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12歳
319 指輪
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俺の予想は的中した。
あれから数日経って、アロンは元に戻った。いつも通りへらへらした笑顔で、俺とすれ違えば片手を上げてにこやかに声をかけてくれる。
怪我もだいぶよくなったようで、気がついた時には固定も終わっていた。そもそもアロンが骨折したのは巡回に出て間もない頃である。あれから結構な日数が経っている。「もうすっかり大丈夫です!」と元気に左手を動かすアロンであるが、ブルース兄様やクレイグ団長の前では、いまだに完治していないふりをしている。そんなに仕事をサボりたいか。さすがクソ野郎。
あの不機嫌な期間は、一体なんだったのだろうか。長期任務で、疲れが溜まったゆえの暴走だったのだろうか。思えば、アロンは疲労が溜まると普段以上に変な行動をとる。あれも、その一環だったのだろう。
理由を問い詰めてみたい気持ちもあるが、それによってまた不機嫌モードに戻られても困るので、触れられないでいる。アロンも、特に謝罪したりとかはない。俺としても、そちらの方が都合が良い。
「ルイス様。クッキー食べますか」
「食べる!」
厨房からくすねてきたと悪い顔をするアロンと一緒に、クッキーを食べる。こいつは、いまだにお菓子泥棒をやっている。暇人め。ちょっとだけ眉を顰めたロニーではあるが、ダメとは言わなかった。むしろ、俺とアロンが仲直りしてホッとしたようである。アロンが不機嫌だと、なんだか空気が悪くなるからな。アロンは、こうやってにやにや笑っている方がいいと思う。
ロニーは、アロンのことを時折嫌そうな顔で見つめていることがある。けれども、アロンが俺の側に入り浸ることがなくなった今、概ねにこやかにアロンに接している。どうやら仕事をサボるアロンが、気に食わなかったらしい。同じ騎士団所属だもんね。先輩であるアロンがサボっていれば、複雑な気分になるのだろう。
そうして表面上は何事もなかったかのように過ごしていたある日。
夕方頃である。
騎士団の方で用事があるというロニーが、席を外した隙を狙ってなのか。アロンが俺の部屋にやってきた。その時はジャンと綿毛ちゃん、それにエリスちゃんも一緒だったのだが、アロンはジャンを強引に追い出してしまった。なんでも俺と話があるらしい。
オロオロするジャンは、心配そうな顔をしていたが、「綿毛ちゃんいるから大丈夫」と俺が声をかければ、渋々廊下へと出て行った。『坊ちゃんのことは任せておきな!』と、綿毛ちゃんは気合い十分であった。綿毛ちゃんは犬なのに。一体なにができるって言うんだ。
ちらりと綿毛ちゃんに視線を投げたアロンであったが、犬だから大丈夫と考えたのだろう。ジャンのように追い出すことはしなかった。
勝手に椅子を陣取ったアロンは、ゆったりと長い足を組む。それを横目に、俺は小さいボールを投げて猫と遊ぶ。前にオーガス兄様にもらった物だ。
「とってこい!」
『それ、犬相手にやるやつでは?』
「じゃあ綿毛ちゃんがとってこい!」
『えー』
ボールに飛びつきはするものの、こちらへと持ってはこない白猫エリスちゃんは、ひとりでボール遊びをしてしまう。俺とも遊べ。
奪ってこいと綿毛ちゃんに指示するが、綿毛ちゃんは『今は猫ちゃんが遊んでるでしょ。可哀想だよぉ』とか言って動かない。もしかして、猫に負けるのが怖いのか? 猫パンチが怖いのか?
「犬! 猫と勝負するんだ!」
『えー。それはちょっと』
「行け! 犬」
『嫌だよぉ。もっと平和に遊ぼうよぉ』
うだうだ言ってその場にとどまる綿毛ちゃんは、やる気がなかった。そうして猫と犬を相手に格闘していれば、アロンが静かに俺の名前を呼んだ。
「なに」
忙しいので、背中を向けたまま返事をすれば、アロンが再び「ルイス様」と声をかけてくる。
「だからなに」
振り向いて、びっくりした。椅子に腰掛けていたはずのアロンが、俺の背後に立っていた。いつの間に。音も気配もなく背後に来ないでほしい。
傍にしゃがんだアロンは、なぜか俺の手をとってくる。なぜか執拗に指を触ってくるアロンの表情は、ここからでは確認できない。特に不都合もないので、されるがままにしておく。
「なに?」
「ルイス様の指って、小さいですね」
「これから大きくなる」
「そうですか」
「うん」
きっとブルース兄様くらいには身長伸びると思う。そうだと思いたい。
「あの、俺が渡した指輪ですけど」
「うん」
ちらりと、指輪が隠してある戸棚に視線をやる。
黙り込む綿毛ちゃんを、もふもふしておく。猫は、ひとりで一生懸命ボールにじゃれている。アロンが、静かに俺の手を握ってくる。顔を上げて、振り返る。
なんだか真面目モードのアロンがいた。
言いにくそうに眉を寄せたアロンであったが、やがてゆっくりと口を開いた。
「やっぱり、返してもらっても、いいですか」
こくんと頷く。
どうやらアロンにとっては、大事な物らしい。何度も指輪の在処を確認していたもんな。
立ち上がって、戸棚へと向かう。奥に隠してあった指輪を取り出して、アロンのもとへ戻る。
「どうぞ」
突きつければ、彼は一瞬だけ考えるように視線を彷徨わせた。けれども、すぐに受け取ると、満足そうに頷く。
「新しいの用意しますね」
「ん?」
「これ。サイズ合わないでしょ」
「うん」
猫の首輪にはピッタリだけどな。猫にあげるのはちょっと、と苦笑するアロンは、指輪を雑にポケットへと突っ込んでしまう。
「同じもの、ルイス様のサイズに合わせて用意するんで」
はにかむアロンは、なんだか新鮮だ。こうしてみれば、普通に爽やかなイケメンお兄さんだ。
「そうしたら、指輪。つけてくれますか?」
少しだけ照れたように微笑む彼を見上げて、迷うことなく頷いた。
「よかった」
言葉通り安堵の表情をみせるアロンは、とても満足そうであった。そのまま仕事に戻るという彼を見送って、入れ替わりでジャンが戻ってくる。
『坊ちゃん』
「どうした。綿毛ちゃん。ボールがほしいのか」
『いや、そうじゃなくて』
迷うように、俺を見上げる綿毛ちゃんは、『大丈夫なの?』と首を傾げている。大丈夫って、なにが。
『いや、今のさ。うーん。どうなんだろう』
今の? アロンのこと? どうなんだろうって、なにが。
指輪のことだよな。同じやつ用意してくれると言っていた。平和的な解決方法だ。まぁ、俺は指輪なんてしないけど。遊ぶのに邪魔。だが、アロンはなにやらこだわりがあるらしいので、新しい指輪もらったらつけてやってもいい。
『そんな軽い感じには見えなかったけど』
ぼそぼそ呟く綿毛ちゃんは、ぐるぐるとその場で回転してみせる。なにそれ。新しい芸? おまわり?
目を瞬いていれば、綿毛ちゃんが『まぁ、いいや』と猫目掛けて走っていく。白猫エリスちゃんは、ボールを守るように立ちはだかる。そのまま、犬と猫の戦いが幕を開けた。
「行け! 綿毛ちゃん。猫に勝つんだ! 猫も頑張れ!」
犬と猫を勝負させて遊ぶ俺を、ジャンが心配したような目で見つめてくる。なにか言いたそうだが、なにも言わない。いつものことだ。
「大丈夫! 犬も猫も強いよ」
「あ、はい」
わかりました、と応じるジャンは、それでもまだ心配そうな目をしていた。
あれから数日経って、アロンは元に戻った。いつも通りへらへらした笑顔で、俺とすれ違えば片手を上げてにこやかに声をかけてくれる。
怪我もだいぶよくなったようで、気がついた時には固定も終わっていた。そもそもアロンが骨折したのは巡回に出て間もない頃である。あれから結構な日数が経っている。「もうすっかり大丈夫です!」と元気に左手を動かすアロンであるが、ブルース兄様やクレイグ団長の前では、いまだに完治していないふりをしている。そんなに仕事をサボりたいか。さすがクソ野郎。
あの不機嫌な期間は、一体なんだったのだろうか。長期任務で、疲れが溜まったゆえの暴走だったのだろうか。思えば、アロンは疲労が溜まると普段以上に変な行動をとる。あれも、その一環だったのだろう。
理由を問い詰めてみたい気持ちもあるが、それによってまた不機嫌モードに戻られても困るので、触れられないでいる。アロンも、特に謝罪したりとかはない。俺としても、そちらの方が都合が良い。
「ルイス様。クッキー食べますか」
「食べる!」
厨房からくすねてきたと悪い顔をするアロンと一緒に、クッキーを食べる。こいつは、いまだにお菓子泥棒をやっている。暇人め。ちょっとだけ眉を顰めたロニーではあるが、ダメとは言わなかった。むしろ、俺とアロンが仲直りしてホッとしたようである。アロンが不機嫌だと、なんだか空気が悪くなるからな。アロンは、こうやってにやにや笑っている方がいいと思う。
ロニーは、アロンのことを時折嫌そうな顔で見つめていることがある。けれども、アロンが俺の側に入り浸ることがなくなった今、概ねにこやかにアロンに接している。どうやら仕事をサボるアロンが、気に食わなかったらしい。同じ騎士団所属だもんね。先輩であるアロンがサボっていれば、複雑な気分になるのだろう。
そうして表面上は何事もなかったかのように過ごしていたある日。
夕方頃である。
騎士団の方で用事があるというロニーが、席を外した隙を狙ってなのか。アロンが俺の部屋にやってきた。その時はジャンと綿毛ちゃん、それにエリスちゃんも一緒だったのだが、アロンはジャンを強引に追い出してしまった。なんでも俺と話があるらしい。
オロオロするジャンは、心配そうな顔をしていたが、「綿毛ちゃんいるから大丈夫」と俺が声をかければ、渋々廊下へと出て行った。『坊ちゃんのことは任せておきな!』と、綿毛ちゃんは気合い十分であった。綿毛ちゃんは犬なのに。一体なにができるって言うんだ。
ちらりと綿毛ちゃんに視線を投げたアロンであったが、犬だから大丈夫と考えたのだろう。ジャンのように追い出すことはしなかった。
勝手に椅子を陣取ったアロンは、ゆったりと長い足を組む。それを横目に、俺は小さいボールを投げて猫と遊ぶ。前にオーガス兄様にもらった物だ。
「とってこい!」
『それ、犬相手にやるやつでは?』
「じゃあ綿毛ちゃんがとってこい!」
『えー』
ボールに飛びつきはするものの、こちらへと持ってはこない白猫エリスちゃんは、ひとりでボール遊びをしてしまう。俺とも遊べ。
奪ってこいと綿毛ちゃんに指示するが、綿毛ちゃんは『今は猫ちゃんが遊んでるでしょ。可哀想だよぉ』とか言って動かない。もしかして、猫に負けるのが怖いのか? 猫パンチが怖いのか?
「犬! 猫と勝負するんだ!」
『えー。それはちょっと』
「行け! 犬」
『嫌だよぉ。もっと平和に遊ぼうよぉ』
うだうだ言ってその場にとどまる綿毛ちゃんは、やる気がなかった。そうして猫と犬を相手に格闘していれば、アロンが静かに俺の名前を呼んだ。
「なに」
忙しいので、背中を向けたまま返事をすれば、アロンが再び「ルイス様」と声をかけてくる。
「だからなに」
振り向いて、びっくりした。椅子に腰掛けていたはずのアロンが、俺の背後に立っていた。いつの間に。音も気配もなく背後に来ないでほしい。
傍にしゃがんだアロンは、なぜか俺の手をとってくる。なぜか執拗に指を触ってくるアロンの表情は、ここからでは確認できない。特に不都合もないので、されるがままにしておく。
「なに?」
「ルイス様の指って、小さいですね」
「これから大きくなる」
「そうですか」
「うん」
きっとブルース兄様くらいには身長伸びると思う。そうだと思いたい。
「あの、俺が渡した指輪ですけど」
「うん」
ちらりと、指輪が隠してある戸棚に視線をやる。
黙り込む綿毛ちゃんを、もふもふしておく。猫は、ひとりで一生懸命ボールにじゃれている。アロンが、静かに俺の手を握ってくる。顔を上げて、振り返る。
なんだか真面目モードのアロンがいた。
言いにくそうに眉を寄せたアロンであったが、やがてゆっくりと口を開いた。
「やっぱり、返してもらっても、いいですか」
こくんと頷く。
どうやらアロンにとっては、大事な物らしい。何度も指輪の在処を確認していたもんな。
立ち上がって、戸棚へと向かう。奥に隠してあった指輪を取り出して、アロンのもとへ戻る。
「どうぞ」
突きつければ、彼は一瞬だけ考えるように視線を彷徨わせた。けれども、すぐに受け取ると、満足そうに頷く。
「新しいの用意しますね」
「ん?」
「これ。サイズ合わないでしょ」
「うん」
猫の首輪にはピッタリだけどな。猫にあげるのはちょっと、と苦笑するアロンは、指輪を雑にポケットへと突っ込んでしまう。
「同じもの、ルイス様のサイズに合わせて用意するんで」
はにかむアロンは、なんだか新鮮だ。こうしてみれば、普通に爽やかなイケメンお兄さんだ。
「そうしたら、指輪。つけてくれますか?」
少しだけ照れたように微笑む彼を見上げて、迷うことなく頷いた。
「よかった」
言葉通り安堵の表情をみせるアロンは、とても満足そうであった。そのまま仕事に戻るという彼を見送って、入れ替わりでジャンが戻ってくる。
『坊ちゃん』
「どうした。綿毛ちゃん。ボールがほしいのか」
『いや、そうじゃなくて』
迷うように、俺を見上げる綿毛ちゃんは、『大丈夫なの?』と首を傾げている。大丈夫って、なにが。
『いや、今のさ。うーん。どうなんだろう』
今の? アロンのこと? どうなんだろうって、なにが。
指輪のことだよな。同じやつ用意してくれると言っていた。平和的な解決方法だ。まぁ、俺は指輪なんてしないけど。遊ぶのに邪魔。だが、アロンはなにやらこだわりがあるらしいので、新しい指輪もらったらつけてやってもいい。
『そんな軽い感じには見えなかったけど』
ぼそぼそ呟く綿毛ちゃんは、ぐるぐるとその場で回転してみせる。なにそれ。新しい芸? おまわり?
目を瞬いていれば、綿毛ちゃんが『まぁ、いいや』と猫目掛けて走っていく。白猫エリスちゃんは、ボールを守るように立ちはだかる。そのまま、犬と猫の戦いが幕を開けた。
「行け! 綿毛ちゃん。猫に勝つんだ! 猫も頑張れ!」
犬と猫を勝負させて遊ぶ俺を、ジャンが心配したような目で見つめてくる。なにか言いたそうだが、なにも言わない。いつものことだ。
「大丈夫! 犬も猫も強いよ」
「あ、はい」
わかりました、と応じるジャンは、それでもまだ心配そうな目をしていた。
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