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番外編
sideアーティ2
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sideアーティ2
僕は父上の元を訪れていた。とあるお願いをするためだ。どうしても彼女にもう一度会いたい。けれど、一国の王子が勝手に隣国になど行けるはずもない。そこであることを思いついたのだ。
「父上、僕が十六の歳に隣国へ留学したいのです。一年でいい。それから隣国の第二王子も留学を希望しています。僕はアリアに会いに行くという目的の他に、隣国の第一王子に内政について助言がほしいと言われています。第二王子もこの国のことをよく知り、自国に生かしたいと。お許しいただけないでしょうか」
「そうかそうか。好きな女を追いかけるだけならば少々考えるが、向こうの王子達も国を変えたいと思っているのだな。今のところ友好国ではあるし、いいのではないか? 向こうに了承は?」
「こちらがいいというのであればぜひお願いしたいと」
「なるほどな。いいだろう。ただし、一年だぞ。好きな女一人落とすのにダラダラとかかっているようではな。落とすまで行かなくともこちらに連れてきたらいい。妻からもとても賢そうでいい子だと聞いている。逃すなよ」
父上はパチリとウインクをしてのける。ここまで自由にさせてもらっているなんてとてもありがたい話だ。両親に感謝しながら部屋を後にした。
それから少しして、ネイトとマーリス伯爵夫人がアリアの元を訪ねてくれたみたいで、その時のことを教えてくれた。少し誇張してイアンと婚約したって聞いたけど大丈夫なの? というスタンスで聞いてくれていた。そっちの方が話を引き出しやすいと思うとマーリス伯爵夫人が提案してくれたのだ。
案の定色々教えてもらえたようで、そのまま伝えてくれた。人柄に関してはあまり好ましく思っていないこと、どうやら妹の方を気に入ってること、何かあった時のために資金源として化粧品を作っていること。
芯の強い女性だと思ってはいたが、ここまでとは思わなかった。十歳の貴族令嬢にしてはしっかりしすぎているというか。まぁ僕も周りから見れば十分年齢の割に大人だと言われるけど。
彼女の話を聞けば聞くほど興味が湧いていった。けれど、婚約してしまっている以上、こちらからは何も関与できない。だが、一年だけ会うことが出来る。早く会いたいな。
それから、僕の妹とレオンの婚約が結ばれた。レオンはこちらに勉強と称してよく来ていたんだけど、どうも気に入ってしまったらしい。甘い言葉を人目も憚らず吐き続けるから次第に妹は逃げ回るようになっていた。
いや、流石に気に入ったのはわかるけど、そんなに人前でやらなくてもって一瞬思ったけど、もし自分がアリアに会えたら、同じようにしてしまうかもしれない。少し自信がなくなってしまった。
レオンやソルトとはよく手紙のやりとりをしている。僕もある程度の年齢になると知識も増えて王宮内のことがわかるようになってきた。そこで中の制度や仕事の分担方法、それから仕事をする人々の待遇など、わかる範囲で伝えている。次第に自分から内部の仕組みなどを聞き齧り、父上にお願いしてできる仕事をするようになっていった。
それから縁談も申し込みが来ていたけど留学の一年が終わるまでは断っておいてほしいとお願いし、公務でご令嬢に言い寄られることもあったがそれとなくかわしていった。
そしてついに留学する日が訪れた。学園ではアリアに僕だと気づかれないように髪をセットして眼鏡をかける。それからこの政略結婚が主流の国でご令嬢に言い寄られても面倒なので名前も変えさせてもらっていた。学園にいる間はこっそりと彼女の様子を伺う。小さい頃やネルトに聞いた話と僕の想像はピッタリと一致していて、真面目に授業を受けている。
それからオリーブやブライアンと一緒に過ごすかと思いきや、昼食が終わると図書室に通っているようだ。図書室での彼女はとてもリラックスした様子で息抜きに来ているようだった。
それからイアンは時折彼女に話しかけるだけであとはどこかへ行ってしまう。周りの生徒達が不仲だとかよく違う令嬢と外出しているところを見ただとか噂していた。
王宮ではどうやら教育ではなく仕事をさせられているらしい。本来なら教師がいるだろうに教師の代わりに秘書官が出入りしている。これ、レオンが言っていたな。
確か、陛下も王妃も必要最低限の仕事だけしていてあとは全部レオンに丸投げだって。外交だけはうまいからなんとかなっているけど中はボロボロだと。さらには第二王子が留学しているのでますますそうなってしまっている。
イアンにも仕事を振っているがそもそも必要な教育すら終了しておらず、ずっと遊び歩いているらしい。そのことについて苦言を呈するが、放っておけと言われ話にならないとも言っていた。
つまりレオンは陛下と王妃の仕事とさらには内政の改革を一気にやっている状態だった。その手伝いをするために僕は留学しているので、放課後はレオンの執務室に篭りきりだ。時折息抜きでアリアの様子は見に行くけど。
僕は父上の元を訪れていた。とあるお願いをするためだ。どうしても彼女にもう一度会いたい。けれど、一国の王子が勝手に隣国になど行けるはずもない。そこであることを思いついたのだ。
「父上、僕が十六の歳に隣国へ留学したいのです。一年でいい。それから隣国の第二王子も留学を希望しています。僕はアリアに会いに行くという目的の他に、隣国の第一王子に内政について助言がほしいと言われています。第二王子もこの国のことをよく知り、自国に生かしたいと。お許しいただけないでしょうか」
「そうかそうか。好きな女を追いかけるだけならば少々考えるが、向こうの王子達も国を変えたいと思っているのだな。今のところ友好国ではあるし、いいのではないか? 向こうに了承は?」
「こちらがいいというのであればぜひお願いしたいと」
「なるほどな。いいだろう。ただし、一年だぞ。好きな女一人落とすのにダラダラとかかっているようではな。落とすまで行かなくともこちらに連れてきたらいい。妻からもとても賢そうでいい子だと聞いている。逃すなよ」
父上はパチリとウインクをしてのける。ここまで自由にさせてもらっているなんてとてもありがたい話だ。両親に感謝しながら部屋を後にした。
それから少しして、ネイトとマーリス伯爵夫人がアリアの元を訪ねてくれたみたいで、その時のことを教えてくれた。少し誇張してイアンと婚約したって聞いたけど大丈夫なの? というスタンスで聞いてくれていた。そっちの方が話を引き出しやすいと思うとマーリス伯爵夫人が提案してくれたのだ。
案の定色々教えてもらえたようで、そのまま伝えてくれた。人柄に関してはあまり好ましく思っていないこと、どうやら妹の方を気に入ってること、何かあった時のために資金源として化粧品を作っていること。
芯の強い女性だと思ってはいたが、ここまでとは思わなかった。十歳の貴族令嬢にしてはしっかりしすぎているというか。まぁ僕も周りから見れば十分年齢の割に大人だと言われるけど。
彼女の話を聞けば聞くほど興味が湧いていった。けれど、婚約してしまっている以上、こちらからは何も関与できない。だが、一年だけ会うことが出来る。早く会いたいな。
それから、僕の妹とレオンの婚約が結ばれた。レオンはこちらに勉強と称してよく来ていたんだけど、どうも気に入ってしまったらしい。甘い言葉を人目も憚らず吐き続けるから次第に妹は逃げ回るようになっていた。
いや、流石に気に入ったのはわかるけど、そんなに人前でやらなくてもって一瞬思ったけど、もし自分がアリアに会えたら、同じようにしてしまうかもしれない。少し自信がなくなってしまった。
レオンやソルトとはよく手紙のやりとりをしている。僕もある程度の年齢になると知識も増えて王宮内のことがわかるようになってきた。そこで中の制度や仕事の分担方法、それから仕事をする人々の待遇など、わかる範囲で伝えている。次第に自分から内部の仕組みなどを聞き齧り、父上にお願いしてできる仕事をするようになっていった。
それから縁談も申し込みが来ていたけど留学の一年が終わるまでは断っておいてほしいとお願いし、公務でご令嬢に言い寄られることもあったがそれとなくかわしていった。
そしてついに留学する日が訪れた。学園ではアリアに僕だと気づかれないように髪をセットして眼鏡をかける。それからこの政略結婚が主流の国でご令嬢に言い寄られても面倒なので名前も変えさせてもらっていた。学園にいる間はこっそりと彼女の様子を伺う。小さい頃やネルトに聞いた話と僕の想像はピッタリと一致していて、真面目に授業を受けている。
それからオリーブやブライアンと一緒に過ごすかと思いきや、昼食が終わると図書室に通っているようだ。図書室での彼女はとてもリラックスした様子で息抜きに来ているようだった。
それからイアンは時折彼女に話しかけるだけであとはどこかへ行ってしまう。周りの生徒達が不仲だとかよく違う令嬢と外出しているところを見ただとか噂していた。
王宮ではどうやら教育ではなく仕事をさせられているらしい。本来なら教師がいるだろうに教師の代わりに秘書官が出入りしている。これ、レオンが言っていたな。
確か、陛下も王妃も必要最低限の仕事だけしていてあとは全部レオンに丸投げだって。外交だけはうまいからなんとかなっているけど中はボロボロだと。さらには第二王子が留学しているのでますますそうなってしまっている。
イアンにも仕事を振っているがそもそも必要な教育すら終了しておらず、ずっと遊び歩いているらしい。そのことについて苦言を呈するが、放っておけと言われ話にならないとも言っていた。
つまりレオンは陛下と王妃の仕事とさらには内政の改革を一気にやっている状態だった。その手伝いをするために僕は留学しているので、放課後はレオンの執務室に篭りきりだ。時折息抜きでアリアの様子は見に行くけど。
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