山に捨てられた元伯爵令嬢、隣国の王弟殿下に拾われる

しおの

文字の大きさ
38 / 43

38

しおりを挟む
 一回致してしまうと彼はタガが外れたように毎晩求めてくる。恥ずかしいこともたくさんされて、半泣きになることも多々あるけれど、まあ、しあわせだ。
 もちろん子供の事も2人で面倒を見ている。子供との時間と、ノア様との時間をちゃんと設けていて、お互いにちゃんと言いたいことは伝え合えるようになった。ちょっと心配が過ぎる時もあるけれど、わたしとティナで彼にお説教をするまでになっている。



 その後、国王陛下と王妃様はというと……
 なんと同じくリミッターが外れてしまったらしい。毎晩のように求められ、朝までのことが多いらしく、王妃様は疲れ果てていた。
「側妃でも迎えてもらおうかしら……」
 なんて真剣な声色で言うもんだから、慌てて止めた。
 そんなことしてもきっと変わらないと思う。国王陛下は王妃様を溺愛しているのだから。
 兄弟の遺伝子が強すぎてちょっと笑ってしまったけど。

 そうこうしているうちに、王妃様は第二子を身籠もってしまい、絶賛つわり中だ。今回は眠気がすごいらしく、王妃のお仕事はお休みしているのだとか。
 流石に国王陛下は仕事を休めないので泣く泣く仕事をしているみたい。
 いろいろお話が聞けて楽しんでいる。




 お義兄様とソフィアはというと無事に結婚式を挙げ、夫婦となった。ソフィアは屋敷の侍女を続けていたが、すぐに身籠もり今は過保護なお義兄様によってお休みさせられている。
 義兄といえど似たもの同士なのか。思わず笑ってしまった。
 毎日毎日ソワソワしながら仕事をしているお義兄様を見て、彼は
「落ち着いて仕事しろ」
 と言っていたが、
「ノア様も人のこと言えないでしょう」
 なんて返されて何も言えなくなってしまったとか。
 大切な人ができるとずいぶんと変わるものだ。




 ティナは侍女の仕事の傍ら新人教育を任されており、ビシバシ指導している。おかげでどこにいっても恥ずかしくない女性になれるとここの屋敷の使用人は人気だ。



 よくよく思い返してみると波瀾万丈な人生だった。
 家族に虐げられ、山に捨てられ、王弟殿下に拾ってもらい、小屋に閉じ込められ、誘拐され。
 そして大好きな人と結婚し、子供ができ、鬱になり1ヶ月も眠り続けた。
 それでもこうして周りの人たちの支えでここまで来れた。
 これからもいろいろなことがあると思うけれど、周りの人たちを大事にしてしあわせになりたいと思う。
 それに……



「セリーヌ様、眠いのですか?」
「そうなのよ……最近頑張っても起きていられなくて」
「医者を呼びましょう」


 ん?
 強い眠気……もしかして
「おめでとうございます。ご懐妊ですよ」
 どうやらまた家族が増えるらしい。
 彼はわたしのお腹をさすって喜んでくれて「今度は間違えないから」と言ってくれて、クレバーも元気にはしゃいでいる。
 メアリーもなんだか笑ってくれているみたいで。



 しあわせだなぁ。
 このしあわせが、いつまでも続きますように。
 そう願いながら彼と唇を重ねた。 
 
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる

マチバリ
恋愛
 貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。  数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。 書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。

勘違い妻は騎士隊長に愛される。

更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。 ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ―― あれ?何か怒ってる? 私が一体何をした…っ!?なお話。 有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。 ※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました

春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。 名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。 誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。 ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、 あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。 「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」 「……もう限界だ」 私は知らなかった。 宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて―― ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。

落ちて拾われて売られて買われた私

ざっく
恋愛
この世界に来た日のことは、もうあまり覚えていない。ある日突然、知らない場所にいて、拾われて売られて遊女になった。そんな私を望んでくれた人がいた。勇者だと讃えられている彼が、私の特殊能力を見初め、身請けしてくれることになった。 最終的には溺愛になる予定です。

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

能力持ちの若き夫人は、冷遇夫から去る

基本二度寝
恋愛
「婚姻は王命だ。私に愛されようなんて思うな」 若き宰相次官のボルスターは、薄い夜着を纏って寝台に腰掛けている今日妻になったばかりのクエッカに向かって言い放った。 実力でその立場までのし上がったボルスターには敵が多かった。 一目惚れをしたクエッカに想いを伝えたかったが、政敵から彼女がボルスターの弱点になる事を悟られるわけには行かない。 巻き込みたくない気持ちとそれでも一緒にいたいという欲望が鬩ぎ合っていた。 ボルスターは国王陛下に願い、その令嬢との婚姻を王命という形にしてもらうことで、彼女との婚姻はあくまで命令で、本意ではないという態度を取ることで、ボルスターはめでたく彼女を手中に収めた。 けれど。 「旦那様。お久しぶりです。離縁してください」 結婚から半年後に、ボルスターは離縁を突きつけられたのだった。 ※復縁、元サヤ無しです。 ※時系列と視点がコロコロゴロゴロ変わるのでタイトル入れました ※えろありです ※ボルスター主人公のつもりが、端役になってます(どうしてだ) ※タイトル変更→旧題:黒い結婚

婚約者候補になったけれども

ざっく
恋愛
王太子 シャルル・ルールに、四人の婚約者候補が準備された。美女才媛の中の一人に選ばれたマリア。てか、この中に私、必要?さっさと王太子に婚約者を選んでもらい、解放されたい。もう少しだけそばにいたいと思う気持ちを無視して、マリアは別の嫁ぎ先を探す。コメディです。

処理中です...