243 / 637
11歳
232 不審な呟き
しおりを挟む
もうそろそろ良いですかね、とティアンが不審な呟きをした。
俺は今、庭で草を引っこ抜いていた。やることなさ過ぎて、雑草を抜いては、それをティアンに投げつけるという遊びをしていた。ティアンがものすごく嫌そうな顔をしているものの、止めはしない。俺に文句を言って、逆ギレした俺が部屋に戻るのを防ぐためだろう。徹底している。
しかし早くこの遊びからは解放されたいらしい。ロニーとアイコンタクトをした彼は、「また変な遊びして」とお小言モードに入ってしまう。さっきまでは大目に見てやるよという感じだったのに。切り替えはや過ぎるよ。
どうやら下手な時間稼ぎは終わったらしい。一転して、屋敷に戻ろうとするティアンに続く。
「行くよ、ジャン。ロニーも」
声をかければ、ロニーがにこやかに応じてくれる。何度も思っているのだが、長髪男子くんがずっと一緒って最高だな。
ふふっとご機嫌で屋敷に戻ると、ティアンが手を洗えと俺の背中をぐいぐい押してくる。雑草抜いたから、手が汚れているのだ。
言われるがままに、手を洗う。そうして自室に駆け込もうとした俺を、再びティアンとロニーのふたりが止めに入る。
「向こうに! 向こうに行きましょう!」
「嫌だ! なんでティアンの言うこと聞かなきゃいけないんだ」
もう! と拗ねるティアンは、ロニーを振り返る。それを受けて、ロニーが俺の前に屈み込んだ。
「ルイス様。本日のおやつは客間に用意してありますよ?」
「なぜ!」
勢いよく訊ねれば、「ついてからのお楽しみですよ」とロニーに手を引かれる。ふむ。ロニーがそう言うのなら、仕方がない。
黙って従い、おやつが用意されているという客間へと足を向ける。なにやらサプライズの予感である。どうしても俺を自室に戻したくない理由があるのだろう。これはきっとサプライズ的ななにかだ。俺は察しがいいからな。おまけに空気も読める。サプライズには気が付かないフリをして、わくわくと客間に向かう。
ドアを開け放って、勢いよく突入すれば、そこには不機嫌顔のユリスと、困り顔のタイラーが居た。引き返したい。サプライズどこ?
「なにをしている、ユリス」
「おまえこそ、なんのつもりだ」
僕が先に来たんだから、おまえは出て行けと酷いこと言うユリスは通常運転である。「そんなこと言ったらダメですよ」と諌めるタイラーも、いつも通りである。
よくわからんが、とりあえずユリスの隣に座っておく。あっちに座れと文句を言われたが、気にしない。そうして足をぷらぷらしていると、兄様たちがやってきた。
なんだかニヤケ顔のオーガス兄様は、不自然に両手を後ろにまわしていた。何かを隠し持っているらしい。覗いてやろうと立ち上がる俺を、ティアンが慌てて引き止める。
ユリスはあんまり興味がないようで、ムスッと腕を組んでいる。ついでに足も組んでいる。タイラーがお行儀悪いと眉を寄せた。
「オーガス兄様。なんでそんな変な顔してんの。なに持ってるの」
「変な顔なんてしてないよ」
んんっと、わざとらしい咳払いで誤魔化したオーガス兄様の後ろでは、ブルース兄様とアロンが小競り合いを繰り広げている。このふたりが、くだらない争いをするのも、いつものことである。たいていはアロンが悪いのだ。
最後にドアを閉めたニックは、ちょっと疲れた顔をしていた。そうしてなんだか人が集まった空間にわくわくしていると、ユリスが小さく嘲笑した。つられて、そちらに視線を向ける。
「なに?」
「今日は僕の誕生日だからな」
誕生日?
誕生日って、えっと。お祝いだ!
「いえーい!」
よくわからんが、とりあえず叫んでおく。元気よく両手を上げておけば、オーガス兄様が「なんで言っちゃうの⁉︎ サプライズが台無しだよ!」と悲痛な声を上げる。
「誕生日パーティー! ケーキ! プレゼント! いえーい!」
「おまえはいつ見ても楽しそうでいいな」
誕生日で思いつくハッピーな単語を並べておく。そんな俺を小馬鹿にするような感じで肩をすくめるユリスに、オーガス兄様は頭を抱えている。サプライズを台無しにされて落ち込みモードらしい。だが、みんなサプライズ下手くそだな。なんかあるってバレバレだったもん。
「何歳⁉︎」
「十一歳に決まっているだろ」
なんてこった。ユリスが成長してしまった。十歳児だったくせに。今日から十一歳児か。マジかよ。
しかしここで疑問がある。
「俺は? 俺は何歳?」
ユリスだけ成長するのはずるいと思う。俺も俺もと主張すれば、ブルース兄様が「そうだな」と大きく頷く。
「一応、ルイスとユリスは双子ということになっているからな。ルイスも今日が誕生日でいいか?」
「いいよ!」
前世の誕生日なんて覚えていないし。てことは、俺も今日から十一歳だ。
「プレゼントは?」
オーガス兄様が隠しているつもりらしいプレゼントに目を向ける。はよ渡せと急かせば、苦笑したオーガス兄様が、綺麗に包まれたプレゼントをユリスに渡す。雑に受け取ったユリスは「ふーん」と偉そうに眺めている。
「開けていい?」
横から手を伸ばしてユリスに訊ねれば、「なんでだよ。これは僕がもらったものだ。おまえはあっちに行け」と言われてしまう。ビリビリと包装紙を破き始めたユリスに、「お礼くらい言ったらどうなんだ」とブルース兄様が小言を漏らす。
それをガン無視したユリスは、遠慮なくプレゼントを開封する。中から出てきたのは、本だった。つまんな。
「君が好きそうな魔法に関する本。見つけるの大変だったんだから。今度は捨てないでね」
弱々しく言葉を紡ぐオーガス兄様は、十歳の誕生日にユリスにあげた魔石を湖に投げ捨てられたことを根に持っているらしい。
興味なさそうな顔をしていながらも、なんだか嬉しそうな雰囲気を醸し出すユリスは、早速本を開いている。横から覗き込んでみたが、難しくて面白くない。だがユリスは気に入っているようで、今回は捨てるなんてことはなさそうである。
「俺は? 俺のプレゼントは?」
オーガス兄様が、他にプレゼントを持っている気配はない。ブルース兄様もだ。もしかして俺にはないのか? 俺も誕生日なのに?
もしかしたら本当の弟じゃないからプレゼント貰えないのかもしれない。ちょっとショックを受けていると、オーガス兄様が「えっとぉ」と頬を掻いた。
「ルイスの分も用意してあるよ」
「やったぁ!」
そうしてブルース兄様と顔を見合わせたオーガス兄様は、得意気な顔をする。
「こっちも見つけるの大変だったんだから」
「ありがとう、オーガス兄様!」
もったいぶる兄様たちは、なかなかプレゼントを渡してくれない。お礼は述べておいたが、それでもまだ渡してくれない。なんでだよ。
そわそわしていると、オーガス兄様がにやっと笑った。
「プレゼントは部屋に置いてあるよ。見てきなよ」
「なんだって」
部屋に? もしかしてそれが原因で、ティアンたちが俺を頑なに部屋に入れてくれなかったのだろうか。隠し事が下手くそだな。
それにしても。
わざわざ部屋に置いておくってことは、こちらに持ってこられない理由があったのだろうか。持ち運びが簡単ではないとか? これはあれだ。でっかいプレゼントの可能性が大だ。
「俺の勝ちだな」
とりあえず、ユリス相手に胸を張って勝利宣言をしておく。もらった本に夢中のユリスは、反応してくれない。「なにが勝ちなんですか?」とティアンが首を捻っている。
しかし、こうしてはいられない。
一刻もはやく、プレゼントの確認に行かなければならない。勢いよく部屋をかけ出す俺の後を、ティアンとロニーが追いかけてくる。「走るな!」と、ブルース兄様が叫んでいるが無視である。今はなによりも、プレゼントの方が大事である。
俺は今、庭で草を引っこ抜いていた。やることなさ過ぎて、雑草を抜いては、それをティアンに投げつけるという遊びをしていた。ティアンがものすごく嫌そうな顔をしているものの、止めはしない。俺に文句を言って、逆ギレした俺が部屋に戻るのを防ぐためだろう。徹底している。
しかし早くこの遊びからは解放されたいらしい。ロニーとアイコンタクトをした彼は、「また変な遊びして」とお小言モードに入ってしまう。さっきまでは大目に見てやるよという感じだったのに。切り替えはや過ぎるよ。
どうやら下手な時間稼ぎは終わったらしい。一転して、屋敷に戻ろうとするティアンに続く。
「行くよ、ジャン。ロニーも」
声をかければ、ロニーがにこやかに応じてくれる。何度も思っているのだが、長髪男子くんがずっと一緒って最高だな。
ふふっとご機嫌で屋敷に戻ると、ティアンが手を洗えと俺の背中をぐいぐい押してくる。雑草抜いたから、手が汚れているのだ。
言われるがままに、手を洗う。そうして自室に駆け込もうとした俺を、再びティアンとロニーのふたりが止めに入る。
「向こうに! 向こうに行きましょう!」
「嫌だ! なんでティアンの言うこと聞かなきゃいけないんだ」
もう! と拗ねるティアンは、ロニーを振り返る。それを受けて、ロニーが俺の前に屈み込んだ。
「ルイス様。本日のおやつは客間に用意してありますよ?」
「なぜ!」
勢いよく訊ねれば、「ついてからのお楽しみですよ」とロニーに手を引かれる。ふむ。ロニーがそう言うのなら、仕方がない。
黙って従い、おやつが用意されているという客間へと足を向ける。なにやらサプライズの予感である。どうしても俺を自室に戻したくない理由があるのだろう。これはきっとサプライズ的ななにかだ。俺は察しがいいからな。おまけに空気も読める。サプライズには気が付かないフリをして、わくわくと客間に向かう。
ドアを開け放って、勢いよく突入すれば、そこには不機嫌顔のユリスと、困り顔のタイラーが居た。引き返したい。サプライズどこ?
「なにをしている、ユリス」
「おまえこそ、なんのつもりだ」
僕が先に来たんだから、おまえは出て行けと酷いこと言うユリスは通常運転である。「そんなこと言ったらダメですよ」と諌めるタイラーも、いつも通りである。
よくわからんが、とりあえずユリスの隣に座っておく。あっちに座れと文句を言われたが、気にしない。そうして足をぷらぷらしていると、兄様たちがやってきた。
なんだかニヤケ顔のオーガス兄様は、不自然に両手を後ろにまわしていた。何かを隠し持っているらしい。覗いてやろうと立ち上がる俺を、ティアンが慌てて引き止める。
ユリスはあんまり興味がないようで、ムスッと腕を組んでいる。ついでに足も組んでいる。タイラーがお行儀悪いと眉を寄せた。
「オーガス兄様。なんでそんな変な顔してんの。なに持ってるの」
「変な顔なんてしてないよ」
んんっと、わざとらしい咳払いで誤魔化したオーガス兄様の後ろでは、ブルース兄様とアロンが小競り合いを繰り広げている。このふたりが、くだらない争いをするのも、いつものことである。たいていはアロンが悪いのだ。
最後にドアを閉めたニックは、ちょっと疲れた顔をしていた。そうしてなんだか人が集まった空間にわくわくしていると、ユリスが小さく嘲笑した。つられて、そちらに視線を向ける。
「なに?」
「今日は僕の誕生日だからな」
誕生日?
誕生日って、えっと。お祝いだ!
「いえーい!」
よくわからんが、とりあえず叫んでおく。元気よく両手を上げておけば、オーガス兄様が「なんで言っちゃうの⁉︎ サプライズが台無しだよ!」と悲痛な声を上げる。
「誕生日パーティー! ケーキ! プレゼント! いえーい!」
「おまえはいつ見ても楽しそうでいいな」
誕生日で思いつくハッピーな単語を並べておく。そんな俺を小馬鹿にするような感じで肩をすくめるユリスに、オーガス兄様は頭を抱えている。サプライズを台無しにされて落ち込みモードらしい。だが、みんなサプライズ下手くそだな。なんかあるってバレバレだったもん。
「何歳⁉︎」
「十一歳に決まっているだろ」
なんてこった。ユリスが成長してしまった。十歳児だったくせに。今日から十一歳児か。マジかよ。
しかしここで疑問がある。
「俺は? 俺は何歳?」
ユリスだけ成長するのはずるいと思う。俺も俺もと主張すれば、ブルース兄様が「そうだな」と大きく頷く。
「一応、ルイスとユリスは双子ということになっているからな。ルイスも今日が誕生日でいいか?」
「いいよ!」
前世の誕生日なんて覚えていないし。てことは、俺も今日から十一歳だ。
「プレゼントは?」
オーガス兄様が隠しているつもりらしいプレゼントに目を向ける。はよ渡せと急かせば、苦笑したオーガス兄様が、綺麗に包まれたプレゼントをユリスに渡す。雑に受け取ったユリスは「ふーん」と偉そうに眺めている。
「開けていい?」
横から手を伸ばしてユリスに訊ねれば、「なんでだよ。これは僕がもらったものだ。おまえはあっちに行け」と言われてしまう。ビリビリと包装紙を破き始めたユリスに、「お礼くらい言ったらどうなんだ」とブルース兄様が小言を漏らす。
それをガン無視したユリスは、遠慮なくプレゼントを開封する。中から出てきたのは、本だった。つまんな。
「君が好きそうな魔法に関する本。見つけるの大変だったんだから。今度は捨てないでね」
弱々しく言葉を紡ぐオーガス兄様は、十歳の誕生日にユリスにあげた魔石を湖に投げ捨てられたことを根に持っているらしい。
興味なさそうな顔をしていながらも、なんだか嬉しそうな雰囲気を醸し出すユリスは、早速本を開いている。横から覗き込んでみたが、難しくて面白くない。だがユリスは気に入っているようで、今回は捨てるなんてことはなさそうである。
「俺は? 俺のプレゼントは?」
オーガス兄様が、他にプレゼントを持っている気配はない。ブルース兄様もだ。もしかして俺にはないのか? 俺も誕生日なのに?
もしかしたら本当の弟じゃないからプレゼント貰えないのかもしれない。ちょっとショックを受けていると、オーガス兄様が「えっとぉ」と頬を掻いた。
「ルイスの分も用意してあるよ」
「やったぁ!」
そうしてブルース兄様と顔を見合わせたオーガス兄様は、得意気な顔をする。
「こっちも見つけるの大変だったんだから」
「ありがとう、オーガス兄様!」
もったいぶる兄様たちは、なかなかプレゼントを渡してくれない。お礼は述べておいたが、それでもまだ渡してくれない。なんでだよ。
そわそわしていると、オーガス兄様がにやっと笑った。
「プレゼントは部屋に置いてあるよ。見てきなよ」
「なんだって」
部屋に? もしかしてそれが原因で、ティアンたちが俺を頑なに部屋に入れてくれなかったのだろうか。隠し事が下手くそだな。
それにしても。
わざわざ部屋に置いておくってことは、こちらに持ってこられない理由があったのだろうか。持ち運びが簡単ではないとか? これはあれだ。でっかいプレゼントの可能性が大だ。
「俺の勝ちだな」
とりあえず、ユリス相手に胸を張って勝利宣言をしておく。もらった本に夢中のユリスは、反応してくれない。「なにが勝ちなんですか?」とティアンが首を捻っている。
しかし、こうしてはいられない。
一刻もはやく、プレゼントの確認に行かなければならない。勢いよく部屋をかけ出す俺の後を、ティアンとロニーが追いかけてくる。「走るな!」と、ブルース兄様が叫んでいるが無視である。今はなによりも、プレゼントの方が大事である。
468
お気に入りに追加
3,136
あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

不遇の第七王子は愛され不慣れで困惑気味です
新川はじめ
BL
国王とシスターの間に生まれたフィル・ディーンテ。五歳で母を亡くし第七王子として王宮へ迎え入れられたのだが、そこは針の筵だった。唯一優しくしてくれたのは王太子である兄セガールとその友人オーティスで、二人の存在が幼いフィルにとって心の支えだった。
フィルが十八歳になった頃、王宮内で生霊事件が発生。セガールの寝所に夜な夜な現れる生霊を退治するため、彼と容姿のよく似たフィルが囮になることに。指揮を取るのは大魔法師になったオーティスで「生霊が現れたら直ちに捉えます」と言ってたはずなのに何やら様子がおかしい。
生霊はベッドに潜り込んでお触りを始めるし。想い人のオーティスはなぜか黙ってガン見してるし。どうしちゃったの、話が違うじゃん!頼むからしっかりしてくれよぉー!
とある文官のひとりごと
きりか
BL
貧乏な弱小子爵家出身のノア・マキシム。
アシュリー王国の花形騎士団の文官として、日々頑張っているが、学生の頃からやたらと絡んでくるイケメン部隊長であるアベル・エメを大の苦手というか、天敵認定をしていた。しかし、ある日、父の借金が判明して…。
基本コメディで、少しだけシリアス?
エチシーンところか、チュッどまりで申し訳ございません(土下座)
ムーンライト様でも公開しております。

イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした
和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。
そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。
* 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵
* 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください

その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

愛する人
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
「ああ、もう限界だ......なんでこんなことに!!」
応接室の隙間から、頭を抱える夫、ルドルフの姿が見えた。リオンの帰りが遅いことを知っていたから気が緩み、屋敷で愚痴を溢してしまったのだろう。
三年前、ルドルフの家からの申し出により、リオンは彼と政略的な婚姻関係を結んだ。けれどルドルフには愛する男性がいたのだ。
『限界』という言葉に悩んだリオンはやがてひとつの決断をする。


実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる