婚約破棄からの国外追放、それで戻って来て欲しいって馬鹿なんですか? それとも馬鹿なんですか?

☆ミ

文字の大きさ
上 下
3 / 3

本編 2

しおりを挟む

 
 フォートスターの一室、イーリヤ公爵は各所からの報告を具に耳にしては何が起ころうとしているのかを注視していた。そこへ白いドレスを着たマリアがやって来る。

「お邪魔だったでしょうか」

 少しだけ表情を曇らせてしまうが「そんなわけないだろ。さあこっちへ」順番待ちをしている者らを全て退けてしまい、部屋で二人になる。優先順位には大きな大きな壁がある、娘がもっとも上位であることに疑いなど無い。

「王都を出てきてかなり経ちましたけれども、何もないのでしょうか?」

 追放されて出て来たけれども、その後のいざこざは全然マリアには届かない。心労にならないようにと箝口令を敷いているせいで、何事も無かった、そういうことにされている。

「そうだな、これといって大した変化はない」

 サラッと応じてしまう。じっと公爵の目を見てから、彼女は小さくため息をつく。

「お父さまのお気持ちは受け取りますわ。皆の様子がおかしいと思いましたら、そういうことですの」

 顔を見たら何を考えているか分かるのは親の特権などではない。子供からしてみたら逆で、親が何を思っているかなど隠せるものではない。ただ子供のそれと違い、親は常に子の為だけを想っているという部分が強い事実はあった。

「まあ、そうなるよな」

 微笑して隠しごとがあるということを認めてしまう。落ち着きを取り戻すまで、元からずっとそうしようと考えていたわけではない、ここらが潮時と公爵も感じていた。執務用の椅子と机から離れて、隣の休憩室へと場所を移した。

「使者が来ていたよ。追放令は解いて、王都へ戻るようにってな」

「そう……ですの。それでワタクシはどうしたら?」

 娘の顔色を見て軽く笑い「マリアのしたいようにすればいい。使者はフォートスターに留め置いているし、娘の所在は不明だと言ってある」こうやって目の前に居るのに平然と言ってのけた。世の中に真実など必要ないと言わんばかりの態度だ。

「王都には戻りたくありません」

「そうか。なら行く必要はない」

 小さく頷いて娘の意思を尊重する。大まかな方針が一つ決まった瞬間だ。ではどうして戻りたくないのか、或いは何かしらの考えがあるのかが気になる。

「王子と結婚もしたくありません。ワタクシ、暫くはここに居たいです。ダメ……でしょうか?」

「ダメなわけないだろう、ここはマリアの家なんだ」

 申し訳なさそうな娘に対して精一杯の笑顔で全てを肯定する。

「わがままばかりでごめんなさい」

「謝ることなんて何一つない、それでいいんだ」

 あまりにも子に対して甘すぎる、親馬鹿と言われても反論は出来ないだろう。

「ですけど、きっと王国からの圧力がありますわ」

 懸念はいつか現実になる、国の面子、王の威厳、秩序とはそういう馬鹿げた何かが積みあがって出来ている。公爵は首を左右に振って笑顔のまま断言する。

「王国がどういって来ようと関係ない。何があろうと、世界が敵になろうと私はマリアの味方だ」

「お父さま、ありがとうございます。お母さまともお話をしてきますね」

 嬉しそうな笑みを残して娘が部屋を出て行く。後ろ姿が消えても暫く扉を見詰めていた。

「王子との婚礼は無し、王都にも行かない、使者への手土産はどうしたものか」

 別室で待たせている報告者、一時間だろうと一日だろうと待たせておけばよいと少し考え事をする。ノックをする音が三度聞こえて来た。

「入れ」

 それが誰かは知らないが、ただの報告者ではないことは解っている。やって来たのは黒い肌の男、真剣で鋭い目つきで部屋にずかずかと入って来た。厚い胸板、盛り上がった筋肉、短い髪、事務仕事をしてきたものではないのは見た目から直ぐに解る。

「セニャール、ご報告が」

「どうした」

 公爵をセニャールと呼ぶ男、ありていに言えばご主君といったところだろうか。他の有象無象とは違う、彼の役職は秘書官。秘書と副官を兼ねている側近中の側近、いわゆる腹心といわれる存在。

「領内に密偵が多数放たれております。監視をつけて泳がせてあります」

「だろうな。調べているのはマリアと俺の動向だな」

 肯定はしない、言葉にせずとも当然の成り行きだから。問題はどういう事実を流布するかというところ。情報を逆流させる機会が出来たと捉えるべきなのだ。

「ニース伯爵がフォートスターへ向かったのは既に明らかになっております」

 ニース伯爵アンリ、その後帰郷していったが恐らくグロッカス侯爵領にも密偵が多数入り込んでいるはずだ。

「マリアを見失ったのを報告に来ていた、とでも噂を流しておけ。グロックに迷惑はかけれん」

 そうしておけばアンリが行動を起こす時まではこれといった非が見受けられない。一方でグロック侯爵は好きなタイミングで動けるはず、と。もっともグロック侯爵も、アンリも迷惑などとは思っていないはずだが。

「了解です。ディエールには待機を発令しております」

 ディエール伯爵エーン、秘書官の外向きの立場はこうなっていた。ここエトワール公爵領内にある一つの都市が彼の封地になっている。とはいえ順番は逆で、かの地から支配者を選出させたのが正しい。

「そうか。何事も無く終わるとは思えん、悪いがエーンの力を貸して欲しい」

「何なりとご命令下さい。我等はただセニャールの為だけに在ります!」

 かつてディエールは王国から孤立し、見捨てられた都市と化していた。治安は悪化し、餓死する者が多く、病気が蔓延し、酷吏が牛耳っていた。民は明日どころか今すらを諦め、瞳は絶望のみを映し出してた。

 そんな街にある日、四つ星の軍旗を翻してイーリヤ公爵――当時のイーリヤ大佐が現れ、自ら矢面に立ってみるみるディエールを回復させたのだ。各地を転戦し爵位を上げ続け、昨今公爵になると持っていた都市の爵位を領民らの推薦する人物に与えた、それがディエール伯爵エーン・プレトリアス。

 プレトリアス一族を筆頭に、在地の者が神として崇める人物がイーリヤ公爵、そしてその娘、マリアだ。巫女としての素質に加え、なんと個人的な信仰まで集めていたのが神に通じたのかどうか。狂信的なまでの忠誠心がエーンという存在を動かしている。

 コツコツと足音を鳴らして部屋にやって来る者が居た「ボス、コロラドでさぁ」その声に「入れ」即答すると、薄汚いコートを着た中年男性が入って来る。髪はボサボサでよれた服、あちこちが汚れていてとてもではないがここに居るべきではない雰囲気の男だ。

「何を掴んできたんだ」

 微笑でコロラドを歓迎する、相手がどうであっても決して見た目で態度を変えない。イーリヤ公爵はテーブルに置いてあるビールを手にすると、グラスに注いでやりコロラドへと渡した。それを一気に飲み干すと、歪んだ笑みでグラスを突っ返す。

「ピレネー王国が騒ぎを聞きつけて、国境に兵を進めるつもりってことで」

 ピレネー王国はステア王国と南西で国境を接している国で、互いに非常に仲が悪い。かれこれ百年以上も争い続けている宿敵のようなもの。十年に一度は戦争をしないとうっぷんがたまるのか、些細なことで競り合いを始めてしまう過去があった。

 イーリヤ公爵もここ二十年前後で二度戦争を経験している、最初は兵士として、二度目は司令として、もし三度目があるならば今度は司令長官として対峙することになりそうだ。

「時期的にそろそろだな。お前がそう言うなら早晩侵入して来るだろう」

 コロラドの情報は早い、そしてどこをどうしたのか核心を突いたものばかりを集めて来る。ただこの見た目に態度だ、その上腕っぷしは弱いのでどこに居ても蔑まれて人間扱いすらされないことばかりだった。そんな彼と対等に人として向き合ってくれた人物、イーリヤという存在に全てを捧げると決めたのは十年ほど前のこと。

 権力者は都合の悪い約束など反故にするし、言葉では表面上うまい対応をすることがある、だが心の奥底では絶対に他者を馬鹿にしているものだ。そんなコロラドの言葉を全面的に信じ、全てを賭けて危険を顧みずに進み、功績にきっちりと報いた。

 望みの報酬を与えると言われた時に彼が口にしたのは「部下にして欲しい」それだけだった。以来、どこに居ようとフリーパスでコロラドは傍で話をし、好きな時に好きなところで情報を集めては報告するという仕事を得た。危険に見合わない報酬でしかないが、反面で青天井の軍資金を自由に使える唯一の存在として認められても居る。

「で、それだけじゃないんだろ」

 ニヤリとしてイーリヤ公爵がその先にあるだろう何かを催促する。こんな他愛もないやり取りが出来ることが嬉しくて、コロラドはいつもより以上を用意してやって来る。そんな彼を公爵の配下は避けようとする、彼の忠誠は公爵であろうとなかろうと関係なく、イーリヤ個人へ向けられているので最早何も思っていないが。

「へっへっへ、実はソーコル帝国も南下の動きを」

 北にあるソコール帝国、それこそ砂漠の先に在るのはその領地なので、ここエトワール公爵領が狙われる可能性を示している。目を細めてイーリヤ公爵は未来を想像した。手に持っていたビール瓶の残りをコロラドに渡し「とても参考になった、ありがとうコロラド、感謝する」ゆっくりと頷く。

 この言葉だけで心が満たされた。豪奢な屋敷も、沢山の部下も、権力も金も何も要らない、ただこうやって頼りにされたい、感謝されたい、その一心でやり遂げたのみ。じんわりと広がって行く暖かさを得たくて、この先も彼は動き続けるだろう。

「エーン、トゥツァに連絡をつけるんだ」

「ヤ!」

 ソーコル帝国内、ここから北に行ったところにあるディジョン伯爵トゥツァ、彼もまたイーリヤ公爵を崇拝する人物の一人。国をまたいでこういった者が沢山いる、それだけ公爵が今に至るまで無茶をして険しい道を進んできた証左でもある。

 エーンが部屋をでて行く、その背を見詰めて「辿り着く答えが無かったとしても、俺は歩み続けるしかない」何かしらの決意を口にした。ステア王国とイーリヤ公爵は協力関係であり、立場の上下はあっても決して君主と臣下ではない。



 平和というのはある日突然失われてしまう、どれだけ尽力してもだ。執務室で様々処理をしているところへノックも無しで入って来る人物が一人、それに遅れて入って来るのがもう一人いた。最初のは女性で、褐色の肌に茶色のカールしたロングヘア、左瞼は縦に傷がついていて、赤いインナーに黒いジャケットを着崩している。弾け飛びそうな程大きな胸をしていて、くびれが対照的に映る。

 ついてきた男は黒いスーツ姿で、目つきは鋭いが冷静沈着。感情むき出しの女性とは正反対の気性をしているように見える。報告で順番待ちしていた者らが一斉に注目した。

「おいお前、わかってんだろうね!」

 開口一番イーリヤ公爵をお前呼ばわりする。ふぅ、と小さく息を吐くと報告者らを全員退室させて別室待機と命令した。十秒程してから女性と視線を合わせてようやく話を始める。

「レティアが言いたいだろうことは大体わかっているつもりだよ」

 叱責するわけでなく、己の考えを述べるわけでもなく、そう受け止める。彼女はレティシア・レヴァンティン・イーリヤ、要はイーリヤ公爵の妻だ。あるいはイーリヤ公爵が彼女の夫とも言われる。

 エーンと黒スーツの男が並んで脇に起立したまま、黙ってやり取りを見ていた。共に腹心であり、互いの主が違うだけでやっていることはほどんど一緒、公私ともに主を支えるのみ。最早目で会話する間柄とも言える。

「じゃあ話は簡単だ、戦争だよ!」

 ふぅ、また息を吐くと席を立って彼女の目の前にゆっくりと歩いていく。

「マリアは静かにここで暮らしたいと思っているんじゃないのか」

 娘のことでこうも荒れているのは百も承知で、なだめるよりも別のところに興味を持っていくべきだと感じて話題を変えようとする。他者にも自分にも厳しいが、やはり彼女もマリアにだけはこれ以上ない位甘かった。両親ともに溺愛する娘が、真っすぐに育ったのは神の奇跡の賜物だろう。

「ふん、マリアは望み通りにそうすればいいさ。でもね、あたしゃ許さないよ」

 ギロリと睨んで眉を寄せる。口うるさいだけならイーリヤ公爵が話を聞いてやれば済むが、そうではないから道を選ばなければならない。彼女は彼女で勢力を抱えているから。互いの主が争う時にはエーンと黒スーツのゴメスは敵同士警戒していたが、こうして一組の夫婦になると苦労話を交わす仲になった。

 そしてある時に奇妙な関係が一歩進んだ。エーンがレティシアの配下への、ゴメスがイーリヤの配下への臨時代理指揮権を得たことがあった。それが不思議とうまく行く、何せ二人とも主らのことを最優先に考えて命令を下すものだから自然と馴染んだから。

「どうするつもりなんだ」

「はっ、決まってるだろ、王子を叩きのめして埋めるんだよ!」

 過激を通り越してしまっている発言にも「そうか」小さく応じるだけで止めようとしない。それが彼女は不満だったらしく「文句あるのかい!」声を荒げる。よくもまあこの性格で公爵夫人になれたものだと陰口をたたく者が居たが、最近はどこで何をしているやら姿を見なくなってしまった。

「レティアは相変わらずだな」

 馬鹿にしているわけでもなく、呆れているわけでもない、イーリヤ公爵の表情には優しさと笑みがあった。

「何が言いたい!」
 
 取り敢えず大声で反抗するスタイルを貫こうとする。レティシアの肩に手をやり、引き寄せると耳元で囁く。

「レティアは優しいな、マリアが悲しまないようにそうするつもりなんだろ」

「ちょ、馬鹿なことを言うな!」

 動揺して突き放そうとするが、腰に手を回している力が思いのほか強くてはなせなかった。別に嫌なわけではないのでそれで少しトーンが落ちてしまう。その先がこの夫婦といったところだろうか。

「俺ならステア王国を無くしてしまうな。けれどもひとりじゃ出来そうに無い、レティアの助けが必要なんだ」

 国を無くしてしまう、荒ぶっていた心に冷静さが戻って来て、表情が穏やかになって行く。

「お前はいつもあたしの想像を越えて来る」

「そうか。飽きられてないようで安心したよ」

「これからも努力しな」

 暫しの沈黙があり、二人が抱き合っているだけの時間が流れた。その間も起立している二人は微動だにしない。

「で、どうしたらいい?」

「……そうだな、ある時海沿いにあるピレネーの首都に、多数の武装船団が現れたら我に返ると思わないか?」

 海岸線西側にある港町がピレネー王国の首都リスボンだ。海洋国家が陸を侵食していった、順番としてはこうなる。

「必要になる二週間前に言え」

「ああ、そうする。ところで、今夜三人で食事に行かないか? 実は予約してあるんだ」

 ここにきてようやく腕を緩めて顔を見て話をする。

「解った、マリアを呼びに行って来る」

 ゴメスを引き連れて嵐のようにやって来た彼女が去って行った。壁際に立っているエーンを振り返り「大至急予約をとってくれ」そうだろうなと思っていた彼は、にこやかに「ヤ!」全てを承知で返答し、速やかに部屋を出て行くのであった。

 秘書官は公私ともに支えるのが職務だ。
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

こぎつねコンコン

題名、馬鹿なんですか? それとも馬鹿なんですか?

それともって、前も後ろも同じ馬鹿で比較になってませんよ。
それともの使い方間違えてませんか?

☆ミ
2020.09.02 ☆ミ

OKOK
こういうネタなのでこれで良いんですよ
なお間違っています!
あなたは正しい

解除

あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたら、国が滅びかけました

Nau
恋愛
「貴様には失望した!私は、シャルロッテ・グリースベルトと婚約破棄をする!そしてここにいる私の愛おしい、マリーネ・スルベリオと婚約をする!」 学園の卒業パーティーの日、婚約者の王子から突然婚約破棄された。目の前で繰り広げられている茶番に溜息を吐きつつ、無罪だと言うと王子の取り巻きで魔術師団の団長の次に実力があり天才と言われる男子生徒と騎士団長の息子にに攻撃されてしまう。絶体絶命の中、彼女を救ったのは…?

王太子に婚約破棄され塔に幽閉されてしまい、守護神に祈れません。このままでは国が滅んでしまいます。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 リドス公爵家の長女ダイアナは、ラステ王国の守護神に選ばれた聖女だった。 守護神との契約で、穢れない乙女が毎日祈りを行うことになっていた。 だがダイアナの婚約者チャールズ王太子は守護神を蔑ろにして、ダイアナに婚前交渉を迫り平手打ちを喰らった。 それを逆恨みしたチャールズ王太子は、ダイアナの妹で愛人のカミラと謀り、ダイアナが守護神との契約を蔑ろにして、リドス公爵家で入りの庭師と不義密通したと罪を捏造し、何の罪もない庭師を殺害して反論を封じたうえで、ダイアナを塔に幽閉してしまった。

辺境伯令嬢が婚約破棄されたので、乳兄妹の守護騎士が激怒した。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。  王太子の婚約者で辺境伯令嬢のキャロラインは王都の屋敷から王宮に呼び出された。王太子との大切な結婚の話だと言われたら、呼び出しに応じないわけにはいかなかった。  だがそこには、王太子の側に侍るトライオン伯爵家のエミリアがいた。

舌を切られて追放された令嬢が本物の聖女でした。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

簡単!婚約破棄の対処術

斉木
恋愛
公爵家の令嬢アーリアが愛のない婚約を破棄されてざまぁする小説 ざまぁと短編が書きたかっただけのお話です。

お約束の異世界転生。計画通りに婚約破棄されたので去ります──って、なぜ付いてくる!?

リオール
恋愛
ご都合主義設定。細かい事を気にしない方向けのお話です。 5話完結。 念押ししときますが、細かい事は気にしないで下さい。

逆行転生した侯爵令嬢は、自分を裏切る予定の弱々婚約者を思う存分イジメます

黄札
恋愛
侯爵令嬢のルーチャが目覚めると、死ぬひと月前に戻っていた。 ひと月前、婚約者に近づこうとするぶりっ子を撃退するも……中傷だ!と断罪され、婚約破棄されてしまう。婚約者の公爵令息をぶりっ子に奪われてしまうのだ。くわえて、不貞疑惑まででっち上げられ、暗殺される運命。 目覚めたルーチャは暗殺を回避しようと自分から婚約を解消しようとする。弱々婚約者に無理難題を押しつけるのだが…… つよつよ令嬢ルーチャが冷静沈着、鋼の精神を持つ侍女マルタと運命を変えるために頑張ります。よわよわ婚約者も成長するかも? 短いお話を三話に分割してお届けします。 この小説は「小説家になろう」でも掲載しています。

聖杯の聖女 君は妹より劣っていると婚約破棄されましたが、真の聖女はわたしだったようです。もう伯爵の元へは戻りません

夜桜
恋愛
 聖女フィセルは聖杯の力を持っていた。  掌に杯を召喚し、聖水(アクア)を作り出せた。  水が貴重なネプテューヌ帝国では奇跡と呼ばれ、崇められるようになった。その最中でエタンセル伯爵と婚約を結ぶ。しかしその二週間後には、婚約破棄を告げられる。フィセルの妹シトロンもまた奇跡の力に目覚め、聖女として活躍するようになっていたからだ。しかも、シトロンの方がより多くの水を生成できたので、注目を浴びた。  絶望の淵に立たされたフィセルだったが、タンドレス辺境伯と出会い、人生が大きく変わる。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。