ゲノム～失われた大陸の秘密～

第三章【パシフィス王国編】

満足感

ものの数分で、アップルパイは跡形もなくなっていた。
テーブルの上には空の皿が二つと、村田とライトの満足感溢れる表情が残されていた。

「悪魔的なうまさだった..」
と村田は感嘆の声を上げ、その言葉にライトも熱烈に頷いた。
二人の目はまるで新たな世界を見たかのように輝いていた。

その瞬間、ケラプがゆっくりと彼らのテーブルに近づいてきた。
「お味はいかがでしたか？」
と彼女が尋ねると、

ライトは瞳を輝かせて
「美味しかった！こんなの初めて食べたよ！」
と嬉しそうに答えた。

「それはよかった..ぜひまたお越しください」
とケラプは満足そうに微笑み、その優しい表情に二人は安堵した。

支払いを済ませ、二人は店を後にした。
店を出る際、ライトは振り返り、もう一度その小さなカフェを見つめた。
彼の心には、この不思議な出会いと美味しいアップルパイの記憶が、深く刻まれていた。

その後、二人は旅の途中で必要となる医療用品を探しに町中を歩き回った。
包帯や消毒薬など旅の安全を確保するための必需品を手に入れ、
買い物を終えると宿へ戻る準備をした。
夜が訪れる前に、一日の疲れを癒やし、明日への準備を整えるためだった。