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番外編
sideアーティ3
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sideアーティ3
「すまないな。仕事が多すぎてどうも首が回らないんだ。それにイアンが仕事をしないからその矛先がアリア嬢に向けられてしまっていて。申し訳ないと思ってはいるけど、イアンの仕事まで僕に回されるともう、無理だ……」
「協力できることはするから。まずは途中で決裁可のものとレオンが確認しなければならないものの仕分けしとくよ。レオンは仕事してて。それにしてもよく今までこんなに耐えたね」
「まあ、ソルトがいたのも大きいかな。仕事はソルトに回して僕は中身を主にやっていたから」
「なるほど。なんか申し訳ない」
「いいよ。こちらとしては願ってもないチャンスだったからね。ありがたいくらいだ」
目の前に山のように積み上がっている書類に目を通す。この国の陛下はあまり内政を見られることについては気にされないようだ。こちらも同じだけど。
一応形だけ各部署があるらしいが、うまく機能していないみたいだ。まずはそれの活性化からだな。秘書官に詳しく仕事を教え、マニュアルを渡しておいた。これなら慣れない人でも決済できるだろう。紙の束が一束消えていった。それを見たレオンは目を丸くしていたが。
「せっかく各部門があるんだから振り分けたらいいんだよ。そこでチェックして問題なければその課で書類を保存、記録する。間違いやおかしいなって思ったものに関しては確認しに来てもらったらいい。」
「なるほど。そういえばそんな便利なものがあったな……すっかり忘れてたよ」
「あんまり無理はするなよ。妹も心配してたから」
「本当かい⁈ それは無理しない程度に頑張らないと!」
妹大好きなレオンは妹のことを教えてやるととても仕事が早くなる。結婚したらどうなるんだろうか。
「これはあっちの部署に。君に仕事教えるから、やってみて。と言ってもここの秘書官達はなんでもできそうだけど」
「そうだね。いろんなものが一気に集まるから誰でもなんでもできるようになっちゃったよ。いいことなのか悪いことなのかわからないけど」
「いや、すごいことだと思う。誰かが休んでも代わりに仕事ができるしな」
「そうなんだよ。結局僕のところだと誰でもどの仕事でもできるから休みが取りやすいっていうのがあるね。それを利用して週に二日休みを与えている。流石に僕は休んでいる暇がないから変わらないけど。全部を覚えるのは大変だけど休めるのはいいってみんな僕についてきてくれるんだ。ありがたい話だよ」
「そうか。そういえばイアンの教育係、ひどくやつれていたけど、大丈夫かい? 今にも倒れそうだったけど」
「もうね、アリア嬢と婚約してからずっとだよ。遊び歩いて王宮に帰ってくるのも遅い。だからもう五、六年あの状態なんだ。父上に言っても母上に言っても放っておけだからね。どうしようもないよ。僕が国王なら容赦なく切ってるんだけど」
「なんだか、色々大変だな」
「本当だよ。まだ婚約者であるアリア嬢にも申し訳ない。自分が不甲斐ない。けど、エリーが来るまでにはなんとかしたいんだ」
どうやらレオンの原動力は妹のようだ。ここまで人を突き動かすなんて、さすがだ。妹も妹でなんだかんだ言いながら真面目に勉強している。この国に嫁ぐための準備を時折クマを作りながら必死でやっているんだよな。
恋心ってすごいな。まあ、自分だって人のことは言えないけど。
こうしてレオンと協力しながら内部改革を進めていった。
とある日、僕は図書室へと向かった。目的はもちろんピンク髪の少女。ごくごく自然に彼女のそばに入れる権利を得てから、ポツリポツリと話をすることができた。場所柄たくさんは話せなかったけど、僕の中で一番好きな時間になっていった。
そんな中今日はやけに左腕を摩っているアリアに気づいた。どうやら被れてしまったらしく、薬も持っていないという。それを聞いた僕は慌てて薬をもらいに行った。
薬を塗り込んで、そのまま手渡す。跡でも残ったら大変だ。
彼女は少し驚いていたけど、どうやら痒みは治まって来たみたいで一安心だ。
こうして教室を後にした。
昼休み以外の授業は少し退屈だった。すでに教育を受け終わっているし、隣国であり友好国でもあるこちらの国のことはすでに習得している。
まあ、ご令嬢たちにまとわりつかれないから向こうよりは気楽だけど。そして授業中に各科の把握とマニュアルを作成しながら時間を潰していた。
「すまないな。仕事が多すぎてどうも首が回らないんだ。それにイアンが仕事をしないからその矛先がアリア嬢に向けられてしまっていて。申し訳ないと思ってはいるけど、イアンの仕事まで僕に回されるともう、無理だ……」
「協力できることはするから。まずは途中で決裁可のものとレオンが確認しなければならないものの仕分けしとくよ。レオンは仕事してて。それにしてもよく今までこんなに耐えたね」
「まあ、ソルトがいたのも大きいかな。仕事はソルトに回して僕は中身を主にやっていたから」
「なるほど。なんか申し訳ない」
「いいよ。こちらとしては願ってもないチャンスだったからね。ありがたいくらいだ」
目の前に山のように積み上がっている書類に目を通す。この国の陛下はあまり内政を見られることについては気にされないようだ。こちらも同じだけど。
一応形だけ各部署があるらしいが、うまく機能していないみたいだ。まずはそれの活性化からだな。秘書官に詳しく仕事を教え、マニュアルを渡しておいた。これなら慣れない人でも決済できるだろう。紙の束が一束消えていった。それを見たレオンは目を丸くしていたが。
「せっかく各部門があるんだから振り分けたらいいんだよ。そこでチェックして問題なければその課で書類を保存、記録する。間違いやおかしいなって思ったものに関しては確認しに来てもらったらいい。」
「なるほど。そういえばそんな便利なものがあったな……すっかり忘れてたよ」
「あんまり無理はするなよ。妹も心配してたから」
「本当かい⁈ それは無理しない程度に頑張らないと!」
妹大好きなレオンは妹のことを教えてやるととても仕事が早くなる。結婚したらどうなるんだろうか。
「これはあっちの部署に。君に仕事教えるから、やってみて。と言ってもここの秘書官達はなんでもできそうだけど」
「そうだね。いろんなものが一気に集まるから誰でもなんでもできるようになっちゃったよ。いいことなのか悪いことなのかわからないけど」
「いや、すごいことだと思う。誰かが休んでも代わりに仕事ができるしな」
「そうなんだよ。結局僕のところだと誰でもどの仕事でもできるから休みが取りやすいっていうのがあるね。それを利用して週に二日休みを与えている。流石に僕は休んでいる暇がないから変わらないけど。全部を覚えるのは大変だけど休めるのはいいってみんな僕についてきてくれるんだ。ありがたい話だよ」
「そうか。そういえばイアンの教育係、ひどくやつれていたけど、大丈夫かい? 今にも倒れそうだったけど」
「もうね、アリア嬢と婚約してからずっとだよ。遊び歩いて王宮に帰ってくるのも遅い。だからもう五、六年あの状態なんだ。父上に言っても母上に言っても放っておけだからね。どうしようもないよ。僕が国王なら容赦なく切ってるんだけど」
「なんだか、色々大変だな」
「本当だよ。まだ婚約者であるアリア嬢にも申し訳ない。自分が不甲斐ない。けど、エリーが来るまでにはなんとかしたいんだ」
どうやらレオンの原動力は妹のようだ。ここまで人を突き動かすなんて、さすがだ。妹も妹でなんだかんだ言いながら真面目に勉強している。この国に嫁ぐための準備を時折クマを作りながら必死でやっているんだよな。
恋心ってすごいな。まあ、自分だって人のことは言えないけど。
こうしてレオンと協力しながら内部改革を進めていった。
とある日、僕は図書室へと向かった。目的はもちろんピンク髪の少女。ごくごく自然に彼女のそばに入れる権利を得てから、ポツリポツリと話をすることができた。場所柄たくさんは話せなかったけど、僕の中で一番好きな時間になっていった。
そんな中今日はやけに左腕を摩っているアリアに気づいた。どうやら被れてしまったらしく、薬も持っていないという。それを聞いた僕は慌てて薬をもらいに行った。
薬を塗り込んで、そのまま手渡す。跡でも残ったら大変だ。
彼女は少し驚いていたけど、どうやら痒みは治まって来たみたいで一安心だ。
こうして教室を後にした。
昼休み以外の授業は少し退屈だった。すでに教育を受け終わっているし、隣国であり友好国でもあるこちらの国のことはすでに習得している。
まあ、ご令嬢たちにまとわりつかれないから向こうよりは気楽だけど。そして授業中に各科の把握とマニュアルを作成しながら時間を潰していた。
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