秋良のシェアハウス。（ワケあり）

榛名ルート（主に秋良目線。）

榛名さんと初めての...

 榛名さんが、踊り終えカメラを止めたのと同時に俺は、植え込みから飛び出し、無意識に声を掛けていた。
 「榛名さん...かっこよかったです...！もしかして...榛名さんって...RuRiさん...ですか...？？」
 言ってしまってから、しまったと思ったが、言ってしまったものは、仕方がないと考えて榛名さんの答えを待った...。
 声を掛けた俺を振り返ると、途端に表情を曇らせてバツが悪そうに...
「...は？？...おまえ...何勝手にみてんの...というより...RuRiって......おまえ...何で知ってんだよ...。（汗）」
と言って言葉を返してきた。
 俺は、初めて榛名さんと会話ができたことに嬉しさを覚え
「...はっ...初めて会話してくれた...（嬉）...俺...踊っているの見るのも、自分が踊るのも、大好きなんです！！...特に高校生の時、大学受験で俺の癒しだったのは...RuRiさん...だったんです...。俺...どんなに辛くても、RuRiさんが踊っているの見たら、元気出てきて...俺も頑張ろうって思うことが出来たんです...。」
と言った俺を見て、榛名さんは、一瞬目を見開いて驚いた様子だったが、すぐにいつもの無愛想な表情に戻るとカメラを片付けながら
「...だから...何？？...そうだよ...俺が、RuRi...。...でも、俺がRuRiだったら何なの？？おまえに元気を与えていたから...って...何が言いたいわけ...？？」
と言って片付ける手を一向に休めずに淡々と話をする榛名さんに俺は
「...だから...その......俺に踊りを......教えてください！！」
と言って思い切り頭を下げた。
 すると、一旦の間があってから榛名さんが
「...は？？...何かの冗談...？？...そんなん...無理に決まってんじゃん...。」
と言ってリュックに荷物を詰め終えた榛名さんは、家に帰ろうとリュックを背負って立ち上がった。
 そんな榛名さんの腕を咄嗟に掴んで俺は
「...お願いします...俺に...RuRiさんの踊り...教えて下さい...俺...俺は、ずっと貴方に憧れていたんです...！！」
と言って榛名さんの顔を見ると榛名さんは
「...はぁ...めんどくさ......あのさぁ、おまえが俺に踊りを聞いたところで...どうにかなるものでもないし......第一、将来...それで食べていけるなんて確証がある訳でもない......そんな事やるんだったら...勉強していい職につくことを考えたほうがいい...。」
と言って俺の腕を振り払うと、そそくさと家に帰って行ってしまった...。
 残された俺は
「...RuRiさん...俺は、何があっても貴方に踊りを教えてもらうまで、追いかけ続けます...絶対に...」
と自分の心に強く決心するのであった。

RuRiさんとは？？
 RuRiというのは、榛名 青波の動画投稿サイト上での名前である。
 榛名が、動画を投稿し出したのは、約10年前...榛名が大学生の時からだ...榛名が動画を投稿しだしたのには、ある深い理由があるらしいが...過去のことを一切他人に話そうとはしないため、彼の過去を知るものは、ほとんどいない...。
 ネット上では、チャンネルの登録者数が20万人もいる...最近ますます人気が出だしたようで、ネット上では、よく騒がれている...。因みに、名前の由来は、彼の下の名前でもある青波の青から彼の旧友（きゅうゆう）が瑠璃色の空を思い浮かべたからだそうだ...。（笑）