリナ。ああ君、子爵の屋敷はどっちだい」
「はい、この道を真っすぐ行ったところです。直ぐに木々が切れて見えます、それでは失礼します」
最後は辛そうな顔になり走って行ってしまった。その後、主人が夜会に参加している間にサブリナが年老いた子爵家の侍女に話を聞くことが出来た。ブラウンベリー子爵家には若い使用人は一人も居ない、と。そして会場には子爵令嬢が一人だけ、二人姉妹だと聞いていたはずなのに。
遅れた上に夜会が終わる前に抜け出してきた主人と共に、帰路の馬車に乗り込むと様子を見て切り出す。
「夜会はいかがでしたかアレク様」
「ああ、子爵令嬢はそうだな、どこにでもいる普通の令嬢だったよ」
目を閉じてため息混じりにそんな評価を下した。商売の関係で是非とも参加して欲しいと言われ、仕方がなくやってきたので義理はたった。それにしても随分と疲れてしまったようで、肩が落ちている。
「子爵家には二人のご令嬢がいらっしゃるようですが」
「いや、一人しか居なかったな。折角の姉妹の誕生日なのに参加しないとは冷たいものだ」
「アレク様、子爵家の侍女に話を伺ったところ、子爵家には若い使用人は一人も居ないとのことです」
報せるべきだ、そう感じたので明日を待つことなくこの場で直ぐに耳に入れる。するとアレク――アレクサンダー・ブルボナ伯爵は眼を開いて「なんだって?」先ほどの裏庭の件を思い出す。他の貴族があのような姿の使用人を連れてくるはずはなく、子爵家の使用人でもなければ誰だったのか。
「若い女性といえば、年齢が二つ離れているご令嬢だけとのこと」
「もしかして、いやそんなはずはない。子爵の娘というならば、もっと着飾って夜会に出ているはずだろう」
「ですがお一人しか居られなかったのですよね。もしあの方がそうだとしたら」
可能性の話でしかない、そんな馬鹿げたことがあるはずがない。けれどもアレクは右手を口元にあてて真剣に考え込んでしまう。王国でも庶子であったりと事情を抱えた子らが、親に虐待を受けていたなどという話はいくらでもあった。
「私は令嬢に対して、使用人だとして接してしまったのか。思えばああも詳しく知識を持っていたのだから、使用人のはずがなかった。くそっ、なんて真似をしてしまったんだ!」
大きく嘆いてしまう。あれほど話が合う人物など今まで居なかった、会話をしていて楽しかった。夜会はつまらなかったが、今日は良い日だったなと思えるほどにだ。それなのに、最後の最後で奈落に突き落とされたかのような感覚を得てしまう。
屋敷に戻るまでアレクは両手を額に当ててふさぎ込んでしまっていた。着いたらすぐに「疲れたので休む」言葉を残して寝室へと行ってしまった。その姿を見送り、ホールの中央でサブリナがブルボナ伯爵家の家人を見回す。
「このような夜半ではありますが仕事です。アレク様のご心労を取り除く為に動きますよ」
サブリナはアレクサンダー専属のメイドであると共に、侍女でもある。その違いは単純明白、雇用人でもある侍女には使用人への命令権限が与えられていた。
屋敷からは大勢の人が楽しんでいる声や音楽が漏れて来る。裏庭にあたる場所で、ラファは一人空を見上げていた。ごわついた金髪、ほつれたお仕着せ、サイズが合っていない靴、あかぎれの手。一つため息をつく。
「今日は私の誕生日を祝う会なのに、どうして一人でこんな」
子爵令嬢十八回目の誕生祭。名目は何でも良かった、夜会などというのはそんなものだ。夜空には大きな月が浮かんでいて、春の柔らかな風がそよそよと吹いてくる。ふと人の気配を感じた。目を凝らして闇の中を見ると、二人の人影があった。
「こちらで良いのか?」
「恐らく屋敷には近づいておりますので。ですが回り道をしてしまった様子」
若い男女の声が風に乗って聞こえて来た。ブラウンベリー子爵家の屋敷は無駄に広い、そのせいで正門ではなく裏口へたどり着いてしまう客人がたまに居た。ラファはきっとそういう人たちなんだろうと考えて、声がする方へ歩み寄って行く。
「アレク様」
緊張した声色で何かを感じ取ったようで、茂みの奥からメイド服姿のシルエットが前に出る。後ろには装飾も見事なコートにウエストコートの貴族男性。ラファを警戒しているのが感じられた、薄暗い中で少し距離を置く。
「ブラウンベリー家の使用人か。このような場所で何をしている?」
「えっと、その……」
何をしているのかと問われても、屋敷に居て客に姿を見られないように外に出ていろと子爵に命じられて裏庭に居ただけ。上手な言い訳が浮かばずに両手を胸に置いて視線を伏せてしまう。その時、雲が流れて満月の光が三人を照らす。それまで朧げにしか見えていなかったが、随分とハッキリ見えるようになった。
「あ! それってグランダルジャン王国の装飾ですね!」
「うん? そうだが、良く一目でわかったものだな。サルディニア帝国では殆ど知られていないだろう」
ここはサルディニア帝国、いくつもの王侯貴族を支配下に置く大国家。一方でグランダルジャン王国はその隣国。伝統装飾、更にその中でもひと昔以上も前のスタイル。そんなのを一目で見抜けるのは、グランダルジャン王国でもそう多くは居ない。
「英雄サイラスの好んだ、赤は勇気、白は公正、青は誠実を表す装い。素敵です!」
「おお、そんなことまで知っていたのか。うーむ、使用人ですらこれとは、ブラウンベリー子爵家を蔑ろにするわけにはいかんな」
その時ラファの表情が曇ったのをメイド――サブリナは見逃さなかった。楽しく会話をして褒められたと言うのに悲しい表情をした。物事には必ず理由がある。その後も歴史上の人物や事柄について、非常に深いところの話を繰り広げた。あまりにも長いこと話し込んでいたので、時間が気になって来る。
「アレク様、夜会に遅れておりますので屋敷へ急がれるのが宜しいかと」
主人が楽しく会話をしているのに邪魔をするわけにも行かないが、本来の目的を果たさないわけにも行かない。どちらを選択するかは主人の判断だが、注意喚起をするのは配下の務め。
「おっとそうだったなサブリナ。ああ君、子爵の屋敷はどっちだい」
「はい、この道を真っすぐ行ったところです。直ぐに木々が切れて見えます、それでは失礼します」
最後は辛そうな顔になり走って行ってしまった。その後、主人が夜会に参加している間にサブリナが年老いた子爵家の侍女に話を聞くことが出来た。ブラウンベリー子爵家には若い使用人は一人も居ない、と。そして会場には子爵令嬢が一人だけ、二人姉妹だと聞いていたはずなのに。
遅れた上に夜会が終わる前に抜け出してきた主人と共に、帰路の馬車に乗り込むと様子を見て切り出す。
「夜会はいかがでしたかアレク様」
「ああ、子爵令嬢はそうだな、どこにでもいる普通の令嬢だったよ」
目を閉じてため息混じりにそんな評価を下した。商売の関係で是非とも参加して欲しいと言われ、仕方がなくやってきたので義理はたった。それにしても随分と疲れてしまったようで、肩が落ちている。
「子爵家には二人のご令嬢がいらっしゃるようですが」
「いや、一人しか居なかったな。折角の姉妹の誕生日なのに参加しないとは冷たいものだ」
「アレク様、子爵家の侍女に話を伺ったところ、子爵家には若い使用人は一人も居ないとのことです」
報せるべきだ、そう感じたので明日を待つことなくこの場で直ぐに耳に入れる。するとアレク――アレクサンダー・ブルボナ伯爵は眼を開いて「なんだって?」先ほどの裏庭の件を思い出す。他の貴族があのような姿の使用人を連れてくるはずはなく、子爵家の使用人でもなければ誰だったのか。
「若い女性といえば、年齢が二つ離れているご令嬢だけとのこと」
「もしかして、いやそんなはずはない。子爵の娘というならば、もっと着飾って夜会に出ているはずだろう」
「ですがお一人しか居られなかったのですよね。もしあの方がそうだとしたら」
可能性の話でしかない、そんな馬鹿げたことがあるはずがない。けれどもアレクは右手を口元にあてて真剣に考え込んでしまう。王国でも庶子であったりと事情を抱えた子らが、親に虐待を受けていたなどという話はいくらでもあった。
「私は令嬢に対して、使用人だとして接してしまったのか。思えばああも詳しく知識を持っていたのだから、使用人のはずがなかった。くそっ、なんて真似をしてしまったんだ!」
大きく嘆いてしまう。あれほど話が合う人物など今まで居なかった、会話をしていて楽しかった。夜会はつまらなかったが、今日は良い日だったなと思えるほどにだ。それなのに、最後の最後で奈落に突き落とされたかのような感覚を得てしまう。
屋敷に戻るまでアレクは両手を額に当ててふさぎ込んでしまっていた。着いたらすぐに「疲れたので休む」言葉を残して寝室へと行ってしまった。その姿を見送り、ホールの中央でサブリナがブルボナ伯爵家の家人を見回す。
「このような夜半ではありますが仕事です。アレク様のご心労を取り除く為に動きますよ」
サブリナはアレクサンダー専属のメイドであると共に、侍女でもある。その違いは単純明白、雇用人でもある侍女には使用人への命令権限が与えられていた。
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